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公開日:2025年2月28日

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令和6年度 第4回「ONE STEP TOGETHER 県政知事トーク」(令和7年1月21日)

  • 日時:令和7年1月21日(火曜日)10時から11時
  • 場所:香川県庁本館12階 会議室
  • 参加団体:かがわ県産ひのき住宅助成事業を利用した住宅を施工した企業5社
  • 香川県産のヒノキは雨が少ない気候や讃岐山脈の北側斜面で生育することが影響して、長い時間をかけてゆっくりと成長することから、年輪が均等でゆがみが少ないといった特長があります。多くの時間と手間暇をかけて大切に育てられてきた県産ヒノキが柱材に利用できる時期を迎えたことから、県では住宅や店舗などに広く利用していただくため、ヒノキ材を使用して住宅の新築などを行う場合にその費用の一部を補助する「かがわ県産ひのき住宅助成事業」を実施しています。この事業を利用した住宅を施工した地元企業の皆さんと「かがわヒノキ」をテーマに意見交換を行いました。


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意見交換の概要

0121知事7知事:県では昨年末、香川県産ヒノキのキャッチフレーズやロゴマークを作り、今後「かがわヒノキ」として、ブランドの認知度向上に向けた発信をしていきたいと思っています。本日は「かがわ県産ひのき住宅助成事業」を利用した住宅を施工された皆さまから、行政でやるべきことや、民間事業者、施主となる県民の方などと進めていくべきこと、お気づきの点などについてお話をお伺いできればと思います。まずは、企業の活動内容についてお聴かせください。

 

 

 

参加者A
「かがわヒノキ」とお付き合いをし始めて10年から11年ぐらいになります。新築住宅全棟の柱と土台に使うようになってからも10年ほどになります。
最初はかがわ木材加工センターの方や製材の材木屋などから、香川のヒノキが出ているという話を聞いて、香川でそんなにいい木が出るのかと疑問だったんですけど、北向きの山で雨も少ないし、香川は非常に条件が良いと聞きました。一番良いのは、1年の育ちが小さいですから、きめが細かくて木目もきれいになるんですけれども、一番はどこから採ってもばらつきがないことで、他県では北向きや東向きのいろいろな山があると思うんですけれども、香川は平均して北向きですので、非常にばらつきがなくて、本当にバランスが良いと言われていました。圧縮とか専門的な強度の試験もして、非常に良いという結果が出て、じゃあ使ってみようかということで使い始めたんです。
本当にきれいですし、一番びっくりするのは外に置いていて雨風が当たっても色が変わりにくいということは非常に感じます。これには材木屋もびっくりしています。5年目、6年目ぐらいでちょっと色が変わってきましたけれども、普通は2年目、3年目ぐらいで色が変わるので、それには驚いています。

 

参加者B
県産ヒノキと付き合い始めたのは2002年になるんですけれども、近くの山の木で家を造ろうという全国的な運動の中で、何とか近場の山のヒノキを使いたいなということで、当時はまだほとんど流通していなかったものですから、仲南町の林業家と組んで、お客様と自分の自宅の大黒柱になる木を伐採するというイベントを始めたのがスタートです。
それを2002年に始めまして、毎年1回今まで20年以上続いているんですけれども、その後、2006年だったと思いますけど、県のみどり整備課から声が掛かりまして、かがわ木材加工センターの方なども含めて、県産ヒノキの特に柱にならない、間伐しても使える道がない小径木を何とか使いたいということで、当時、建具や格子、家具などをグループの中で実験的に作らせていただいたり、そんな活動もありました。
当時は、まだ香川県内に県産ヒノキを加工する木材センターがなかったものですから、三好の市場の片隅に県産材が一部置かれている状況でした。そんな中で、徳島から県産ヒノキの床板、フローリング材を使い始めました。主に住宅に定期的に使っていくようになったのはそれがスタートだったと思います。その後、2016年に香川県の助成金ができる直前ですけれども、構造材、床材も含めてほとんど全ての木材を香川県産ヒノキで造った家を建てました。
それを県の環境森林部、香川県木材協会などが見学会をやるということで、その場に提供させていただいて、住宅の見学会を香川県木材協会主催でやらせてもらったりしたこともあります。そんなことで継続して今も県産ヒノキは扱い続けていますし、今後とも続けていきたいと思っています。当時は香川県が非常に山も少ないので、助成金が出るということは非常に考えにくかったんですけれども、助成金が出るようになってかなりそれから普及もし始めているんじゃないかと思いますので、ぜひ続けていただけるといいなと思っています。

 

参加者C
我々が県産ヒノキの助成金を初めて使ったのは5、6年ぐらい前で、一般の住宅に仕上げ材で使わせていただきました。その後、モデルハウスでも木をふんだんに使った家を建てようということで、床材に香川県産ヒノキを使わせていただきました。来場されたお客様には、目が細やかで色合いも鮮やかなので、すごくきれいですねと言っていただいてます。
毎年1、2件ぐらいなんですけれども、主に仕上げ材で助成金を使っています。この助成金があるおかげで、お客様にご紹介しやすいですし、すごく良い制度だと感じております。

 

参加者D
私は20年少々前に脱サラをしまして、国産材で家を造りたい、設計施工で既存のたくさん量産されている住宅にはない木の家を造りたいという思いを持って会社を起こしたんですけれども、当初から構造材、造作材は全部無垢の木で、国産材でやるという目標を立ててやってきました。
四国各県の木材を使って家を建ててきたんですけれども、そういった家づくりの勉強の中で、かがわ木造塾という勉強会を建築士会の中で立ち上げまして、もう13年ぐらい前ですけれども、勉強する中でかがわ木材加工センターの方と出会いまして香川県にヒノキがあるとお聞きしました。その頃10数年前は、まだそこまで使える物ではなかったんですけれども徐々に大きくなっているという話で、かがわ木材加工センターが完成した後から、うちでは主に柱、床下周りの土台や大引きなどは全て香川県産材で造っております。
最近では、香川県内の方なんですけれども所有林の木を切って、1棟丸ごと香川県産材で家を造った事例もあって、香川県産材の良さをそういった建物から社会に発信していきたいと思っていたところです。

 

参加者E
私は2002年に会社を創業し、その頃から土台や柱にヒノキを使いたいという思いがあって、それぐらいずっとやっています。なぜこんなにヒノキにこだわったのかなと思うと、まんのう町の山を紹介していただいたときに、ちょうどヒノキを伐採して間がなかったので香りが立っていたんです。切株から香りが立っているし、ここだけジオパーク的な感じで、この環境がこういうことを生み出しているじゃないかと予想をつけて、当時はつくばの森林総合研究所に出向いて先生方といろいろやって、今は九州大学と一緒に共同研究をさせていただいてます。
アプローチの仕方として、林業従事者のヒアリングをさせてもらったときに「しんどい。結婚すると辞める。給料が少ない。」という話を聞いたので、これを何とかするために建材としてのヒノキをブランド化することが一つ、もしくは山で未利用なものを付加価値をつけて買い取る、この二つにあるという考え方をして、それから4年半ぐらいずっといろいろなことをやって今に至るというところです。
知事も県の方も結構早いテンポでいろいろなことが動いていて、私の知らないところでも全国的に話が出るような場面があるので、この辺は知事も動いていただいたおかげかなと思っております。これをどうやって広げていくかという協議ができたら、アイデアは一つ、二つございますので、よろしくお願いいたします。

 

知事:かがわ木材加工センターの方のご紹介でやり始めたという方が3名いらっしゃいますけれども、どのようなご縁だったのかご紹介いただけたらありがたいです。

 

参加者A
かがわ木材加工センターは県産材のみを扱っています。
年間、香川県全体で1万3千立米ぐらい香川県のヒノキが出ているらしいんですけれども、香川木材加工センターで4千立米ぐらい使っているんです。その中で、それを製品にしたら半分ですので、1千500から2千立米ぐらいになります。一番困っているのは、県内で伐採した木材の多くが県外へと搬出されてしまうこと。何でかというと中間土場、要は伐採した木を貯木しておくところがないので、すぐに引き取ってもらうとか、どこかの材木屋に持っていくとかしないといけないからなんです。丸太の貯木場というか、そういう場所をいろいろな所に何か所か造っていただけると香川県の材木屋が行って、買って、製材ができると聞きました。
10何年か前に最初に香川のヒノキを勧めてくれたのが、かがわ木材加工センターの方で、40年か50年前に香川県全体の松が全部枯れたときに、その後にヒノキを植林した分がちょうど柱として取れるぐらいの40年、50年になっているということで、今のところはまだいけそうだけど植林はしていかないといけないと言ってました。

 

参加者B
私もかがわ木材加工センターの方とのお付き合いが2006年ぐらいからで古いんですけど、かがわ木材加工センターができる以前から県産材の流通をいかにするかということで非常に熱い思いを語られて、自ら実現させてすばらしいです。

 

参加者D
香川県内で県産材ヒノキを語るとき外せない方です。製材流通におけるキーマンです。長く孤軍奮闘されてきて非常に尊敬しております。

 

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知事:最初の発言の中で助成金の話がありました。「かがわヒノキ」、品質は皆さんからもばらつきがない、強度がある、変色しない、きれいである、いろいろな話がありましたけれども、やはり助成金なしではなかなか回らない原因はどういうところにあるのでしょうか。

 

参加者C
弊社のお客様で言うと、今頃の若い世代の方は、メンテナンス性とか金額の面で木材を敬遠する方が多くいらっしゃいます。それで、シートのフローリングを採用されることが弊社の場合だと多いんですけれども、私たちからすると木材を使ってほしいなということがありますので、お勧めしているんです。その中で、金額的にはシートの方が安いんですけど、助成金があるとそれに近い金額で出せることで提案がし易くなるので、助成金があるとありがたいです。
例えば、ヒノキのフローリングを選択するにしても、他県のフローリングもあるんですけど、県産ヒノキだと助成金も出るよということで香川県産ヒノキを提案している次第です。

 

参加者B
ヒノキはもちろん香川だけじゃなくて全国いろいろなところに産地があります。四国では愛媛、高知は非常にヒノキの量がたくさん出ているんですね。「かがわヒノキ」は年輪が詰まっていて良質ということは確かにあるんですけれども、例えば、同じ木材で高知県産と香川県産を比べたら、私の認識が不勉強かもしれませんけど、普通に「かがわヒノキ」の方が値段が高くなりがちだと思うんですね。その値段が高い分、品質がいいのかというとそれはちょっと言い切れないというか、非常に難しいと思います。
だから助成金があることで、県外の高知や愛媛のヒノキに対抗できる。ようやく対抗できているというのが今の現状ではないかと思います。それはもう量産体制が全然違いますので。高知や愛媛にすごくいいヒノキがいっぱいあるんですね。見た目は区別がつきません。誰が見ても県産ヒノキのわかる人はおそらくいない。もう同じものなので。だから、品質だけで特化してブランド化するというのは一つの方法ではあるんですけど、なかなか一般の方には伝わりにくいような気はしています。
ただ、そういう意味で助成金は現状ありがたいんですけど、永久に続くものではないので、助成金がなくなったときにどうやって県産ヒノキを維持していくかということが、一番大きな課題かなと思っています。

 

知事:Bさんが木造建築をずっとされている中で、外材も含めていろいろな木材を使われていると思うんですね。今おっしゃった「かがわヒノキ」を並べて愛媛、高知と比べたときに、お客様に「ほらね」と言うことがなかなか難しいという話がありましたけれども、例えばヒノキの類で「ほらね」と言えるヒノキというのは四国内に限らず全国にあるものなんでしょうか。

 

参加者B
ブランドでいうとたぶんトップクラスが木曽ヒノキだと思います。

 

知事:他のヒノキを持ってきたら素人はわからないかもしれないけれど、見る人が見たらわかるんでしょうか。

 

参加者B
木曽ヒノキだったらわかりますかね。ただ、産地だけではなくて、種類は同じヒノキ、同じ場所であっても育ち方がものによって違うので、同じ長野の木曽地域で採れても木曽ヒノキと呼べるのは一部だったりするわけですね。ですから、なかなか一括りにこの地域のヒノキという特徴を説明するのは難しいです。

 

知事:やっぱりこれは科学的根拠じゃなくてブランドでしょうか。

 

参加者B
そうですね。本当に木曽ヒノキと呼ばれるものは、木目を見たらかなり違いますね。本当に細かいというか。

 

参加者D
今、Bさんもおっしゃったんですけれども、同じヒノキを製材した状態で、どこの産地か言い当てる人はおそらく世の中にいないでしょう。超大径材と小さな木材とは目が違うので、そういったことはわかりますけれども、産地まで的確に製材品で言い当てるのはなかなか難しい。
だからどこから来たかというのはトレーサビリティ、そういったことではわかりますけれども、産地でブランドがあるということが、もう一つの歴史なんですよね。東濃あるいは天竜、木曽、そういった昔から永永として築かれてきたところというのは、それだけのネームバリューがあってブランド、そして覚知されている。なおかつ林業の歴史が古いので、超大径木の立派な材もあるし、それなりの施業技術もある。一方で、香川県は松くい虫被害以降に植えられたヒノキですから、どっちかというと雑用木がまだまだ多い。
そういった中で、ブランド化しようという香川県のお気持ちはわかるんですけど、なかなかそこに難しさがあるのかなと感じております。訴えるとすれば、近くの山で採れた木で非常にサステナビリティが環境にやさしい、郷土愛にも訴えることができるというところでは、県民に対してアピールができると思いますけれども、その管理、木材としての品質でどうだということを真正面切ってやれば、日本国内を相手にすると負ける部分もあろうかと思います。

 

0121知事9知事:Eさんは香りの側面で、「かがわヒノキ」のオフィスのことを常におっしゃられているんですけれども、木曽ヒノキの話がありましたけれども、そういう香りの比較で、今の九州大学との連携の中で何かありますでしょうか。

 

 

 

 

参加者E
先ほどの話に戻るんですけど、ブランド化とは何かというところが一番私は大事だと思っていまして、ブランド化するということは認証制度を作らないといけない。「かがわヒノキ」がどこに行ったかわからないんじゃ駄目なので、一元管理をする必要があるとずっと言っていまして、それができることが一番です。今、Dさんがおっしゃったみたいに神戸牛と宮崎牛を見て、みんな当てられるかといったらたぶん厳しいんだと思うんです。木に関しても同じことが言えて、同じ場所でも片方は直径は40センチ、たった10センチ離れただけで直径が15センチになるんですね。それぐらいちょっとした環境で目も変わる、強度も変わる。
どうしたらいいかなと思ったときに、香川県が雨が少ないというのは全国的に有名で、雨が少ないんだったらイチゴの糖度を高めるために水を与えないやり方と同じで、もしかしたら芳香成分が違うんじゃないかということをやり始めました。この芳香成分に関しては、産出量が香川の40倍も50倍もあるところのヒノキと全部比較試験をしました。板から出てくる芳香成分を集積して分量を量ったら、やっぱり香川県産は2倍とか2.5倍ぐらいあります。これは明らかな特徴としてありました。
この香り成分が人にどういう影響を及ぼすかということで、少しエビデンスみたいなものを出させていただいたんですけど、香川でも香りを生かして何かやれることがあるし、一番クラスで後ろの方にいるんだけど、香りというところで少し訴求してやることですぐに一番になれるなと思ったんです。だから私は香り、香りとずっと言ってきました。
助成金のことを少しだけ言わせてください。去年は10数件、今年は20、30件ぐらい助成金を使ってやらせていただこうと思っています。これは自分たちでやらないと、どこに助成金のいいところ、悪いところがあるかわからないので全部やってみたイメージです。
今、構造材が立米当たり1万円、内装材が平米当たり3千円、助成金が出ています。今だったら一般的な住宅が多分32、33坪だと思うんですね。ここで、構造体、柱土台にヒノキを使って6、7万、10平米6畳の天井に2カ所ぐらい貼って6万ぐらいです。二部屋の天井と構造体、柱土台をやって12、13万なんです。そうすると当然ながら合わないんです。6畳の天井にクロスを貼るのと、乾燥させたヒノキの板を貼るのとでは合わないんです。ということは、お客様に対して少しそこに説得性がいるんです。
もう1個言えば、この手続きに大体半日かかって、書類を持って行く窓口が遠いんです。そうすると、会社としては手続きするんだけど、お客様に入る10万円のために半日スタッフを動かして、また取ったりで1日以上かかる。このコストはうちは全部会社として吸収している。今ここで手数料を取れる状態ではないので、見合うようなものを出してほしいことと、認証もするし、ロゴも決めたから、まず住宅からでいいので助成金の額を上げてほしいです。その議論をしたいです。そうすることで、香川県はやっぱりそういうことをやっているんだねということで、利用を進めていくのに一番いいと思っています。特に内装材に関しては、部屋に入った瞬間に心拍数が下がっていきますので、興味があったら来てください。
そういうことを訴えていただいて、住宅の子ども部屋や寝室などに貼ればいいなと思っています。特に床に関しては、メンテナンスが少し面倒なところがあるので、例えば天井などに貼っても効果はありますので、そういうところで助成金を上げていただくと私たちもお客様にもっと説明がしやすい。我々の立場の人間がじゃあやろうかというふうにならないとお客様に届かないので、もしくはお客様に直にダイレクトにCMする、広告する、訴求するということを例えば県とか行政がやられるんだったらそれは良しなんですけど、それに見合うような内容のものを積み上げていただけたら、さすが香川県、さすが「かがわヒノキ」だなという側面もブランディングだと思いますので、そういうことも考えていただけたらと思っております。

 

知事:今、認証ということを最初に言われましたけれども、認証というのは超えるべきもの、閾値みたいなものを決めてそれを超えるのか、あるいはDさんがトレーサビリティーと言われましたけれども、とにかく香川で採れたヒノキだということが間違いないようにというところですよね。

 

参加者E
そうです。それに見合うようなものを組み立てていかないといけないと思うんです。勝手にブランドができていないのに、これは「かがわヒノキ」だよと言われたって何の特徴があるんですか、どうしたんですかと言われてはいけないので。

 

知事:そこの特徴として、香りというのが一つ差別化できるとしたら、そういう候補になるんじゃないかということですね。

 

参加者E
私は共同試験にも立ち会いましたけど、個人的には香り以外には差別化する根拠はないと思っています。目が詰んで云々というのは場所によってはそういうヒノキがいっぱい出てくる。ただ、1個言えるのは雨が少なくて急斜面で非常に環境が悪いところで育っているので、中に入っている芳香成分の成分量が多いんです。私たちは実感としてあるので、その辺りでこれが子どもさんがいるところとか、老人ホームの一部屋に貼られているだけで働く人も、中の人もいいんじゃないかというイメージを持っています。

 

知事:性能でいく場合に、最初Aさんがばらつきが少ないという話をしましたよね。コンパクトだということは量が出ないということのデメリットになるんですけれども、確かにコンパクトであることとばらつきとの関係は、定性的にはあるように思うんですけれども、その辺りは売りにできませんか。

 

参加者A
ばらつきというのは、山の向きとの関係性のことをかがわ木材加工センターの方が言われていました。北向きがほとんどですので。いろいろな向きの木だと専門的にはヤング係数というものがあるんですけど、それもそんなにずれがなくて、他県だと採れた木によってすごく違いがあります。その基準のJASも去年取れてJASの認定工場になったようです。

 

知事:最後に県への期待、こういうふうにしたらいいんじゃないかというご意見、今後の抱負などをお話しいただければと思います。

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参加者C
先ほども話がありましたけど、助成金があることで、香川県産のヒノキを提案しやすいので、引き続き続けていってほしいという思いでおります。

 

参加者D
私の方からは、少し意見をまとめてきましたので、お時間をいただいて述べさせていただけたらと思います。
香川県産ヒノキ促進に向けての六つの意見ということで、まず1番目は、木のつくり手じゃないかと思うんです。ほとんどの建築主は我が家が県産材でなければというこだわりは持っていないように思います。その建築主にいくらアピールしても効果は薄い。県産材を紹介し、その良さを伝え、活用することができる伝道師としての役割を担うのは、つくり手である設計や施工の建築実務者ではないかと思っております。県産材活用促進のポイントはいかにつくり手をその気にさせるかにあると私は思っております。
2番目に、つくり手にも県産材活用のメリットをということで、つくり手は実利がなければ動きが鈍いです。かがわ県産ヒノキ住宅助成事業は、建築主だけに補助がある制度であり、工務店設計者には何のメリットもないです。申請や現場検査はもとより、県産材に配慮した設計、木材の価格や仕様にはそれなりの労力が必要なんですね。つくり手をやる気にさせるインセンティブを見込んだ制度に変えてほしいと強く思います。
3番目に、設計者に目を向けさせるということなんですが、県が主催する木造建築の設計コンクールを復活させてはいかがでしょうかという提案です。応募要件は、県産ヒノキを使った住宅と非住宅の2部門、ここに応募してきた作品というのはそれぞれ設計者が自信を持って出した住宅や建築であろうと思いますので、応募作品は良質なコンテンツとなると思います。県のホームページや冊子「さぬき野」などに掲載することで、県産ヒノキの活用事例としてアピールできるんじゃないかと思います。こういったコンテンツについては事業予算も非常に少額ですみます。賞状と楯ぐらいで費用もあまりかかりません。
4番目に、「柱プレゼントの復活を」ということで、ウッディフェスティバルの目玉として、以前やっていた「県産ヒノキの柱50本プレゼント」を復活させてはいかがでしょうか。家を建てたい県民の関心を呼ぶと思います。柱は県庁ロビーで展示すれば、県産ヒノキの良さを伝える機会になり、マスコミも注目するのではないかと思います。
5番目に、見せないと良さは伝わらないということです。キャッチフレーズの「きめこまかな 香川の木 かがわヒノキ」も壁の中に隠したらその良さが伝わりません。良質な「かがわヒノキ」は見せてこそ、その良さをアピールできるんじゃないかと考えております。コンテンツでは助成金の要件として、木が見える建築をもっと評価してほしいです。
6番目に、山から街まで「かがわヒノキ」の連携をつくるという提案です。「香川県産材はどこで手に入るんですか」と、若い設計者につい先日も聞かれました。県産材の流通経路や具体的な入手方法が情報として実務者に伝わっておりません。この背景には木材を供給する山側と、それを使う街側の断絶ともいえる連携不足があるのではないかと思っております。県がつなぎ役となり、林業と流通、そして街のつくり手が幅広く連携したプラットフォームを作って、諸問題の協議や情報発信、セミナーなどを協力して開催する核としてはいかがでしょうかということです。

 

参加者E
いいですね。よく考えていらっしゃると思います。私はヒノキを子どもたちなどに普及させることから考えたいんです。去年の今頃は「転校生のヒノキくん」という絵本を考えていたんです。ただ、考えていることをやるには時間と費用がすごくかかるので、行政の方にアイデアを出して実行していただくのもいいなと思っています。今、Dさんがおっしゃっていた設計のコンペも、例えば幼稚園、小学生向けのコンペと中学校、工芸、大学向けのヒノキで造る理想の建築物みたいなものをコンペすることで、「かがわヒノキ」をすごく意識させることができるなと思っています。
条件としては、例えば内装として、この辺りは「かがわヒノキ」にしてくださいのような条件だけつけて、そこからコンペをして、子どもたちに興味を持ってもらうと大人も興味を持つので、そういうきっかけづくりをやりたいなど、アイデアはいくらでもあるんですけど、あれもこれもはできないのが悩みで、その辺りもまたこういう機会をいただけたらありがたいと思います。

 

参加者A
「かがわヒノキ」は本当に香川で採れた木だと思いますので、他県では県内で加工すれば、どこの県から採っても県産材になるところもあるようなので、今後どんなに普及していっても、「かがわヒノキ」は香川で採れた木ということでやっていただければと思います。
それから、本当に香川県は海が非常にきれいなので、どうしてもサンポートも含めて海沿いが注目されるんですけど、ぜひこの香川県産ヒノキ、「かがわヒノキ」も含めて、里山にもっと注目していだだけたらなと思っています。

 

参加者B
なかなか名案はないんですけど、方向性として物理的に県産ヒノキをブランド化するというのは、先ほどのEさんの話を聞いて驚いた部分もあります。
やはり目に見えるところでのブランド化も大事なんですけど、県産ヒノキを使うということは、単に県産ヒノキを使うことだけではないと思っていまして、逆説的な言い方ですけれども、もっと広範囲の意味、環境問題というか、地産地消というか、地域経済を地域で回すことも含めて、大きなストーリー、物語性のような目的があるんじゃないかと思っています。その中のほんの一つが「かがわヒノキ」を使うことだろうと思うんです。それによって、香川県にもう無くなろうとしている林業も継続していける流れにしていきたいと思いますし、何かそういうストーリー性みたいなことでのブランド、あるいはそういうストーリー性みたいなことの意味を県からも発信していただいて、他の地域のブランド化とは一線を画したサステナビリティみたいなところに焦点を当てたブランド化のようなことができるといいなと思います。結論は出ませんけど今日はありがとうございました。

 

0121知事10

知事:たくさん具体的な素晴らしいアイデアをいただきましたので、早速「かがわヒノキ」の利用促進の施策に反映したいと思います。本日はどうもありがとうございました。

 

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