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池田知事就任後、初めてとなる知事意見交換会を「NPO法人香川活性化生徒の会」の7名と「地域活性化」などをテーマに実施しました。
また、この意見交換会の様子を県立高等学校5校の新聞部などの生徒の皆さんに取材していただきました。取材内容は校内で情報発信していただきます。
観光に関する交通の面、特に島への移動がもっとスムーズにできないか。複数の島にスムーズに行けるような旅行行程を提示するのがいいと思う。
→観光の交通の問題、特に島にどうやって行くかということについて心理的バリアを下げていきたい。島全体の時刻表が一覧できるように知らせたり、アクセスのソフトの支援や推奨行程についても考えてみたい。
防災について、香川県では地震が大変だということが実感としてないと思うので、起震車のような体験でしか学べないことをもっと県内の方々に広げていくことが必要ではないか。
→防災の備えをするときの香川県のネックとして、揺れ体験がないために自分のこととして考えにくいということがあると思う。これをいかに解決していくかという意味で、揺れる経験をしてみることが特に大事かなとあらためて思った。そういう機会ができるようにしたいし、併せて家具などの転倒防止もさらに進めていきたい。
IT関係について、学校では専門知識を教えられる人がなかなかいない。校内のWi-Fi環境がつながりにくいので設備を整えていただきたい。高校生が小学生などに教えに行くことも効果的かなと思う。
→ITの問題は、むしろ皆さんの方が得意で、学校外でも学べるところができているので、学校だけに頼るのというのは現実的じゃないのかなと感じる。Wi-Fiの環境整備や高校生から小学生への講師の話は実現できるように動いていきたい。
学校間の連携をしたくても、なかなか学校の壁がある。部活動の練習試合のように、地域活動や生徒会活動、文化部系での他校との連携など、県全体としての活動をもっと増やして、生徒間でいろいろな学校がつながれる環境づくりがあればいいと思う。
→学校間の連携という意識は画期的だし、これからの大事なポイントで、生徒間という話にブレーキがかかるようなことがもしあれば、学校サイドに言ってもらえるようにしたい。
参加者(A)
NPO法人香川活性化生徒の会は、地域活性化を中高生の手から進めていこうということ、進学などで出ていっても香川に戻ってきたいと思える一つのきっかけづくり、この二つを大きな目的に置いて活動している。
きっかけは元々、私が高校1年生のときから少しずつ活動してきた中で、高校生が地域活動やボランティアに関わろうとしたら、大人の活動に参加する形か、自分たちでしようとしたら、お金集めや契約的なことなど、いろいろな問題があってなかなか活動が進まないということがあって、一つ信用を持てる何かをしようとNPO法人化した。NPO法人になってからの活動は、まず去年の4月に設立会見と展示会を、5月にはレクザムホールでイベントなどを織り交ぜながら、自分たちの活動紹介などを行った。
中高生が地域に関わろうとなったらハードルが高く感じるので、楽しいイベントの中にちょっと地域と関われる内容が入っていれば、その楽しい流れで、さらに地域活動にも興味を持ってもらえるということで、会として「楽しい」と「地域活性化」を掛け合わそうということを大事にしている。
その後は、瀬戸内国際芸術祭に出ていない島々の魅力をPRする観光冊子の制作や小豆島の24カ所と香川県内、高松港や岡山港、姫路港、神戸港など小豆島とつながっている香川県の周りの瀬戸内一帯で、そこに行ったら貯まるスタンプラリーを開催し、多くの方にご参加いただいた。
一番直近のイベントは、香活祭(かっかつさい)で、芸能人の楽しいイベントをメインステージでしながら、複数の高校のバンドやダンス部にも来てもらってステージを盛り上げると同時に、これまで行ってきた活動を発表する、それを体験型で伝えていくということを行った。防災ブースでは、体験がないと中高生に伝わらないということで、起震車を置いたり、自分たちの啓発活動や調べてきたことをお伝えするブースを置いたり、海ごみアートのワークショップ、環境のクイズラリー、ペッパーくんのプログラミング体験も企画した。
これまで、このような活動をしてきて、中高生だけでやっていくところに難しさもありながら、でもそこに意味もあると考えているので、今後も引き継いでいけるよう、しっかりと引き継ぎを行っていきたいと考えている。
参加者(B)
私は主に観光の分野で活動しているが、すごく魅力的な場所があっても県内外から来てもらうには、移動手段が手軽に行けるかというところが大きくあるのかなと思っている。県外であれば基本的に車とか電車でというところが、もう少しスムーズになると県外からの観光客も増えるのではというところで何か方法があるかなと思う。
県内の移動でも例えば島だったら、どうしても船の便数が何時間区切りということで、行きにくさを感じる部分もあるのかなと思う。私も島を取材したときにバスの時間を間違えて瀬戸大橋の上に取り残されたことがあり、こういうところがもっと良くなればいいなという気持ちもある。
参加者(C)
私が主に活動している内容は広報の分野だが、防災の方でも活動している。
香活祭2023でもみんなに起震車を体験してもらって、私と(A)さんも一緒に東日本大震災を再現した起震車に乗ったが、すごく揺れて机の下に隠れることができない、動けないぐらいすごかった。香川県でも南海トラフ地震の注意喚起が行われていると思うが、ここまで震度7がすごいと思っていなくて、これは自分でも新しい体験というか、新しい発見だったが、こんなに地震が大変だということが実感としてなかったので、県内の方々もないと思う。そういう体験でしか学べないことをもっと県内の方々に広げていくことも課題ではないかと思う。
参加者(D)
私は香活祭2023のときにIT関係、パソコンが得意なので、プログラミング体験の講師という形で手伝わせていただいて、小さい子どもさんだけじゃなくて大人の方にもある程度簡単なブロックを組み合わせてできるプログラミングを教えた。
今、プログラミングとか情報が大事と言われているが、大事というのは分かるが、その知識がない、分からないとか、学校でも大事と言われるが、先生たちも専門知識がないから教えるけど形だけになってしまうということがある。GIGAスクール構想でパソコンを配るのはすごくいいことだと思うが、それに伴って教員やその他の人への知識や教育が必要なのかなと思う。
参加者(E)
(C)さんの防災に関するお話に関連して、私も生徒会で防災に関わるプロジェクトをやらせていただいて、そこで感じたのが、高校生の避難訓練についてです。
第一段階、逃げるということに関する意識はとてもあって重要だという認識があるが、二次避難というか、そのあと避難所で過ごすときに中高生はどういうことができるのか、どういうふうに過ごしたらいいのかというところの認識が甘かったとアンケート結果でも出ている。
学校教育において避難するだけではなく、避難所に行ったときにどういうふうに手伝えることがあるか、そこでどういうふうに行動していくかということについて教育をすることができるんじゃないかと思う。
参加者(F)
今回の香活祭2023から宣伝活動を主にしてきて、いろいろな学校に電話して香活祭のパンフレットを学校に届けてきたが、自分たちの移動の関係で高松市内だけに限定して持っていくという形になってしまった。高松市以外でも他のいろいろな学校にもスムーズに自分たちで移動できるような交通機関だったらいいなと思う。
参加者(A)
(F)さんにはポスターを持って行く活動をお願いしており、一緒にチラシを配りに行ったが、なかなか学校間の壁が大きいのと、(F)さんが言ったように持って行くのもすごく遠いので、特に中高生で活動するのに苦労した。
参加者(F)
各学校に活性化の会のことを広めていきたいということは課題としてある。
参加者(G)
私も活動員として香活祭2023で運営側に携わらせてもらったが、学生や子ども連れの方がもっとたくさん来てくれたらいいなと思っている。
実際、今の課題というところに直結するか分からないが、高校生は先ほど(F)さんが言ったように交通手段の問題もあるし、活動を知る機会として、今SNSが増えてきている現状で、SNSと広報誌による広報とで広報するということが大事だなと感じている。広報した上で来る、それが誰でもできる、車を運転できない学生とか子どもとか、そういう人たちが知って来るというこの一連の流れができる環境ができたら、高校生が地域活性化に参加することができるようになると感じた。
参加者(A)
まず、(B)さんからもあったが、やはり観光に関する交通の面というのは自分たちが活動する中でいろいろ感じている。私は、いろいろな島に行って活動した中で、船の時間にすごく左右されて1日1個しか島に行けない、移動が難しいということが分かったので、観光を推進していく中で、交通面の改善というのは人数を増やすだけじゃなくて、島同士の連携だったり、いい形で何かできないのかなということはすごく思っていた。どういうことをしたらいいかまでは考えられていないが、今後は、空上、海上交通もいろいろ発展していくのかなと思うし、ちょっと期待している。
防災に関しては(C)さんからもあったとおり、体験をされた方は分かると思うが、起震車に乗ると隠れる時間もなくて、すごく恐怖を感じてどうしたらいいかが分からなくなったところがある。南海トラフ地震で東日本大震災と同じ揺れがきたら、香川県はどうなってしまうんだろうと感じたので、耐震の家を造る、防災的なことを啓発していくことも大事だし、それは自分たち中高生団体や市民団体もできることだと思う。県の方で、まずは揺れの体験を県民に知ってもらうことや全体としての交通インフラ、耐震性があるインフラや住居、設備を整えていただくことが必要だと改めて感じた。
IT関係の話も出たが、こちらも(D)さんからあったとおり教えられる人がいないという現状がすごくあると思う。
学校間の連携の話が(F)さんからあったが、今日たくさんの学校から取材に来てくださっていてすごく感じるところがある。私は香川県の生徒会協議会というものを作って大きくしていこうという話もさせていただいたことがあるが、なかなか学校の壁があって、管理の問題もあるから大変だとは思うが、中高生がさらに学びや活動を大きくしていくとなれば、部活動の練習試合があるように、地域活動でのそういう他校との連携、生徒会活動や文化部系での他校との連携など、県全体としての活動をもっと増やしていかないとと思うし、それを行政とか先生主導ではなく、生徒間でもできるような、管理がある上で、もう少し緩くして、いろいろな学校がつながれる環境づくりがあればいいのかなと思う。
県内の高校生で、香川県に興味がゼロという人はいないと思うので、自分たちの活動の中でもそこを引き出していきたいと思っている。地域活動に関わる敷居を下げるために、例えば、地域活動の団体を中高生が作るとなったら、そういうことできるのかという感じになってしまうことがすごくあると思うし、高校生からしたら1万円でも活動していく中で大きな額になるので、ちょっとした意識改革とか、ちょっとした支援を進めていただければ、中高生が香川県に関わろうと活動する数が増えるのかなと感じている。
まず、最初に(A)さんからのこういう活動は楽しいことを入れながら活性化しないといけないというのは本当にそのとおりで、楽しくないと続かないし人も集まらないので、楽しいことをくっつけながらということは常に考えてみたらいいんじゃないかと思います。そういう意味で、皆さんもやっておられるイベントというのは、学生ならではの力だと思うんです。やはりイベントに勝る活性化はないと私も長くやっていて感じます。大人も苦労しながらいろいろやるんですけど、苦労しただけのメリットはあるので、学生の力の発揮どころとして文化祭で培われたエネルギーでやっていただければと思います。
それともう一つ、ダンス部とか軽音楽部の団体も参加するということ、これも大事なことで、ゼロからやるのは大変なんだけれどもジョイントするというのはいいなと感じました。あそこに一緒にやらせてもらえないかなという目をいつも持っておいたらいいと思うし、いい意見をもらったので、いろいろな団体の方にイベントをやるときは高校生の参加などを常に考えたらどうかということは、私の方からもこれから機会あるごとに言っていきたいと思います。
観光の交通の問題、特に島の話ですが、私も島にとにかくたくさん行きたいなという、県民にもたくさん行って欲しいなという思いがある中で、おっしゃるように島と言ってもどうやって行くのという心理的なバリアがまずあると思うんです。インターネットで調べると島への行き方が出てくるので、それだけでもすごくバリアは下がるんですけど、それ自体も皆さんあまり知らないということがあると思いますので、とにかく心理的バリアをこれから下げていこうと思います。まずは、香川県の島全体の時刻表が一覧できるように知らせたいと思いますし、アクセスのソフトの支援とか、そういうことも考えたいと思います。
防災のことで、震度6とか7とかの揺れ、揺らされて初めて分かったことがあるということについては、すごくリアリティがある話だと思うんです。防災の備えをするときの香川県の最大のネックとして、県民自身に幸いにもそういう揺れ体験がないために、南海トラフに備えましょうと言っても自分のこととして考えにくいということがあると思います。これをいかに解決していくかという意味で、1回揺れる経験をしてみることが特に大事なのかなとあらためて思いました。
そういう機会ができるようにしたいと思いますし、その上で今、一生懸命やっていることとして、南海トラフ地震で一番怖いのが、マンションが増えてきて上の方では結構揺れるため、揺れたときに家具が倒れたり、家具の上に置いてあるものが落ちてきたりして、頭に大けがをしたり、場合によっては命に関わることに対して、転倒防止をやっていただくように取り組んでいます。これも切実な問題で、東日本だと家具の転倒防止は結構進んでいるんですけど、香川県はそうはいかないので、それをこれからいろいろな人に協力してもらって進めていきたいと思っています。ぜひ、提案をいただいて手助けしていただくといいかなと思います。
ITの問題は確かにおっしゃるとおりの現状があるんだと思うんですが、なかなか先生だけに頼るというのは難しいところもあると思います。むしろ皆さんの方が得意なので、これは学校とGIGAスクールなどだけに頼ることなく、今サンポートや民間などで学べるところができているので、学校だけに頼るというのは現実的じゃないのかなという感じもします。
それから、学校間の連携というのは、言われてみてハッと思ったし、素晴らしいと思いました。皆さんのような意識を持っているということは画期的だと思うし、これはこれから大事なポイントだと思います。生徒間という話がありましたけど、それにブレーキがかかるようなことがもしあれば言ってもらいたいし、むしろもっとやりなさいということを学校サイドに言ってもらえるようにしたいと思います。
参加者(C)
防災のところで、知事がおっしゃったように地震も少ないし、幸せな県というところもあって、大雨や災害が少ないということも香川県の売りにできるのではないかと考えたことがあります。南海トラフ地震のイメージが強くて、あまり住みたくないというイメージがあると思うが、他のところに目を向けてみれば、大雨の影響、台風の影響も少なく、日常がとても過ごしやすい気候だと思う。それを県の方でも何か売りにして、アピールすることができないかなと思う。
参加者(B)
先ほどの交通の話で、私は主に島で活動したので島の話をしたが、県内での移動、生活もそうだし、先ほど、産業と観光に力を入れるというところで、県外から来てもらうのも大事ということで、人に来てもらう基盤のところが民間ではできないので、行政にそういう基盤を整えてもらうことはすごく大事なのかなと思う。
参加者(D)
ITの話で民間に頼ることは技術的な面でもすごく大事だと思う。GIGAスクール構想でパソコンを県立学校では県から1台支給されて使わせてもらっていることはすごくありがたいことだが、今、学校では使う機会がすごく少ない。授業で使おうとしても、立ち上げるだけで授業の半分が終わってしまったり、Wi-Fi環境がすごくつながりにくい教室があったり、場所によってもというのがあって、技術だけじゃなくて、そういう設備も整えていただけたらなと思う。
参加者(A)
まず、IT系のことに関しては会としてもやってきた中で得意な人たちもいて、そういう高校生たちが小学生などに教えに行くことが効果的かなと思う。最近、高校生から小学生に講演やお話をさせてもらう機会が多くあって、先生たちの目線からお話するより小学生が食いついてくれることが多くて、そういうことを上手く小学校と高校で連携することができたら特にIT関係はすごくいいのかなと思っている。
それから、県外への発信で移住者を増やそうとなったときに、やっぱり若い方がたくさん住まないと今後の香川県を考えたときになかなか厳しいのかなと思うので、県としてSNSの利用はすごく大事だと思う。インフルエンサーが1人、全国的な方が発信してくださるだけでもすごく違うと思うし、20代などにはすごく刺さりまくるような方もいると思うので、SNSの有名人の方とうまく連携しながらSNS発信していけば香川県の魅力の伝え方、特に若い人への伝え方が上手くいくのかなと感じている。なかなかSNSの運用は難しいところが多いと思うが、ぜひやっていただければと思う。
心理的な壁という観光と交通の話があったが、インターネットで調べると船の便がないため、高松駅から佐柳島までの到着時間が5時間と出てきてしまって、これじゃあ東京にいけるじゃないかと思ってしまうことがある。船の便数を増やすだけじゃもちろんないと思うので、旅行ごと組んであげるような、この時間と船のこの時間を使って行ったら、この島での滞在時間が2時間で、戻って来てさらに違う島にも行ける、そういうのを提示してくれる仕組みがいいと思う。
いくつか具体的な提案をもらいましたので、Wi-Fiの環境整備とか高校生から小学生への講師の話とか実現できるように動いていきたいと思います。
それから、最後の島の話もできるだけ県民の人たちに島に行ってもらいたいと思っていて、それがひいては、これからも島が香川の財産であり続ける一番大事なことではないかと思っています。先ほど香川県全体の島への時刻表という話もしましたけど、合わせて推奨のいろんな行程のようなものを考えてみたいなと聞いていて思いました。
具体的な意見をたくさんいただきました。今日にとどまらず、また意見をいただければと思います。本日はありがとうございました。
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