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公開日:2023年11月29日

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「ONE STEP TOGETHER 県政知事トーク」(第3回)を実施しました

令和5年10月31日(火曜日)

池田知事就任後、3回目となる知事意見交換会をSetouchi-i-Base会員の起業家、コーディネーターの皆さんと実施しました。

Setouchi-i-Base:起業・第二創業、既存企業の競争力強化につなげるため、人材育成、活動・交流の場の提供やビジネスマッチング支援までを一体的に取り組み、利用者とともに地域経済の活性化を目指すオープンイノベーション拠点
https://setouchiibase.jp/(外部サイトへリンク)


集合写真意見交換風景

主な発言内容

1.行政と企業との連携の課題について

知事
お話をいただいた中で、社会性の高い事業にあえてビジネスでトライアルしていることによるお悩みがあったことや、ボランティアやNPOなどでは公的な支援が入りやすいが、ビジネスになると行政機関とは壁ができる場合が多いということ。これについては私自身も感じている。そこを試行錯誤しながらいい形で乗り越えていきたいと思っている。逆にビジネスをしている方から見て少しでも前に行くアイデアがあればご発言ください。

参加者
・市との連携事業をやっているが、こちらが営業できるわけではなくて、依頼に応じて出ていく状況。それをもう少し広くつながるような、一事業者に特別にどうというわけじゃなく、もっとその先に公からつないでいただくだけでも地域の方の安心感は違うと思う。また、主催が市町や県の場合、企業も参加できるという情報が入ってくると助かる。
・営業活動を行う中で、一番相手のインパクトに残るのは、県など公的な機関の認定を受けていますという肩書。肩書が一つできるだけでも既成事実を作りやすくなるところはある。
・他県では、行政が課題を出して、公募でそれを解決するスタートアップ、実証実験を支援しますという取り組みが行われている。そのクライアントになる企業を県が選定して、実証実験の結果などもプレスで全部の中小企業に出すと、他の中小企業も導入しやすくなるのかなと思う。
・Setouchi-i-Baseが県の施設ということで、県の施設を介して起業することが大きな後押しとなることがわかってきている。皆さんの活動を発信する場所、推進していく場所を見える化する場所としても機能していくことが重要で、その辺りも力を入れていきたい。

2.企業の人材確保について

知事
本日は人材関係の仕事の方にも出席いただいているが、私もいろいろな企業から人材確保に関して大手の業者に頼むと高いなどの話を聞いている。地元のニーズに即したビジネスとして、どうやったら伸ばしていけるかご意見をお聞かせください。
参加者
・周りの就活生に最終的に企業を決める決め手を聞くと、結局は人のところが決め手になっている。ミスマッチを減らすために私が今一番したいことは、社会人と学生の接点をしっかり持つこと。社員の人たちと初めから説明会のような堅いものじゃなく、カジュアルな状態でコミュニケーションを取って、一緒に働けそうだなという、そういう未来が香川県の企業と学生の中で作れる状況になったら、長く香川県で働きたくなると思うし、香川県の企業を選択したくなる人が増えていくんじゃないかと思う。
・2カ月に1回女性を集めたイベントをやっている。いろいろな人と交流できたり、話し合える場があることで、これから何かしたいという女性は多い。その一歩を踏み出した女性が集まって、話して、情報を得る場は、これからもどんどん必要だと感じる。
知事
子育て後、子育て中も時間とか勤務形態によっては働けるということもあって、女性の潜在的な力はすごく大きいと思っている。お聞きした交流などができる場は、これからどんどん拡充していかないといけないし、女性に特化した就職フェアなどはどうか。
参加者
・女性が仕事を選ぶ観点は男性と違う。いろいろな課題が年齢やライフステージによって変わってくるのは、女性の中でもすごく大きいことで、私たちもそこの女性視点を大切にしながら、他にはないような福利厚生をつくるとか、女性視点を大切にしている会社を集めてフェアをするとか考えたい。
・スキルとかポテンシャルを持っていても年齢がいってしまったことにネガティブを感じて動けない女性がたくさんいる。動いてみれば協力や応援してくれる人はいるので、動いていくことが大切で、女性視点で仕事をどう考えていくかとか、後押しするサポートやサービスを作っていくかなど、私たちでもやれたらいいし、市町や県の協力も得ながら、色々な方と協力してやることも重要だと感じる。

3.顧客の開拓、企業間のネットワークについて

知事
香川の場合、特に東京方面、東日本との縁がどうしても薄くて、ビジネス上のハンデではないかと思うが、その辺りはどのように全国で顧客を見つけるのかお聞かせください。
参加者
・いつもどおりフットワーク軽く、お客様の現場に訪問する形になる。東京と大阪で経営者が集まる会議に参加して縁を作って課題を聞きながら少しずつ仕事を持ち帰ったり、神戸や大阪でセミナーの講師をした際の横のつながりなどである。今の時代もどんな業界でも泥臭い仕事である。
・課題として、特にベンチャーは予算がかけにくいのが現状で、いかにコストパフォーマンスを上げていくかが難しいところなので、どこかのラボで行政と先輩の起業家と一緒に事業の開発ができたらいいという話がある。その課題をSetouchi-i-Baseが担ってくれることを希望している。
・Setouchi-i-Baseでは、東京や関西圏に出向くだけではなく、先方からも来てもらおうということで、東京、大阪、広島からの訪問、活用が非常に多い。その中で、スタートアップを支援したいというベンチャーキャピタル、金融機関や地場の会社とネットワークがほしいという事業会社も非常に多い。
・東京や大阪で事業者のネットワークを持っている会社を招いて、地場企業がSetouchi-i-Base独自で行っている事業成長支援プログラムのプレゼンテーションを行っているところを見てもらって相性の合う会社を紹介いただいてつなぐこともしている。東京でゼロから開拓するということではなく、そういったネットワークが香川から作れるような仕組みを今構築している。

参加者による事業概要の説明

参加者(A)
この1年間、地域のコミュニティーに出かけて、誤嚥性肺炎の啓発、予防活動、セミナー活動を中心にやってきた。
元々、病院で言語聴覚士というリハビリの専門職で働いていて、その中で日本人の死亡原因として上位にあるにもかかわらず、知られていない食べる力の衰えについて、想像もしていない方がすごく多いことで、患者さん、ご家族だけじゃなくて、私たち専門職もつらい思いをすることが多々あったので、それをなるべく早いうちから知っていただきたいところがあって、まだ事業化はできていないが、地域に出てみようと思って起業した。
リハビリは、すごく大事な仕事だと思っているが、その前後の予防とか、受容という部分も大切だと思うので、病院とは違うフィールドで専門性を生かしたサポーターになりたいと、今動いている。そういった中、香川県が誤嚥性肺炎の死亡率全国ワーストだということを知り、より一層何とかしなきゃいけないという思いでいる。
皆さんが今たちまち困っているということではないので、住民の方が直接お金を支払うというビジネスモデルは、現状、収益化がとても難しいが、いつかはほとんどの方が困る課題で、医療費の適正化や介護度進行抑制にもつながる取り組みだと思うので、当面は県、市区町村など公から予算を下ろしていただけるプランを実現したいと、今悩みながら相談しながらやらせていただいている。その上で、認知や理解が進んできたら、将来的には医療介護連携のインフォーマルサービス、自費のサービスということで、在宅で最後まで食べる楽しみを持ちたい方に寄り添う支援事業につなげていきたいと思っている。
今、現状1件だけそういう訪問の事業もさせていただいて、最後までご家族と本人に寄り添う仕事にとてもやりがいを感じている。

参加者(B)
弊社は2021年に子どもを持つ女性3人で立ち上げた会社になる。事業内容としては、女性視点で新たな価値をプロデュースする会社になる。今日は3人で来ているが、私がPRディレクターで、隣の(I)が一級建築士になる。その隣の(J)がアートディレクターとフォトグラファーで、3人のスキルを掛け合わせて事業を進めている。
弊社のビジョンは、どんなライフステージでも心地よい人生を送ることができる世界の実現で、私たちは「女性がときめくクリエイティブを提供する」ことをミッションとして活動を行っている。また、事業の軸が三つあって、クリエイティブ/コミュニティ/アップサイクルといって、クリエイティブの部分では他社の商品開発であったり、紙・ウェブ・空間のデザインをやらせていただいている。
コミュニティ部分では、香川県で働きたいとか、働く女性を集めたイベントを定期開催して交流したり、一歩踏み出したい女性の後押しができるようなイベントを開催している。
また、アップサイクルの部分では、東かがわ市で製品を作った後に革の端材が出続けていることが課題となっており、その端材を使って私たちが女性視点で「+carat」(プラスカラット)というブランドを立ち上げた。今、小物などの開発を進めていて、その端材の解決であったり、女性の雇用、子育てを終えた女性もそうだが、子どもがいても何歳でも、私たちの周りには、本当はこうしたいとか、こういう働き方がしたいというたくさんのエネルギッシュな女性がいる。
私たちはこの事業を通して、そういった女性の後押しなどを進めていけたらいいなと思う部分と、子どもがいるというところで、香川にいたらどんな挑戦もできるんだという証明ができるような会社にしていけたらいいなと思って、今、一生懸命3人で事業を進めている。

参加者(C)
私は人材紹介業を香川県で営んでいる。求職者としては、Z世代や県内に戻ってくるUターンの学生、既に県内で働いているが転職したいと考えている第2新卒の転職サポートを機軸に行っている。
まず、求職者側への提供価値から説明すると、基本的に個別最適化したマッチングを面談を通して行っている。今、県外から戻ってくる求職者とお会いする機会が多いが、いろんな情報はある中で、どうしても自分にマッチした企業がわからない、自分はどんな仕事がしたいかわからない、自分がこの先本当に仕事がなくなったり、景気不透明の中で、どんな仕事を選択していけばいいかわからないといったところに私たちが面談を通して、彼らの仕事選びをサポートするということを行っている。
基本的に企業側に対しては、成果報酬型で人材の紹介を行っており、成功報酬としては、年収のパーセンテージという形をとっているが、企業側が採用に非常に困っているケースが多い。ほとんどの県内企業は中小企業という中で、1人から5人採用したいというケースが多いが、そういった中で、各種ナビサイトであったり、採用ホームページを新しく作ったりの費用対効果が不透明だと言われるケースが多くある。
ナビサイトなどに、数十万、数百万円出稿しても一人も採れないというケースが地方の中小企業には本当に多くあるので、我々は一人確実に御社にマッチする人材を紹介したので、いくらという成果報酬型を取らせていただいている。基本的にはそういった形で、求職者と県内企業の最適なマッチングを図ることが私たちの事業概要である。

参加者(D)
香川県でICTのITコンサルおよびソフト開発の会社を経営している。主な取引先はベンチャーで、香川県の大体のベンチャー企業と仕事をさせてもらっている。また、県外、東京と外国のベンチャーの仕事を持ち帰って香川県で行っている。
元々、香川県に移住してきたころにICTでのベンチャー企業がとても少ないことに気付いて、最終技術を持ったITエンジニアもとても少ないという印象があった。ですから、香川県でそういった環境を作り上げたい、起業を通じてICTの人材を育てていきながら、面白い仕事を県外から持ち帰って県内で行っていきたいという思いがあった。
弊社のビジネスモデルとしては、主に月額でエンジニアの提供となっているが、その上に、ベンチャーのプロダクトのディレクションも含めて、ICTでどうできるかというところのコンサルもさせてもらっている。
先ほど、採用に関しても難しさ、コスパの不透明なところの話があったが、ソフト開発も同じ課題を持っており、業界的にこれぐらいの時間をかけて、これぐらいの予算をかけて、これが妥当かというのも大体の企業はわからない。ですから、そこも含めて、これぐらいの費用感でこのやり方だったら、妥当か、妥当じゃないかなどのコンサルもさせてもらっている。そこら辺も昔から難しいところで、ベンチャーになってきたら、より敏感なところかなと思っている。
このように、基本的に人材の提供とそこのITコンサルの面でベンチャーに寄り添ってさせてもらっている形になる。

参加者(E)
まだ会社にはなっていないが、12月ぐらいに、ここのi-Baseで賞を取ったり、香川県のビジネスプランコンテストにも出させていただいたbiryoku(ビリョク)という団体を会社にしていきたいなと考えている。
biryokuというサービスは、大学生の300人以上のつながりを使った企業の採用をサポートしていこうという会社になる。なかなか企業は学生との接点が少ないので、企業の広報や説明会を一方的なものじゃなくて、接点をしっかり作るといった方向性で大学生と企業を合わせていくサービスにしていこうかなと考えている。
具体的に言うと、カジュアルな感じで、説明会みたいな堅い感じではなくて、ご飯会をしたり、あとはインターンシップが香川県では少ないので、インターンシップをしたりというところで、企業と学生の接点をしっかり作っていこうというサービスを考えている。ぜひ、知事もご飯会に来ていただけたらうれしいし、なかなか大学生が知事と話すこともないと思うので、何かそういったことで、香川県の企業とか学生とかのいろいろな可能性が広がるような接点をたくさん作って「めちゃくちゃ香川県おもろいな」みたいな、何かそういったことをみんなが思えるような会社ができたらなと今考えている。

参加者(F)
私は会社を運営していて、今、子どもの教材を開発している。教材を作りながら、また社会人として大学院で研究をしながら教材を進めている。
私の教材を作るときのテーマは、色で子どもたちの学習や運動の効率が高まる研究ということで、障害がある子とか、外国の子どもなどが勉強しやすいように色をつけたカードで手話も載っている。香川県の幼稚園、保育園の先生方に聞くと、海外から突然やってきて、日本語もわからないまま幼稚園、保育園に入園してきて大変だという現状があってカードを使ってくれている。
対日本語と手話が載っているが、韓国語、中国語、英語いろんな言葉には対応していないので、これからこれをアプリ化していって先生たちが使いやすいようにしていこうと考えている。今、学術系のアカデミストというクラウドファンディングに挑戦しているが、宣伝ができていなくてSetouchi-i-Baseの方に相談に行こうと思っている。
私の開発した視覚学習カードは、教材会社のカタログに載っていて、全国から注文がくるようになったが、まだそんなに浸透してるわけではない。香川県の先生方も注文したいけど、注文したいと思っても許可が得られないとか、予算がつかないとかいうところで教材を導入できないという悩みがあるので、もし可能であれば、県とか市とかで教材を使っていただけるようにしていただければうれしいと思っている。

参加者(G)
Setouchi-i-Baseのコーディネーターとして今どのようなことをやっているのかということを少し説明させていただきたいと思う。
Setouchi-i-Baseには、大きく三つの柱があって、1.人材の育成、2.交流の場、3.ビジネスマッチングとなる。この柱を遂行する中で、非常に重要視しているのが、ビジネスマッチングにおいて、事業として物事を見ていくこと、また、人材育成としても一つ、今日皆さん集まっていただいている起業家を育てることも非常に重要な取り組みだと思っている。
そういった事業化を育てる取り組みをソフト面でしっかりとサポートしていくということと、その交流の場というところで、こういう創業された方々が皆さん集まる拠点が非常に重要だと思っている。そういう拠点づくりをしっかりと行って、そこで起きていることは何か、ニーズは何かということをくみ上げて、それをしっかりと施策として落としていく取り組みをしていかなければいけないと思っている。
あとはビジネスマッチングのところで、しっかりとお金を生む仕組みを作って、起業した方々がしっかりと成長していくような場所、サポートができる拠点づくりを作っていかなければいけないと思っている。
皆さまが、先ほど(F)さんもおっしゃっていたように、困ったことがあればSetouchi-i-Baseに行けば何とかなるという取り組みを作っていこうということで、私がチーフとして今起きているいろんなことをしっかりとつかんで、それから8人いるコーディネーターとともに動いてプログラムを作っていく取り組みをしていくことと、今、香川で起きていることが各県のモデルケースになるようなSetouchi-i-Baseづくりをしているのが今の現状である。

参加者(H)
私からは、香川県内におけるスタートアップ支援と事業者が今後香川において成長していくためにはどういった取り組みが必要かという点について、お話をさせていただきたいと思う。
Setouchi-i-Baseでは、現在、創業とかSetouchi-i-Baseを通して事業を拡大していきたいといった事業者の方がたくさん集まってこられるが、その方々とお話ししていくと、やはり一つは資金調達の環境が都市部と比較すると、特にデジタルに関する産業で新規で調達するところがハードルが高いというお声をいただいたり、じゃあ香川に拠点を置いて、東京・大阪で事業をやっていくとなると、どのように販路を拡大していったらいいのかわからないという販路の問題のお悩みをたくさんお伺いする。
それをSetouchi-i-Baseで居ながら、活用していただきながら事業を成長させていただくには、やはりプログラムという形で、香川県外でもサポートいただけるネットワークの構築と、事業成長に関しては、事業戦略と財務戦略のアドバイスをいただける仕組みが必要ではないかというところで、事業成長支援プログラムを構築させていただいている。
本日いらっしゃる(B)さん、(C)さん、(D)さんは、この事業成長支援プログラムに昨年度採択いただいて、Setouchi-i-Baseをご活用いただいている企業である。今年2年目で、成長プログラムも進んではいるが、皆さま、香川県内だけではなく、県外の企業ともSetouchi-i-Baseを通じてコネクションを構築されていってる状況である。
スタートアップという形で香川が成長していくには、やはり県内だけではなくて県外からも香川に対して何か支援できるという形で、いろんな人が集まるような、そういったハブがもっと必要になってくるのではないかと思い、今そういう取り組みをさせていただいている。

意見交換の概要

知事写真1

知事
まず、いろんなお話をいただきましたけれども、一つは(A)さんと(F)さんのお話で、誤嚥性肺炎のサポートですとか、視覚学習での教材、外国人の幼稚園児の教材とか、そういった非常に広い意味で社会的な弱者に対するサポートなんですけれども、非常にそういったところに手を差し伸べていただいて、将来的に本当に意義があると思います。
一方で、それをビジネスとして手がけてくださっていて、それもすばらしいと思います。(F)さんのお悩みにあったように、ビジネスにあえてトライアルしていただいているがために、ボランティアとかNPO的なものだと公的な支援が入りやすいんだけれども、ビジネスになると行政機関は、ビジネスはビジネスでやってもらえばいいというような、そこに壁ができる場合が多いかなと私自身感じています。そこをどう乗り越えていくかというのは、すごく知恵の見せどころだったりするので、その辺のところは、よく行政で考えてもらえばということなんでしょうけど。
難しい、永遠の課題なんですけど、何かそこを試行錯誤しながらでもいい形で乗り越えたいなというのがあります。逆にビジネスしている方から見て、こんな方向で考えたらいいんじゃないかとか、こういうやり方だったらできるんじゃないかとか、少しでも前に行くアイディアがあればご発言いただければと思います。

参加者(A)
今、セミナー活動をしていますと言ったんですけれども、半分ぐらいは市との連携事業なんです。採択していただいて今年度は12カ所なんですけど、こちらが営業できるわけではなくて、採択されたけどその後のことはよくわからなくて、ここに来てくださいっていう依頼があるという状況なので、何かもう少し広くつながるような、一事業者に特別にどうというわけじゃなく、もっとその先に市とかそういう公の方からつないでいただくだけでも、安心感が地域の方は違うんだろうなというのがあるので、主催が市区町村とか県で、そこの情報をいただいて、NPOではなくても企業も参加できるという情報が入ってくるとすごく助かるなと思いました。

知事
わかりました。利用者側もあるわけですね。何々会社といっても誰が来たのかなみたいな。

参加者(A)
そうですね。なかなか予算も下りないので。あと誤嚥性肺炎がワーストだということは県内の方、結構ご存知ないので。私も実は起業してから知りました。全国的にも多いんですけど、特に香川県はワーストということなので、そういうことがもうちょっと伝わっていくと仕事もしやすいかなと個人的には思っています。

参加者(C)
行政と企業の連携というところで、私たちは企業を相手に事業を行っていて、日常の中で営業することが非常に多くて、お電話したり、手紙を送ったりといった中で、一番相手のインパクトに残るのは、香川県の認定を受けてますとか、香川大学発ベンチャー制度みたいな、そういった予算が発生しなくても県が推進している認定のスタートアップの事業ですよみたいな肩書きが一つできるだけで県内の場合は、既成事実を作りやすくなるというところは、まず一つあるかなと思っています。
岡山市がこの前やっていたGovTechみたいな感じで、行政の方々がいろんな課題を出して、公募して、それを解決するスタートアップを、実証実験を支援しますみたいな、例えば私たちだったら企業の採用動画を作って使ってもらうことによって、その企業の採用課題がどのように解決するのかというところを行政が予算化して実証実験しましょうみたいな、それのクライアントになる企業も県の方が選定して、私たちのサービスをぶつけてみてどうなるかみたいな、その結果などもプレスで全部の中小企業に出すと。そうなると、他の中小企業の皆さんとかも、ちょっと導入しやすくなるのかなと思ったりします。

知事
わかりました。実際に共同の何かをやってみて、実証実験だったり、検討とかをやってみる中で、ずばり認定みたいなのもあるでしょうし、そうじゃないとしても、そういう一緒にやった実績が残ったりするとそれが信用力につながったり、そういうことはありますよね。ありがとうございます。

参加者(F)
私の場合は、教材を学校とか保育園、幼稚園に入れてもらう、または個人の保護者から買ってもらうというやり方で、その教材が教材会社のカタログに載って注文が来るんですけど、例えば、沖縄県で売れたっていったら沖縄の多分先生たちがこれ良かったよって広めてくれて、ある地域には広がるんですね。でも、沖縄なんです。
私は香川県で支援してもらって、香川のビジネス&パブリックコンペで優勝したり、スタートアップ助成金とかを使わせてもらって、3年ぐらいかけてやっとできた教材なんです。香川の企業も支援してくれたりしましたので、香川県から発信したいという思いがあるんですけど、作ったのはいいけど、そこからの発信というか、香川県の教育に取り入れようかというのはなかなか難しくて、そこで止まってる状態で。
なかなか新しい教材を入れるというのは、ちょっと難しい、今まである既存の教材でという感じがどうしても多いので。そこをちょっと踏み込んでもらって、せっかく香川県で発信しながらできたものなので、どうにかならないかなとは思っています。

知事
そうですね。私も経験があるんですけど、教材というのは、触るのに他のもの以上に抵抗感があるというのは現実にはそうかもしれないので、他のものよりさらに一工夫いるかもしれないですね。あまり直接のところじゃなくて、こういうのを参考的に使うみたいなところからいくとか、真正面からだと何か余計に大変なところがあるようにも思うんです。
一方で、教材以外で言うと、意外と官民で一般化してきているのが、県産品の食べ物とか、日用品みたいな、例えば香川県でもお菓子屋さんの名前を次々出しながら、県産の食材を使ったお菓子のカタログを作ったり、県産品フェアなどで会社名を入れて広告したり、そういうのをやるんですね。
だから、企業の応援みたいなところも心のバリアをいろいろ工夫しながら突破できるんじゃないかという事例だと思うんです。県産品の場合は、県の作った麦とか、希少糖の砂糖だとか、何かそこへ取っ掛かりを見つけてやってるっていうのがありますけど、そういうのを一つ組み込みながら、公共性みたいなものを見ていくということは方向性としてはあるかもしれない。

参加者(G)
皆さんのお話を聞いていく中で、起業を推し進めることも一つ大事なんですけれども、非常に大事なことは、皆さんの活動をしっかりと見える化していく活動が必要だと思っていまして、例えば、社会性の高い(A)さんや(F)さんの取り組みをSetouchi-i-Baseとして後押しをしていくのはもちろんプログラムとしても大事なんですけれども、活動していることをSetouchi-i-Baseに対して発信をしていく。
また、Setouchi-i-Baseが県の施設であるということで、先ほど(C)さんがおっしゃったように、県の施設を介して起業するということが一つ大きな後押しになるということがわかってきていますので、Setouchi-i-Baseとしては、(H)が生んでいるようなプログラムとともに、皆さまの活動を発信していく場所、推進していく場所を見える化する場所としても機能していくことが非常に重要で、皆さまの活動に気付いてもらうことからスタートしていくことが重要ではないかということが今、我々が3年間コーディネート業務をする中で一つの気付きとしてわかってきたことだと思っていますので、その辺りも力を入れて頑張っていきたいと思っています。

知事写真2_1128

知事
まさにSetouchi-i-Baseというのは、官民の橋渡しのところですので、ぜひそういう意味でも力を発揮していただければと思います。
ちょっと話題を変えて、人材確保とか、そういった関係のお仕事の方が今日は、(B)の3名の方、(C)さん、(D)さんが来ていただいています。皆さんから、いろいろ話がある中で、先ほど、あいさつでも言ったんですけど、昨日、いろんな企業の方から話を聞いたときに、(C)さんからお話しがあったように、大手の人材派遣業者などに斡旋などを頼むと高いと。せっかくそうやって雇っても3年みたいなのが最近はあって、3年経って辞めていって、お金を払ったのに無駄になったという話もあってですね。地元のニーズに即したビジネスとして、どうやったら伸ばしていけるか。その辺はいかがですか。

参加者(E)
今、大学生なんですけど周りが就活生ということで、最終的に企業を決める決め手は何なんや?っていうのを友達に聞いてるんですけど、最終的な決め手っていうのが、ここの会社の先輩いいなとか、ここの人達と働くのだったらいいなっていう結局、人のところが決め手なんですよね。
ですけど、そこの決め手じゃなくて給与とか、福利厚生みたいなそういったところで決めてしまったらミスマッチが起こってしまって3年以内に辞めてしまうみたいな。ちょっと転職を考えてしまうみたいな。何かそういった現状が、私たちの周りではすごく多いのかなっていうのは思っていて、そのミスマッチを減らすために私が今一番したいなっていうのは、社会人と学生の接点をしっかり持つこと。
結局、最終的な決め手がその社員の人たちなんだったら、その社員の人たちと初めから接点を持っておく、説明会とかそういった堅いものじゃなくて、ご飯を食べたり、一緒に何かしらレクリエーションをしたりとかして、カジュアルな状態でコミュニケーションを取り、この人たちとだったら一緒に働けそうだなみたいな、そういった未来が他の香川県の企業の人たちと学生との中でつくれるような状況になったら、もっともっと長く香川県で働きたくなると思いますし、香川県の企業を選択したくなるような人たちが増えていくんじゃないかなっていうのは周りを見ながらすごく思います。

参加者(I)
私は子どもが3人いまして、3年半前に家族で移住してきたんですね。移住するに当たって、引っ越し前のところの会社を辞めた状態で来たので、全く私自身知り合いがいなくて、どういう生活かが全然見えなかったんですけど、何かできるかもしれないって、ちょっとわくわく感があって来た状態で今の会社を立ち上げて。
さっき(B)が言ったように2カ月に1回、定期的に女性を集めたイベントをやってるんですけど、いろんな人と交流できる場っていうところで、いろんな情報であったり、こんな会社があるよとか、こういう活動してる人がいるんだとか、そういうことを気軽に交流できたり、話し合える場があることで、何か香川で面白いことができるかもって思える女性であったりとか、そういう場の情報ってところはすごく大きいなと思っています。
そこで来ていただいた方としゃべっていると、「これから何かしたいけど、ちょっとそういうのが、ざっくばらんに知りたくて来ました」とか、「仕事してたけど、ちょっと子育てがあって一旦見つめ直してます」とか、「でもなんかまだまだやりたいんですよね」みたいな女性も結構多くて、その一歩を踏み出した女性が集まって何かしゃべって情報を得てっていうところの場っていうのは、やっぱりこれからもどんどん必要なんだなと改めて感じてます。

知事
子育て後というのもあるし、(B)さんが言われた子育て中も時間とか勤務形態によっては働けるということもあるし、女性の潜在的な力というのはすごく大きいと思っています。
今、おっしゃられたような、そういう場というのは、これからどんどん拡充していかなきゃいけないし、今思ってるのは、いろんな就職フェアみたいなのがあるんですけども、そういうのに限定してやっていったらどうかなと。採用する側の意識が変わるきっかけになる可能性もあるし、女性の方もそういうのがあるってことは、自分たちが求められてるんだって気付くきっかけにもなるので、そういうのに特化した就職フェアみたいなのはどうですか。

参加者(B)
私たちは、本当に女性視点っていうことをすごく大事にしているんですけれども、女性が物を選ぶとか、何かを選ぶ、それこそ仕事を選ぶ観点っていうのも男性と違う。
出産するときどうしようとか、年齢重ねたらどうしようとか、やっぱりこういろんな課題が、年齢とかライフステージによって大分変わってくるっていうのは、女性の中でもすごく大きいことですし、私たちもそこの女性視点を大切にしながら、私たちの会社もそういう他にはないような福利厚生を作るのかとか、そういう女性視点を大事にしている会社を集めて、それこそ、そういうフェアとかをして。実はこういうスキルとかポテンシャルを持ってるけど、介護とか子育てとかで、ちょっと年齢がいってしまったっていうところにネガティブを感じて動けない方がやっぱりたくさんいるんですよね。
本当に動いてみれば、私たちもそうなんですけど、協力してくださる方とか、応援してくださる方っていうのはいて、やっぱり動いていくことが大切。声に出していくことはすごく重要だなとこの2年間で感じています。なので、私たちができることっていうのは、そういう女性視点で仕事をどう考えていくかとか、何かこう後押しするサポートとかサービスを作っていくかとか、そういうところもしっかり今後、私たちの方でもやれたらいいですし、やっぱり行政ですとか、市であったり県であったりとかのご協力も得ながら、女性が生きていく上で何歳になっても、どんな状況でも心地よくいられるっていうことは働くことに結構直結してきたりするので、そこをうまくいろんな方と協力しながらすることが重要なんだなっていうのは感じています。

知事
ありがとうございます。知人から聞いた話でも求職しても書類ではねられるらしいんです。会社の方も年齢などの既成観念があるんじゃないかと思うので、そういうところを突破していくと、何かこう変わってくるんじゃないかなとすごく思います。

参加者(F)
書類ではねられるというのは、私も2016年に香川に引っ越してきたときにパートと企業を受けて全部落ちたんですね。それで、じゃあどうしようかっていって、実はもう選択肢がなくて起業したっていうのがあったんですけど、私は3人子どもがいて、上と下が一回り違うんですね。なので今、上が大学生、下の子は小学生という状態で、子育てがもう1回あって、30年あるっていう状態の中で、自分がどうやって生きていこうかなと思ったときに、じゃあ仕事しなきゃなって。
そしたら、下の子が保育園に入れなくて、結局、保育園に入ってから就職活動してねって言われるけど、2歳の子を抱えながら保育園は入れないし、就職も就けないしっていう状況で、じゃあ自分は起業しようかなと思ってしたっていうのがあるんです。
それも含めて、あとずっと大学院で学びたいなと思ってたけど、試験を受けるときに託児とかがないので、大学に行けないっていうのがあって、下の子が小学1年生になったので挑戦したっていうのもあるので、女性が働きやすい環境と学びやすい環境があればいいなと。女性が諦めてきたことをもう1回、年を取ってでもできればいいなと思ってます。

知事写真3_1128

知事
ありがとうございます。ちょっと話題を変えまして(D)さん、先ほどの紹介で、東京とか外国とかにもベンチャーをクライアントで獲得してるっていうのがあります。
香川の場合は、特に東京方面、東日本との縁がどうしても薄くて、そういったこともビジネス上のハンデではないかと思うんです。最近はリモートもあったりして、場所に限らずと言われてますけど、そうは言っても全国でクライアントというと難しいと思うんですけど、その辺はどうやって全国のお客を見つけるんですか。

参加者(D)
そうですね。いつもどおりフットワーク軽く、お客様の現場に訪問させていただいてるという形になるんですけども。大体は東京と大阪の方で、経営者が集まるような会議に参加させていただいて、そこで縁を作って、いろんな課題を聞かせていただきながら少しずつ仕事を持ち帰れるような形もやってますし、その上に神戸と大阪の方に講義、イノベーションに関するセミナーとかもさせていただいてるんですけども、そういったところで横のつながりができやすいので。
大体皆さま、ITでの人材が不足してるんですよね。ただ誰に頼んだらいいかということがよくわからないので、それは大手でも中小企業でもどこでも一緒なんですよね。ですから、そういった場で、「こんなん、うちはできますよ」っていうのをお話しさせていただきながら、それで少しずつ香川県に仕事を持ち帰ってきてる形です。

知事
やっぱり妙手はないわけですね。地道に機会を見つけて、人の縁を大事につなげていくっていうことですか。

参加者(D)
おっしゃるとおりです。今の時代でも、どんな業界であっても泥臭い仕事ですね。

知事
やはりこういうITだとか、通信とかが発達してきているから、縁をつなげるのはとにかく泥臭くやるしかないけど、その後は、やれるという企業が多くなってくるんですよね。

参加者(D)
そうですね。おっしゃるとおりです。
一つの課題として感じているのは、特にベンチャーの話になってくると、いろいろやりたいことがあるし、ちゃんと収益性の計画も立ててるっていうのはあるんですけど、予算がかけにくいっていうのが現状なんです。また、その予算をかけてどうやっていかにコスパを上げていくかっていう、どれだけバリューに切り換えてそれを横展開できるかというのも、またなかなか難しいところなんですよね。
ですから、どこかのラボがあって、そこで行政と先輩の起業家と一緒に新しい事業の開発ができたらいいよねっていう話はよく聞かせていただいてるんですけども、そういった世界観をSetouchi-i-Baseが行うのかなと希望していますけど、そこの課題を解決していただければ幸いです。

参加者(H)
我々が東京や関西圏に出向くだけではなくて、先方からも来てもらおうといって、このSetouchi-i-Baseがちょうど3周年を迎えるんですけども、やっぱり東京、大阪、広島辺りの方の訪問、ドロップインでのSetouchi-i-Baseのご活用というところが非常に多いんですね。
その中では、スタートアップを支援したいというベンチャーキャピタル、金融機関の方も多いですし、大手企業の事業会社で高松に支社がある方で地場の会社ともネットワークが欲しいっていう形で来られる方もいらっしゃいますし、そういった方が非常に多いんです。
それだけではなく、先ほどお話しさせていただきましたSetouchi-i-Base独自でやらせてもらっている事業成長支援プログラムのピッチでしたり、プレゼンテーションを地場企業がされているところなんです。そういった東京、大阪で事業者のネットワークを持ってらっしゃる会社をお招きして、そのプレゼンを見ていただいて、東京の会社でこういう相性の合う会社がいるところから紹介しますという形で、直接、皆さんにご連絡しておつなぎしていただいたりするんです。
なので、香川にいながらずっと東京に行ってゼロから開拓するというわけではなくて、そういったネットワークが香川からつくれるような、そういう仕組みをSetouchi-i-Baseでは、今構築しています。

知事
ぜひ、よろしくお願いします。(J)さんお願いします。

参加者(J)
香川県内で、先ほどおっしゃられてたんですけど、香川の良いものの承認とかも、私たちの作品、このアップサイクルのブランドに関しては、出させていただいてるんですけれども、何か、もっともっとそういう場を設けていただくとか、介護の方とかでも一緒ですけれども、本当に県から、高松市から、いっぱい発信していただく場を用意していただくだけで、私たちもこういうところに応募したらいいんだとか、こういうふうに表現したらいいんだとかって学びながら、どんどん成長していけるのかなと思っていますので、そこをぜひ協力いただけたらなと思っております。

知事
わかりました。そういう機会を増やしたいと思います。

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