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子どもの心に響くがん教育
香川県がん教育推進事業
学習目標・体の力をパワーアップするひみつをみつけよう。
健康について子どもの頃から関心を高めることは重要であり、学校において健康の保持増進と疾病予防の観点から、健康教育に取り組んでいます。「がん」についても、生活習慣病のひとつとして学習していますが、「がん」そのものやがん患者に対する理解を深めるまでには至っていません。
平成24年度県政世論調査によると85.2%が、がんは「こわい・どちらかといえばこわい」と答えており、こわいと思う理由に77.5%が「治る確率が低いと思うから」を挙げています。「がん」に関する情報の氾濫とも相まって、「がんは不治の病」という誤解や偏見につながっている状況がみられます。
そこで、児童・生徒が学習活動を通じて「がん」について正しく学び、がんを予防するために自分たちができることを考えるとともに、行動できる能力を培い、「いのち」の大切さや身近にいるがん患者や家族に対する思いやりの気持ちを醸成する必要があります。
がん教育は、がんを取り巻く現状や科学的根拠に基づくがんの成り立ちや原因、予防や治療方法さらに、がん患者や家族の心理など「がん」という疾患に特化した健康教育を学習活動を通じて実施するものです。
学習活動を通じた「がん教育」により、一人ひとりが主体的にがん予防に取り組み、更に身近にいるがん患者等に対する理解や思いやりの気持ちを持ち、互いに支え合う社会の形成に寄与する。
第14条.県は、学校関係者、保健医療関係者及び関係団体等と連携し、児童及び生徒が学習活動等を通じてがんに対する理解及び予防に関する知識を深めるために必要な施策を実施するよう努めるものとする。
(取り組むべき施策)
がん患者会、がんに携わる保健医療の専門家や教育委員会をはじめとする教育関係者等が協力して、小学生・中学生・高校生の発達段階と適時性を考慮した適切ながん教育用教材を作成し、教育現場におけるがん教育を推進します。
また、実際に指導に携わった教員の意見や、児童・生徒の理解度などを踏まえて、教材及び指導内容等について検討を行います。
さらに、県民に対してがん予防や早期発見につながる行動を促し、自分や身近な人ががんに罹患してもそれを正しく理解し、向かい合うための普及啓発をさらに進めます。
(個別目標)
児童・生徒に対して、がんに関する正しい知識やがん患者に対する正しい認識を持つようながん教育を実施することを目標とします。
(数値目標:平成29年度目標年次)
児童及び生徒のがんに関する正しい知識の習得及びがんに対する理解の向上を図るため、「香川県版がん教育プログラム」を活用し、県内の小中高等学校を対象としたがん教育を実施する。
平成23年12月に、医療・教育・行政の関係者、がん患者等で構成する「香川県がん教育プログラム検討会」を立ち上げ、がん教育のあり方について検討を行いました。検討会では、小・中・高の教諭や香川大学教育学部の関係者等で構成する作業部会を設け、発達段階に応じた到達目標の設定や教材・学習指導案の作成を行うとともに、がん教育を進めるための研修会の開催や公開授業・試行授業等を通じて、がん教育の実践に向けた検討を行いました。
回 | 開催日時 | 主な議題 | 講師 |
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1 |
23年12月3日 |
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がんサポートかごしま理事長 三好綾先生 |
2 |
24年1月21日 |
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綾川町国民健康保険 綾上診療所 十枝めぐみ先生 |
3 |
24年3月17日 |
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国立がん研究センター 片野田耕太先生 |
4 |
24年6月23日 |
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東京大学医学部附属病院 中川恵一先生 |
5 |
24年10月23日 |
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6 |
25年3月2日 |
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小学校から高等学校までの学習活動を通じて、がんに関する正しい知識をもち、がんは誰もがかかりうる病気として捉え、家族や身近な人とがんについて話し合い、がんを防ぐ生活行動を実践することができる。
小学校では3年生と6年生を対象とし、学級活動のとして位置づけ、3年生ではがんという疾患を通じて、健康の大切さを認識させます。6年生は、がんの原因などから生活習慣の課題を見付け、健康で安全な生活態度の形成を図ることを目的とした内容としています。中学校は3年生の学級活動のとして位置づけ、がんの予防や早期発見の有用性、さらに治療に関することを学び、望ましい生活態度や習慣の形成を図ることを目的とします。各学校・学年とも保健学習との関連をもたせた教材と指導内容となっています。高等学校では2年生を対象とし、保健体育科(科目保健)と位置づけ、がん対策に関する保健・医療制度を学びます。さらに、がん患者と家族の体験談を通じて患者の理解を深め、生涯を通じた自己の健康を管理する能力を育成することを目的とした内容としています。
発達段階に応じ、医学用語を適切に表現した教材を用い、がんの正しい知識を1時間で学習します。中学校のプログラムは、専門家を派遣し学級担任とのチームティーチングによる授業としています。
また、家庭との連携を目的に授業参観としての実施や、患者体験談による「いのちの授業」としても展開できます。
統計的な視点から香川県の現状を学び、がんは身近な健康課題であることを確認します。自分自身の生活習慣に関心を持ち、がんを予防するために、自分ができることを主体的に考え、さらに大切な人の命を守るためにできることを考える学習内容としています。
学習を通じて学んだことを自分の言葉として家族に伝えることにより、家庭内の意識向上を期待し、健康課題に取り組む実践力を培います。家庭や地域社会でお互いに手をたずさえ、がんと向かい合う香川県の実現をめざします。
以下分割版
第3学年用教材データ
第6学年用教材データ
小学校3年生用紙芝居教材「ガンダーをやっつけろ!」は、平成26年9月に県内小学校へ1セットずつ配布しております。
第3学年用教材データ
中学校3年生のプログラムで使用することとなっているDVD教材「がんちゃんの冒険」は日本対がん協会が作成しておりますので、がん教育の手引き内には含まれておりません。
県内中学校へは、平成24年2月ごろに各中学校1枚ずつ配布しております。学校の状況に応じて中学校2年生への使用も可能としています。
第2学年用教材データ
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