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脊柱側弯症は成育過程において発見され、その後、生涯にわたり生活の質を低下させるため、早期発見と適切な時期における治療が重要である。
脊柱側弯症等を発見する脊柱・胸郭の検診は、成長期における重要な検診項目であり、わが国では、1958年から学校の定期健康診断の必須項目とされ、検査が行われているものの、自治体における実施体制が統一されておらず、地域差が発生しており、視触検査では客観的な根拠に基づく、正確で均質なものとなっていないと言われている。また、近年、一部自治体では専用の検査機器を用いた検査を実施していることにより、地域差がさらに拡大している状況である。
加えて、整形外科の専門医の診察を受けていても、一般に担当医師の脊柱側弯症の診療経験が少なく、適切な治療につながらず、悪化させる患者も少なくないと言われている。
一昨年、日本側弯症学会等が共同で要望書を提出したことを受け、政府は、成育基本法に基づく成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針に「学童期における側弯症などの疾病を学校検診で早期に発見し、支援につなげていく環境整備に向けた検討を行う」ことを盛り込んだが、未だ実効性のある対策を実施していない。
このため、全国で統一的に検査機器による検査を行い、診療経験・実績のある医師による診断体制を整備することで、確実に、早期発見を行うことが何より必要と考える。
よって、国においては、下記の事項に取組まれるよう強く要望する。
記
1 脊柱側弯症の早期発見のため、学校健康診断では、検査機器を用いた、客観的根拠に基づく、均質な検査が受けられる体制を早期に整備すること
2 デジタル社会の実現の観点からも、検査機器での検査の画像データについて、デジタル技術を活用し、診療経験を有する専門医による正確な診断ができる体制を早期に整備すること
3 学校医や養護教諭等の学校関係者だけでなく、医療を提供する整形外科医師などに対し、脊柱側弯症についての正しい情報・知識を周知すること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年3月18日
香川県議会
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