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公開日:2021年9月15日

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令和3年9月県議会定例会提出議案 知事説明要旨について

1 報告について

ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、3点について御報告いたします。

(1)新型コロナウイルス感染症対策の現況等

第1点は、本県における新型コロナウイルス感染症対策の現況等についてであります。

本県では、7月下旬から急激に新規感染者が増え、感染リスクが一層高まったことから、県の対策期を8月9日からは、最も高い警戒レベルの「緊急事態対策期」に位置付け、県民の皆さまに、日中も含めた不要不急の外出・移動を自粛いただくなど、最大限の感染防止対策をとっていただくようお願いするとともに、「大人数・長時間の飲食」、「マスクなしでの会話」といった場面が生じやすく感染リスクが高いと指摘されている飲食の場を避ける観点から、県全体の感染者に占める割合の高い高松市を対象に営業時間の短縮を8月7日から実施し、高松市内の飲食店の皆さまにはご協力いただいたところです。

しかし、その後も本県の1日の新規感染者数は増加傾向が収まらず、8月13日には新規感染者が107人にのぼり、これまでにない危機的な状況となったことから、8月14日、国に対し、早急かつ強力な対策をとり、県民の皆さまの生命を守る適切な医療提供体制を堅持するため、本県を、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施すべき区域として公示するよう要請したところでありますが、全国各地においてデルタ株などの変異株により感染が急拡大している状況を踏まえ、8月17日、政府対策本部会議において、8月20日から9月12日までの間、本県を含め、10県に対する、まん延防止等重点措置の適用が決定され、公示されました。これを受け、まん延防止等重点措置区域である高松市において、飲食店の営業時間の短縮に加え、酒類の提供停止やカラオケ設備の利用自粛などを要請するとともに、県内の1,000㎡を超える大規模集客施設について、開館時間を午後8時までとするなどの協力要請を行ったところであります。

また、その後も高松市以外の飲食店への時短営業の協力要請や、夏休み明けの学校における感染拡大防止の観点から県立学校における夏休みの延長など、各種対策を講じてまいりました。

改めまして、県民の皆様、事業者の皆様に、これまでの対策に御理解、御協力を頂きましたことに心から感謝申し上げます。

こうした対策により、一昨日時点での感染者数については、直近1週間の累積新規感染者数が83人と一旦落ち着きを見せておりますが、医療提供体制に関しましては、確保病床の使用率が26.1パーセントとなり、国の指標ではステージⅢに該当するなど、引き続き警戒が必要な状況が続いております。

このような状況を踏まえ、本県に対する、まん延防止等重点措置を実施すべき区域とする公示に関しましても、先日、政府対策本部会議において9月30日までの延長が決定され、引き続き高松市を措置区域とし、県内全域を対象とする飲食店への時短要請、大規模集客施設に対する時短要請の延長などを、継続することとしております。

県民の皆様、事業者の皆様には、長期間にわたりご負担をおかけすることとなり心苦しいところでありますが、感染拡大防止の観点から、引き続き御理解、御協力をお願いいたします。

また、ワクチン接種につきましては、市町接種や職域接種が進む中、8月2日から県の広域集団接種センターを高松市の香川大学体育館、善通寺市の四国学院大学体育館において開設し、9月12日までの間に、高齢者施設等の従事者、教職員、警察官、消防団員、飲食店従事者、妊婦の方など約15,400名の方に接種を実施したところであります。

ワクチンの供給につきましては、10月10日までに、本県の12歳以上人口の約88.0パーセントに相当する約155万回分が配分される見込みが国から示されておりますが、それ以降も配分が適切に行われるよう要望しているところです。私としましては、ワクチン接種の円滑な実施により所期の効果が得られ、一日も早く社会経済活動が回復するよう、県議会との緊密な連携のもと、国や市町、各種団体と一丸となって、引き続き、全力で取り組んでまいりますので、県民の皆様、事業者の皆様には重ねて御理解、御協力をお願い申し上げます。

なお、ワクチン接種が進み、希望者にワクチンが行き渡りつつある中、日常生活回復に向けた「ワクチン・検査パッケージ」等を活用した行動制限の緩和のあり方について、先の国の新型コロナウイルス感染症対策分科会から提言が出され、議論が活発化してきており、先週、9日には、国の新型コロナウイルス感染症対策本部から「ワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方」が示されました。

このような状況を踏まえ、本県としても、感染防止対策と日常生活の回復に向けた取組みの両立に向け、県民生活の各分野における「ワクチン・検査パッケージ」等を踏まえた対応について、関係機関との連携の下、主体的、積極的に取り組むため、政策部内にチームを編成し、情報収集・分析・検討等を進めたいと考えております。

(2)次期総合計画

第2点は、次期総合計画についてであります。

私は、知事就任以来、都市の持つ活力や利便性と、田園の持つゆとりや安らぎを兼ね備えた魅力のある生活圏であるせとうち田園都市の創造を基本理念に掲げ、各種の取組みを進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、これまで積み上げてきた成果を大きく揺るがす事態となりました。一方で、感染拡大を契機として、大都市圏への過度の集中のリスクが改めて認識されるとともに、デジタル技術の活用により、テレワークなど場所にとらわれない働き方が広がるなど、人々の生活様式や企業行動に変化が生じており、今後、社会経済システムのさまざまな変革が促進されるものと考えられます。

このような中、これまでの取組みの方向性を引き継ぎながら、デジタル社会の推進などの新しい取組みにもチャレンジし、その歩みを確実なものとするため、県議会での御議論なども踏まえ、このたび、令和3年度から5年間の新たな香川づくりの指針となる「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画案を策定いたしました。

今後、県議会との緊密な連携のもと、県民の皆様と一丸となり、計画の基本目標である「せとうち田園都市の確かな創造」の実現に向け、喫緊の重要課題である新型コロナウイルス感染症への対応はもとより、災害に強い香川づくりや人口減少問題の克服・地域活力の向上など、県勢を維持・発展させていくための課題に全力で取り組んでまいります。

(3)豊島廃棄物等処理施設撤去等事業

第3点は、豊島廃棄物等処理施設撤去等事業についてであります。

豊島処分地の地下水の浄化対策については、今年度上半期までに、排水基準を達成するよう取り組んできたところであり、先般、専門家の会議において、排水基準を再超過した場合の対応や、局所的な汚染源への追加的対策は残るものの、処分地全域での排水基準の達成が確認されました。

これを受け、高度排水処理施設をはじめとした関連施設の撤去や、北海岸に設置した遮水壁の遮水機能の解除について、国の財政支援が受けられる来年度末までに完了するよう、順次、工事に着手するとともに、地下水の浄化対策については、引き続き、専門家の指導・助言の下、環境基準の達成に向け取り組んでまいります。

本事業は、平成12年に合意した調停条項に基づき取り組んでいる、県政の最重要課題の一つであり、引き続き、豊島住民の方々や、県議会をはじめ県民の皆様の御理解と御協力を得て、最後まで、安全と環境保全を第一に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 

2 提案議案について

さて、今議会に提案いたしました議案は、令和3年度一般会計補正予算議案など26議案であります。

第1号議案及び第2号議案は補正予算関係でありまして、その主な内容を御説明いたします。

第1号の一般会計補正予算議案のうち、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、現在の新型コロナウイルス感染症の県内における発生状況や県内経済等への影響などを踏まえ、本県として早急に対応が必要なものをご提案したところであります。

まず、「感染拡大防止対策と医療提供体制の整備」につきましては、新型コロナウイルスコールセンターの運営、PCR検査、疫学調査等に必要な試薬、抗原検査キットなどの購入、流行の早期検知手法に関する検討に必要な下水疫学調査の実施、患者の搬送体制や入院医療機関の病床、新たな軽症者等受入施設、自宅療養者の方への健康管理体制等をそれぞれ確保するとともに、新型コロナウイルスワクチン接種の促進のための支援、高齢者施設の換気設備の設置補助、飲食店における感染拡大防止の取組みを一層推進するための、かがわ安心飲食店認証取得の促進、妊婦の方の分娩前のPCR検査費用の助成などを行おうとするものであります。

次に、「雇用の維持・事業の継続」につきましては、国の雇用調整助成金への県独自の上乗せ助成の期間を延長するとともに、まん延防止等重点措置の影響も踏まえ、第3次の香川県営業継続応援金の支給や酒類提供停止の要請の影響を大きく受ける県内の酒類販売業に対する支援を行うもの、「県民の生活支援」につきましては、香川県社会福祉協議会に対する生活福祉資金貸付原資の追加補助、生活困窮者自立支援金の支給を行うもの、「地域経済の回復・活性化」につきましては、県産品、県産農畜水産物、県産木材の需要を喚起するとともに、利用促進を図るものであります。

このほか、淡路島で死亡野生イノシシの豚熱陽性が確認され、本県が豚熱ワクチン接種推奨地域に設定されたことに伴う、豚熱ワクチン接種等の防疫体制の強化に要する経費、令和2年度に国から交付された新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の、執行に伴う不用額に係る国への返還金を計上しております。

なお、令和2年度の一般会計決算剰余金は、地方財政法の規定に基づき、その2分の1相当額を財政調整基金に、また9月補正予算に活用する財源を除いた残額については、今後に備え、県債管理基金に、それぞれ積み立てることとしております。

以上が歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計補正予算の総額は249億5,700万円余となっており、財源としては、国庫支出金153億6,900万円余、繰越金95億7,700万円余などとなっております。

次に、第2号議案は、特別会計について、繰越金の確定に伴う補正を行うものであります。

第3号議案は、特定非営利活動促進法の一部改正に伴い、第4号議案はデジタル庁設置法の制定による総務省設置法の一部改正に伴い、第5号議案はデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の制定に伴い、それぞれ引用している関係法律の条項等を改めるものであります。

第6号議案は、災害対策基本法の一部改正に伴う避難情報の区分の変更、避難行動要支援者ごとの個別避難計画の作成等について対応するものであります。

第7号議案は、道路構造令の一部改正により歩行者利便増進道路の構造に関し基準が定められたこと等に伴い、第8号議案は移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める省令の一部改正により旅客特定車両停留施設に関し基準が定められたこと等に伴い構造基準を新たに定める等、所要の改正を行うものであります。

第9号議案は下水道法の一部改正に伴い、香川県流域下水道事業の設置等に関する条例等の関係条例について引用条項を改めるものであります。

第10号から第19号議案までは、「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画など10の基本計画の策定について、第20号議案は第七次香川県保健医療計画の変更についてそれぞれ議会の議決を得ようとするものであります。

第21号議案は、地方財政法等の規定に基づく建設事業に対する市町負担金について、第22号議案は、笠田高校校舎棟第1期改築工事の工事請負契約の締結について、第23号議案は、県営住宅家賃の長期滞納者等に対する訴訟の提起について、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。

第24号議案から第26号議案までは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑制するため、第5次から第7次までの飲食店に対する営業時間の短縮要請に応じていただいた、飲食事業者の方への協力金の支給等に係る、令和3年度一般会計の予算補正の専決処分につきまして、それぞれ議会の承認を得ようとするものであります。

次に、本日、追加提案いたしました第27号議案は、先ほど御説明申し上げました第1号議案による補正予算編成後の状況の進展を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策を確実に実施していくために御提案した一般会計補正予算議案であります。

その主な内容でありますが、まず、「感染拡大防止対策と医療提供体制の整備」につきましては、症状が悪化した自宅療養者等を一時的に受け入れ、酸素投与などの必要な処置を行う酸素ステーションの設置を行うとともに、まん延防止等重点措置の延長などに伴う飲食店及び大規模施設等に対する営業時間短縮要請に係る協力金などを支給しようとするものであります。

「学校の再開・学びの保障」につきましては、現在の感染状況やワクチンの接種状況も踏まえ、感染者の発生時などに児童生徒、教職員に対する早期の検査を行える体制をとるなど、学校における安心できる教育環境を確保しようとするものであります。

以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
 

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