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知事:どうぞよろしくお願いいたします。改めましてこんにちは。池田豊人でございます。記者クラブの皆さま方には、これからお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
この度、県民の皆さまから多くの御支持をいただきまして、県知事に就任することができました。県政の舵取り役をお任せいただいたことにつきまして、光栄に感じております。同時にその任務の責任の重大さを痛感しているところでございます。私は選挙戦を通じまして、県内回りまして、いろいろな方からお話をお伺いしてきた中で、香川県は瀬戸内海の恵みを生かして発展してきたことに改めて気づかされました。そして、今後の香川県の発展におきましても、この瀬戸内海をはじめとする豊かな県土、温暖な気候、こういった他の県にはない香川県の特長、これを生かして政策を進めることが、発展をする上で重要であることについて、改めて認識をしたところでございます。香川県のさらなる発展のために全力を尽くしてまいりたいと思いますので、皆さま方の御理解や御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
1. 県政運営の抱負について
2. 香川の将来像について
3. 新型コロナウイルス対策について
4. 「人口100万人計画」について
5. 瀬戸内国際芸術祭2022について
6. JR四国に対する考えについて
7. 県民の県政への関心について
8. 前知事との引継ぎについて
9. 物価高対策について
10.災害対策について
11.県議会との関係について
12.財政規律について
13.バリアフリーについて
14.公共交通について
15.アートについて
16.旧県立体育館の活用について
幹事社:池田知事、就任おめでとうございます。こちらもよろしくお願いいたします。まず幹事社質問、通告していた質問4点についてお伺いしたいと思います。まず、一つ目です。浜田前知事から県政運営のたすきをつながれましたが、今のお気持ちについて伺いたいと思います。また県政運営の抱負、取り組みたい政策についても伺いたいと思います。
二つ目です。香川の将来像についてです。この4年間で香川をどのようにしたいのか、イメージする将来像について伺いたいと思います。また就任に合わせて打ち出したいキャッチフレーズなどあれば合わせて伺いたいと思います。
三つ目は新型コロナウイルス対策についてです。今後の新型コロナウイルス対策や社会経済活動の両立について、考えを伺いたいと思います。また岸田総理は感染者の「全数把握」を見直す方針を示していて、新型コロナウイルス対策は大きく転換する局面にきています。香川県としても早急に対応する必要がありますが、どのように考えているか伺いたいと思います。
そして四点目、最後の質問です。「人口100万人計画」についてです。池田知事は選挙中に掲げた「人口100万人計画」というものがありましたけれども、昨年度は香川県の人口が年間9,000人減で、22年連続の減少となりました。「100万人」を目標に掲げた根拠についてと、いつまでにこの目標が達成できるのかという目標の時期や、具体的な手段について伺いたいと思います。
知事:まず、県政を浜田前知事から引き継いだわけですけれども、その際の今の私の思いとか、抱負、この御質問だったと思います。改めまして県民の皆さまから、力強い御支持と各方面からの温かい御支援をいただきました。まずはそのことについてのお礼を申し上げたい気持ちでございます。またそういった支持や御支援の元になっている、私への期待についても、ひしひしと感じております。しっかりこの期待に沿えるよう、香川県がますます発展するよう、全力で取り組みたいという思いでありますし、県民の皆さまには、ぜひ引き続きの御協力、御支援をいただきたいという思いでございます。
まず今後の方針でございますけれども、現下の新型コロナウイルス対策及び物価高の対策、この両課題に緊急的にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。その上で、私が選挙戦から掲げております「人生100年時代のフロンティア県へ」これをスローガンに政策を進めたいと思います。
具体的には、三つの政策、住みたくなる香川を目指す「県民100万人計画」、香川の経済発展を目指す「デジタル田園都市100計画」、観光政策であります「にぎわい100計画」これを政策の3つの大きい柱として県政を進めてまいりたい、このような所存でございます。
そしてまずは私の任期の4年間で、香川県について、「子育てするなら香川県」、そういう評価が定着するような香川県にしたいと思います。また女性、高齢者、障害者、こういったさまざまな方が能力を生かして、生き生きと働ける、このようなことについても、香川県は非常にそういった雇用の環境が秀でていると、このような評価を受けるような香川県にしたいと思います。そして香川県の瀬戸内を中心とした、いろいろな企業や工場の立地についても、改めて、この4年間で、動きが出たなと思えるような、そういうような成果を作っていきたいというふうに思います。そういった政策を進めるにあたりまして、県庁の職員の方々はもとより、県民の皆さまと一緒に進めていく必要があると思います。その点について、しっかりと働きかけをしたいと思います。その意味を、思いを込めまして、キャッチフレーズは「One Step Together!」。英語でありますけれども、一歩前へ皆さんと一緒に進んでいきましょうという思いで「One Step Together!」、これをキャッチフレーズとして掲げたいというふうに思います。
さて新型コロナウイルス対策につきましての御質問がございました。本県においては8月10日以降に、「BA.5対策強化宣言」を行いまして、県民の皆さまに日常を取り戻していただく状況の中にあっても、より一層の感染防止対策の徹底に努めていただくようにお願いをしているところでございます。この点については、私も継続して取り組んでまいりたいというふうに思います。こういう中で、現在の感染状況、全国的にやや減少傾向が見られるものの、全国的な傾向は本県も同様でございますけれども、まだ病床使用率が50%を超えて推移をしており、医療機関などの負担も大きいという、そういう状況であるというふうに考えております。またコロナ禍が2年あまりにわたって収束していない中で、昨今の物価高も相まってですね、県民の生活や企業の経営、経済、こういったものへの影響も引き続き油断ができない、そういうふうな状況と認識をしております。今日、私就任いたしましたけれども、今日の午前中に部長会議を開きました。その部長会議の中で、さらなる感染拡大の防止、それと必要な保健医療提供体制の確保ですね、全力で取り組んでいただくようにその場でも指示したところでございます。また、県内の最新の感染の状況や医療提供体制、ワクチンの接種の状況、そして県民生活への経済、県民生活や経済への影響、これそれぞれについて、最新の状況を改めて報告、早急に報告してもらうように指示したところでございます。
そして全数把握の見直しについての御質問があったかと思います。全数把握の見直しについては、国において検討をされているというふうに承知をしております。本県におきましても、この検討の状況を注視をしまして、県内の保健医療提供体制の状況もしっかりモニターしまして、この国における検討に伴う、いろいろな変更については適切に対応していく、こういう必要があるというふうに考えております。なお本県の現在の感染状況については、8月23日以降前週の同じ曜日の人数を下回っております。また、自主的な検査で陽性が判明した方が登録できる、陽性者登録センターを開設をはじめております。また発生届の項目の簡略化などの負担軽減を図っております。そういった状況から判断して、今、一部の自治体で先行的に始まっております緊急避難措置については、現時点においては本県では行う予定はございません。
それから、私が選挙中に掲げた「人口100万人計画」、このことについてのお尋ねがございました。現在ですね、非常に厳しい将来の人口推計が出ております。それに関わらず、あえて100万人という数字を示したことにつきましては、何とか県民全体で、私もリーダーシップをとって、この流れを変えていきたいという思いで、またそれには相当の取り組みが必要であるという、そういう覚悟を持って示したものであります。県の人口のピークは103万人であったわけですけれども、こういう県のピークの人口の数を念頭に置きながら、危機感を持って、県民全体で思い切って進めていきたいという趣旨で掲げたものでございます。そういう趣旨でございますので、いつまでに達成するかという目標時期を明示できるものではございませんが、具体的な手段におきましては、先ほど申しました子育ての世代、特に女性の方への抜本的な支援強化を進めたいと思います。また、雇用、労働環境、先ほどの女性、高齢者、障害者、こういった方々がより能力を発揮して勤められる、働いていける、こういうようなことを通じまして、この人口の流れを、減少の流れを、局面を変えていきたいというふうに考えております。ぜひこれから県民全体での取組みが必要となりますので、このどんな取組みをさらに進めるか、こういったことについては県民の皆さまから、十分に御意見をお伺いして、また県議会での議論なども踏まえまして、職員と一緒に知恵を絞って進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
繰り返しですけれども、この厳しい人口の減少推計の状況、これに目を背けるということではいけないと思っておりますけれども、長い将来、持続可能で、県民が希望を持って生活していく、その地域としていくには、やはり県民全体で具体的な方策をとってですね、流れを変えていかなければならない、というふうに思いますので、ぜひ御協力をお願いしたいというふうに思います。
幹事社:もう一問追加でお聞きしたいと思います。瀬戸内国際芸術祭についてです。池田知事、先ほどにぎわいづくりについての言及をされていましたけれども、これは観光に関連したものだと思いますけれども、その大きな目玉である瀬戸内国際芸術祭、昨日で夏会期が終わりまして、今月末にはですね、秋会期も始まろうとしています。改めてですけれども、瀬戸内国際芸術祭への思いや、今後への期待がありましたら、教えていただきたいと思います。
知事:今回の夏会期でございますけれども、それぞれ島ごとの状況に応じた魅力的なアートプロジェクトが展開されまして、多くの方々にお楽しみいただけたのではないかなというふうに感じております。心配でありましたコロナの関係でございますけれども、春会期に続いた、さまざまな感染対策の徹底によりまして、大きな混乱や事故もなく終えることができたのではないかなというふうに感じております。この開催につきまして、御協力いただきました関係団体やボランティアサポーター、また県民皆さまにお礼を申し上げたいと思います。
そして、この秋会期がまた始まるわけですけれども、今度の秋会期では、西の中讃・西讃の四島ですね、本島、高見島、粟島、伊吹島、この四島がその会場に加わりまして、なお一層さまざまなアートプロジェクトを御覧いただける、またその西讃・中讃の島ということで、また違ったいわゆる借景といいますか、その環境の中でのアートプロジェクトを楽しんでいただけるということで、非常に開催する側としても期待していますし、春夏にましてですね、多くの方に楽しんでいただけたらというふうにと思います。そして、この瀬戸内芸術祭が大きな力となっていると思いますが、最近、特に世界からこの瀬戸内及びその島が大きな注目を集めております。今回の秋会期についても、さらにその注目を高めるものであって欲しいし、また、この瀬戸内国際芸術祭が終わった後、多くの方々に、また瀬戸内や島に訪れていただけるような、引き続きのいろいろな取組みについても、合わせて進めていきたいというふうに考えております。
幹事社:今の4の「人口100万人計画」についての幹事社質問に関連してお尋ねします。知事の今の御説明の中で、人口減対策も含めて、子育てするなら香川県ということで打ち出されて、その中で選挙中も訴えられておりました女性への支援策についてなのですけれども、今お聞きした限りですと、母親の子育ての悩みについて寄り添う相談でしたりとか、あるいは子育てを終えた後の女性が再雇用されて社会で活躍する、そういったことに対する支援策の想定をされているのかと思いますが、こういった支援策は子どもを産み育てる、育て終わったその母親への支援にフォーカスしている印象を受けるのですが、今言われているのは、今年、内閣府の男女共同参画白書でもあったかなと思うんですけれども、昭和の性別役割分業からの脱却ということが、大きな社会課題になっているかなというふうに思います。女性が必ずしも子どもを産まなくてはいけないとか、そういった押し付け、プレッシャーの価値感というものになってしまうと、ますます女性が、香川を離れて東京に出ていってしまったりですとか、そういったことにもなりかねないのかなという懸念もあるかなと思いますが、こういった性別役割分業についてのお考えがあればお聞かせ願います。
知事:私は女性の方は今まで以上に社会経済へ参画していただける、まだ大きな可能性といいますか、そういう部分が残っているのではないかなというふうに思います。やはりこれまで長い時代変遷の中で、こういった仕事はやはり女性には少し難しいのではないかなというような、そういういわゆるお仕事、これらについて、もう既に例えば私が長年関わった建設業についても、その現場のいわゆる監督さんというのはですね、「女性の方にはやはり職人さんをいろいろ取りまとめて指示をしたりするのはちょっと難しいよな」みたいな時代がありましたけれども、今は現場でいろいろな話を聞いてみると、女性の方というのは、非常に全体的に平均の話ですので、個人的にはいろいろな個性はあるのですけれども、全体的には女性の方っていうのは、几帳面な部分があってですね、いわゆる建設工事現場の監督をするには、出来高をきちんと把握していかないといけないんですけれど、そういうところできちっとやれる。職人さんに対してもですね、最初心配しているところはあったんですけれども、一般的には、非常に女性の監督さんというのは、職人さんからも評判がいいというような話を聞きます。こういうことに代表されるように、今まではちょっと難しいのではないかと思えるようなことが、実はもっともっと女性ならではの視点で、もっと活躍できるというような、そういう仕事というのは、まだまだあるのではないかと思うんです。一つは今お話になられた、子育てが終わった時期からの就労についても、これまではやはりそういう年代の方をもう一度という、そういうのもちょっと難しいのではないかと、もう1回離れてですね、家庭に入っています。今からまた、というのは難しいのではないかなというようなことがありましたけれど、これもですね、いろいろな業種で実際そういう方を採用してみると、昔、10年ないし何年かこういう一線で頑張ってこられて、1回離れた、やはり昔とった杵柄ではないんですけれども、そういう実績が経験があると、1回離れて再就業をしようとすると1ヶ月やそこらの研修はいるのですけれども、そういう研修を経るとですね、ほぼもう即戦力で活躍できる、こういったこともですね、ある意味長い間の既成観念というのですか、そういうものによって、機会をある意味狭めていたものではないかなと思うんです。そういうものを、これまでの既成観念をとっていくと、その女性の方、僕は高齢者の方もそうだし、障害者の方もそうなんですけれども、もっともっと活躍できる部分があるのではないかなという、そういうふうに考えております。
幹事社:今お話いただいた内容ですと、どちらかというと女性、今まで家庭にいた女性の社会進出の支援を後押ししていくというような内容が中心なのかと思ったのですけれども、私がお聞きしたかったのは、性別役割分業ということで、家庭にいた女性が社会進出するだけではなくて、男性の方が家庭の育児参画、今だったら男性育休の義務化なんかもありますけれども、そういった方面も両輪でやっていかないと、「女性が子どもを産みなさい、仕事もしなさい」というのが、プレッシャーになるのだとそういった懸念があるのではというところだったのですけれどもいかがでしょうか。
知事:男性の育児参画というのは私はもう必須だと思いますし、これもやはり長い間の既成観念で、女性の方に負担がかかり過ぎている、こういう部分があろうかと思います。昔は近くにおじいちゃんおばあちゃんがいるなどして、何となくそこで補完されていた部分もありますけれど、そういうことがなかなか難しくなってきたこともありますし、これからは男性の育児参加というのは、必須だと思います。これはそれで県庁の職員から率先して進めたいと思いますし、企業にも働きかけをしてですね、そういう方というか、結局そういう育児休暇を取るというようなことは当たり前だというような、そういう社会になるように、いろいろな手だてをしていきたいなというふうに思います。
記者:事前に伺っていたJR四国について伺いたいと思います。JR四国は8月下旬に、管内全域を対象に平均13%の値上げを国土交通省の四国運輸局に申請しました。消費税増税の料金改定を除くと、27年ぶりということでJR各社の中でも非常に厳しい経営状況にあるのかなと思っております。そこで自治体側が鉄道の整備、設備の維持・管理して、鉄道会社が運行を担う「上下分離方式」これらを含む、自治体側の支援について考えをお伺いします。
知事:JR四国の経営の厳しさというのは私も承知をしております。一方で、今おっしゃられた自治体側で線路などの鉄道施設を維持管理し、鉄道会社が運行を担うという、そういう意味での上下分離方式、これについてJR四国を念頭において、今香川県の方で検討しているとか、そういう方向で何か検討が進んでいるような、そういうことはございません。その上で、これまでも公共交通機関であるJR四国がしっかりと今後も運行し続けていってもらう。これは公共の立場からというか、県民みんなの願いであると思いますので、これまでも利用促進のためのいろいろな事をやってきているということだと思います。そういう上で、公共施設の官民分担の考え方の一つとして、インフラの部分、いろいろありますけれども、その一部を官が支援をしていくと、そういう考え方というのは一つの方向性であるのではないかなというふうに私は考えております。そういったことも含めまして、これまでも利用促進のことは行ってきておりますけれども、さらに今後必要な支援、どんなことができるのか、これについては、考えていきたいというふうに思っております。
記者:関連してもう一点、滋賀県の話になるのですけれども、4月の税制審議会で公共交通機関の存続に向けたいわゆる「交通税」の導入を求める答申がなされました。実際、滋賀県では7月に知事選挙があったのですけれども、1つの争点になりました。率直にこういう考えというか、どう受け止められているか、知事の見解をお伺いします。
知事:そうですね、滋賀県でそのようなことが議論されているということは承知をしております。先ほど申しましたように、いわゆる鉄道を含めた公共交通機関、これはそこの地域に住む方の大事な足ですので、事業者だけの問題ではなくて、いわゆる県全体の公共、社会としての問題であるというふうに思います。そういう考えに立てば、鉄道事業者以外でどうサポートしていくかというのは、当然いろいろな議論が今後あると思います。現時点で、交通税というのを香川県で検討しているということはございません。一方、先ほどお答えしたとおり、いろいろな形の公共側の支援、これについては必要なものが何か、これは検討していきたいというふうに思います。
記者:本日からよろしくお願いいたします。先ほどもお話があった人口のことなのですけれども、知事からもお話があったとおり、非常に厳しい人口推計が出ているかと思います。瀬戸内の気候も非常に恵まれてという、地理的な良さがあるというお話があった中で、このように人口が減少を続けているということ、この出生率の話とか、県外の流出という話もあるかと思いますが、知事としてはどういった理由、どういった要因でこの減少が続いているというふうに認識されていますでしょうか。
知事:やはり昔に比べるとやっぱり子育てのところの、若い世代、特に女性、こういったところの負担感が大きいなと思うんですね。それはなぜかというと、先ほど申しました、周りにおじいちゃんおばあちゃんのような、助けてくれる人がなかなか近くにいないようなケースが増えてきたことや、共稼ぎというのが非常に多くなってきている。そういう中で子どもを産んで育てるってことに対して、非常にこれ大変だという中で、どうしても昔に比べると積極的になれないというような、そういうことが大きく影響しているのではないかなというふうに思います。
記者:その上で知事としては、そこに対しての対策をしていきたいということですかね。具体的なものがあればお伺いしたいと思います、
知事:だからそこの部分、子育てという一番積極的になれない、直接的場面に対して、資金面もそうですし、相談する体制、1人ぼっちじゃない体制も作って、社会全体で、「みんなで応援するから、子育てしていこうね」みたいな、そういうような状況を作っていきたいと思いますし、それからやはり経済が伸びていかないと、将来に経済が伸びていかないという、そういうような悲観論が出ると、やはり子どもをというのも、そちらについても、やはりどうしても積極的になれないようなことがあると思うんです。だからやはり経済を伸ばしていくっていうことがバックグラウンドとして、そういう出生率の回復にも繋がっていくのではないかなというふうに思います。
記者:また知事の方でスローガンとして「One Step Together!」というお話がありましたけれども、県民の方も巻き込んでということだと思うのですが、また一方で今回の知事選の投票率も30%以下というところで、どうすればこのあたり県民に、県政の関心を持っていただけるというふうに思っていますでしょうか。
知事:やはり参加をしてもらうということが大事だと思うのですね。そういう意味で私が選挙中にも言いましたけれども、いわゆる瀬戸内にたくさんの世界中から人を呼び込もうと。その前に、県民自らが瀬戸内の沿岸や島に今まで以上に出かけていって、楽しみながらそれを発信して、県民自らがPRする人になるんだというようなことなどですね、参加をして県政といいますか、そういう県が全体で進める、そういう社会的ないろいろなことに対して、できるだけ参加をしていってもらうと、すごい力にもなるし、今回やって楽しかった、やりがいもあった、ではまた次もやりたいというようなことに繋がっていくのではないかなというふうに思います。
記者:そのあたりは何か参加したくなるような仕組みみたいなものを、考えていかれるということですか。
知事:例に出したのが、県民が島や海岸に行くような機会を増やすような、そういう仕組みを作って、それによって自分が発信者になるような、そういうことを進めたいと思います。
記者:一点、先ほどから出ている「100万人計画」についてですけれども、これはやはり出生率をまず上げていくということに重点を置かれるということなのでしょうか。特に移住者を呼び込むというかたちではなく。
知事:これは両方です。出生率も局面を変えていかなくてはいけないし、香川から離れる人も減らしたいし、できることなら来る人を増やしたい、それは外国も含めてですね。
記者:そういった意味でいえば、各都道府県、こういった対策がとられていると思うんですけれども、香川県ならではの取組みというかですね、こういったことを考えたいということはございますでしょうか。
知事:やはりおっしゃるとおり、香川県だといいよねみたいな、そういうことが大事だと思うんですね。もともと気候がいいみたいな。そういう所というのは、改めてもっともっとPRをしたいと思いますし、先ほどの子育てや、それから就労の環境、こういったものも香川はいいよというような、そういう評判が立つような、そういう県にしたいし、実際に工場や、そういったものの誘致についても、ぜひ香川の立地というのは非常に注目されているねというような、そういう風評が立つようなそういうことを進めたいと思います。差別化できるような。
記者:そういった意味では、前任の浜田知事が就任された後に「うどん県」という形で、キャッチーな形で全国にPRされましたけれども、何かそういう全国にPRするようなキャッチーなことを考えたりというのはありますでしょうか。
知事:やはり「うどん県。それだけじゃない香川県」、これはなかなかいいキャッチで、香川を意識する一つ大きいきっかけになったと思います。いろいろなやり方があると思いますけれども、先ほど言いましたようにいい風評が立つとかということになると、何かシンボル的な、そういう話題といいますか、それがキャッチであったりもすることもあるかも分かりませんけれども、そういう話題性のあることはできたら作っていきたいなと思います。
記者:具体的にはちょっとまだ見えていない感じですか。
知事:そうですね。これからなんですけれどね。今までと少し違うトーンを出せればと思うのは、いわゆる観光とか、生活するという、そういう意味での香川県のメリットというのは売り出してきたところあると思うのですよね。きれいとか、暮らしやすいとかですね。ここは関連するのでしょうけれども、香川は産業の拠点としてもメリットが大きいと思うのです。ここを全体的な産業拠点が海外に行くような流れの中で、なかなかPRしにくかったことがあると思うんですね。そこは改めて、産業拠点が日本にもどってくるというような大きい流れがある中で、香川でお仕事を始めたらどうですかというようなそういう面は訴えていきたいと思います。
記者:あと最初に言われた3つの点、1つは100万人計画もそうですし、あとデジタル田園都市100計画と、にぎわい100計画もありましたが、その2つについても具体的に何かありましたら教えてください。
知事:デジタル田園都市については、やはり名前のとおり、デジタルという技術によって、大平元総理が唱えた頃は、やはり距離的な制約というのはあったと思うのですけれども、それがさらにデジタルという技術で、いわゆるリモートでできるとかということです。昔あった制約がなくなってきていると思うんです。だからぜひそういうものを生かして、より地方での経済活動というのを活発にしたいと思って、それは香川がその先頭になれないか、そういう意味においては、いわゆるデジタル環境というのですかね、一つは高速大容量の通信環境であったり、香川県全体としてデジタルの利用勝手が非常にいいとかですね、そういうところで香川でリモートで仕事がしやすいなと思えるような、そういうものをつくっていけたらと思いますし、農業とか漁業とかそういったものについては、改めて香川のそういう資源が、品質が優れていることを、もう一度、県民みんなで共有して、売り出していく。そういうこともこれまでもいろいろなものをされてはいますが、ここでもできたら県民の皆さまにも力を借りて、香川県のいいものを国内外に売り出す、こういったことを考えていけたらなと思います。それからにぎわいについては、先ほどの瀬戸内の取組み、これが大きい柱、それからもう一つはこのサンポートの地区、これが2025年までにアリーナもでき、大学もくる、それから高級ホテルも建つ、駅ビルも拡充される、大幅な施設が整ってくる、こういった際に単なる建物がそろったというだけでなくて、全体をもう少し、通しで歩けるように、いわゆるプロムナードということだと思うのですけれども、一大プロムナード化して、日常的にあの地区に人が集まるような、こういうような空間にしていく。これを大きな柱、重点項目にしたいと思います。
記者:一言で池田知事に変わって、香川県はこう変わるよというのが何かありましたら。
知事:私の自分自身の目標でもありますけれども、右肩上がりの香川県にしたいと思います。
記者:浜田前知事の退任会見で瀬戸芸などを挙げて、できることがあれば関わりたいとおっしゃっていたように思えるのですけれども、今後何らかの役職についていただくということは考えていらっしゃいますか。
知事:現時点で、具体的なものはございません。浜田知事の12年間のいろいろな実績や御経験については、県政にこれからもいろいろな形で生かしていただければありがたいなと思っています。
記者:先ほど1時から浜田前知事と引継式があったと思うのですが、そのあとお部屋で、お2人でお話されていたと思うのですけれども、どういったことをお話しされましたか。
知事:これは全くの雑談ですので、御紹介するような内容はございません。
記者:今日、式の方で訓示の方で、コロナと並べて、緊急課題に物価高を挙げていらっしゃったと思うのですが、農業とか運送業など、影響を受けた業種に適切な支援を行うとおっしゃっていたと思うのですけれども、それについては具体的にどういった支援を今のところお考えでしょうか。
知事:まさに今、物価高によって、肥料や燃料という意味で、農業、それから畜産業といったところが非常に大きい影響を受けている。あるいは燃料の意味で運送ですね、そういったところの影響も大きい。それから中小企業についても、その影響が事業継続に及ぼす大きさについては、引き続き、きちっとウォッチしたいと思います。そういったところを中心にですね、まずは国の方もこれから検討されるとは思いますけれども、それに合わせて、県の方も主体的になって、財政的な支援中心に考えていきたいと思います。
記者:財政的な支援というのはまだ具体的にはこれから検討していくのでしょうか。
知事:具体的にはこれからですけれども、いろいろな県の財政力を使ってしたいと思います。今朝の部長会議でも、そういった経済への県内の物価高による状況について、最新の状況を取りまとめて、早急に報告をしてもらうように指示をしたところでありますので、そういったことを踏まえて、スピーディーな対応をしたいと思います。
記者:また浜田前知事が先の会見の時に、南海トラフ地震が起きる可能性も年々高まっていて、災害対策にも取り組んでほしいということをおっしゃっていましたが、今のところ具体的に対策などはいかがでしょうか。
知事:やはりこれは着実に切れ目なくというのが、私の災害対応・対策とか、インフラ整備の基本的ポリシーです。別に何か変わったことをこれから進めようということはございませんけれども、浜田知事の時代から進めておられる公共施設の耐震化、それからため池や河川の洪水対策、こういったものについてですね、一歩一歩進めていきたいと思います。
記者:まず新型コロナについてお伺いをしたいのですが、現時点で全数把握の見直しというのは行う予定はないということで明言されたかと思うんですけれども、国の方でハーシスの改修については今月中にも終えたいというような話が出ているかと思うんですけれども、未だ全国一律がいつからなるのかが分からないというような状況になっているかと思うのですが、県としては、国が見直しを行うまで引き続き、全数把握を続けていくという考えということでよろしいのでしょうか。
知事:今の時点では、全数把握を改めるというような予定はありません。一方で、先ほど申したように、入力の項目の発生届の項目の簡略化を進めるとか、陽性者登録センターを先週開設しましたけれども、こういったものをさらに活用してもらう。こういったことで、医療・保健スタッフの軽減を図りながら、よく体制の状況を注視したいと思います。
記者:あと選挙中からも医療提供体制の確保という観点から、医療従事者の感染対策の必要性というのをおっしゃっておられたかと思うんですけれども、これまでのものに加えて、何か新しい対策を行っていくというようなお考えはあるのでしょうか。
知事:保健医療体制の確実な継続ということについてですね、これは最重要課題だというふうに思っておりまして、今おっしゃられた、そもそもスタッフの方がかからないようなということは、いの一番でありますけれども、さらにそういうことと合わせて、先ほどから進めている陽性者登録センターとか、発生届の簡略化、こういったことで仕事を簡略にして、大事なところに手が回るようにというようなことで、これからも医療関係者からも話を聞いて、できることは追加的にやろうというふうには思いますけれども、現時点では、今申し上げたことをきちっとやっていくということだと考えております。
記者:もう一つの課題の方の物価高対応についてお伺いをしたいのですが、政府の方で今週にも追加の経済対策をまとめる予定ということで、報道の方も出ておりますけれども、香川県としてはこの物価高対策というのは今月行われる県議会の方に、喫緊の課題ということで提案するお考えなのか、あるいはもうちょっと先のスパンになるのかっていうところが1点と、あとこれまでの6月議会ですと、県民生活というよりかはどちらかというと事業者負担、事業者の補助なり助成ということが多かったと思うのですけれども、今知事の中で考えておられる物価高の対策というメニューの中ではですね、事業者の方がメインになるのか、あるいは県民生活というところにも主眼を置いて、補正予算を編成していきたいというお考えなのか、いかがでしょうか。
知事:まず、喫緊の課題だという認識でおります。そういう意味で私、今日着任しましたけれども、就任早々の部長会議で、早急に経済の最新状況をとりまとめて、報告をしてもらう指示をしたところであります。それを受けて、対策をとりまとめていきたいというふうに思いますので、スピード感としてはそういうことを考えております。今まで私自身も事業者さんの、そういう非常に厳しい状況を聞いておりましたので、そういったところへの緊急的な助成というのがまずあるのかなと思いますけれども、予断を持つことなく、そういった経済、生活の現状、最新状況を見てですね、必要なものについては、躊躇なく進めていきたいというふうに思います。
記者:最後に人口のところについてお伺いをしたいのですが、先ほど冒頭からの知事のお話の中で、県民を巻き込んでということであったり、局面を変える必要というような言葉があったと思うのですけれども、子育ても含めてですけれども、何をどういう局面に変えていくのか、具体的なところも含めてお伺いしたいというところと、子育て支援のところについては環境の確保というか、環境を充実させるということは、不可欠なのかなというふうには思うんですけれども、制度的なものの拡充をお考えなのか、それとも例えば保育士さんですとか、待遇の改善まで含めてそういう環境を作っていくというお考えなのか、その辺りはいかがでしょうか。
知事:局面を変えるというのはですね、いわゆる今の局面というのは先ほど言いましたように、子育てっていうのは非常に経済的にも精神的にも大変だという全体的イメージが広がってきているのではないかなと思うんですね。そういう局面を変えたいと思うんです。大変だけれども、みんなが支えてくれるよね。大変だけれども1人じゃないよね。それなりに大変な裏返しとして、充実感もあるよね。そういうような局面に変えたいという、そういうようなことであります。そのためには、今おっしゃられた、いろいろな手だてをパッケージにして打ち出していかなければならないかなというふうに思います。それは早急に進めたいと思います。
記者:改めてになりますけれども、県議会との関係、いわゆる相乗りという形で選挙くぐり抜けられましたけれども、今後議会との関係をどのようにされていくおつもりでしょうか。
知事:相乗りというふうによくおっしゃっていただくのですけれど、私自身は春、出馬表明をした頃から広く支持を求めたいということで、政党についてもその方針で動いてきました。その結果、自民・公明・国民民主・立憲の四党からの推薦をいただいたということで、そのことについては非常に今でもありがたく思っております。そういう意味においては、大きい意味で、池田という人間に対して、これからの県政運営についても、現時点においては、基本的に同じ方向を向いて、いろいろなことが相談できる体制になっているのではないかなというふうに思います。一方これからの一つ一つの案件については、大きい意味での協調路線であっても、一つ一つの個別具体の案件では、いろいろな考え方の違いはあるでしょうし、それは私との違いがあったり、政党間の違いだったりするのだと思うのですけれども、そこはやはりせっかくこういう共通、大きい一定の協調関係にあることをベースに、いい着地点、いい折り合い点を粘り強く見つけていきたい。このような形で、県議会とは対応していきたいというふうに思っております。
記者:いろいろやりたい目標、政策があると思うんですけれども、財政規律についてはどのようにお考えでしょうか。
知事:やはり財政規律というのは重要な内容で、重要なことだと思います。一方で、やはり財政規律というのは県政の目標ではないと思います。県民の幸せ、それも現世代、それから次世代まで向けた県民の幸せ、これが目標でありますので、そういう中で必要な財政支出は躊躇せず行いたいと思いますし、それによって債務が増えることについては、みんなで稼いで返そうというような気持ちで取り組んでいきたいというふうに思います。
記者:いくつかのジャンルについて、ちょっと聞いていきます。まず本日の会見の冒頭でも手話で御挨拶をされましたけれども、それは前知事からの引き継ぎということでよろしいでしょうか。
知事:はい、そうです。
記者:池田知事はこれまでのお話の中でも、障害者が働きやすい環境を作るというような話が出てきております。障害者が暮らしやすいという意味で、バリアフリーについての、まず全体としての概念についての御見解と、香川県内におけるそのバリアフリーの整備状況の現状とか今後の対応についての御認識をまず伺わせてください。
知事:障害者の方は大変高い能力を持っておられる方がたくさんおられますし、そういう面以外でもですね、できるだけその障害を感じずに生活できるというのは非常に重要なことだと思います。そういう観点からですね、まだまだ県内をみてもですね、バリアフリーが十分でない面も多いのかなというふうに、いろいろな公共施設の段差みたいなことを一つとってもですね、まだまだきめ細かくやっていく必要があるのではないかなというふうに思います。
記者:その辺は自治体とも連携をとって、予算の問題もあると思いますけれども、ある程度やれることはやっていきたいという方針でよろしいでしょうか。
知事:はい、もちろんです。やはり障害者の方、先ほど言いましたように安心して暮らせるように、そしてもっと活躍してもらえるようにするために必要な投資だと思っております。
記者:続きまして、高齢者の生活の足としての公共交通の部分。路線バスよりもっとコミュニティバスとか、今、その辺がなかなかなくなって、買い物難民なり、孤立化というような話になっていくと思うんですけれども、県内の各自治体でその辺に対して、さまざまな取り組みがすでに試みられていますが、その辺についてどの程度の認識があって、今後それに対してどういうふうに関わっていかれるのか。
知事:高齢者の足は、非常に重要だと思っています。これはそういった方が障害者のときも申しましたが、安心して暮らせるように。それと高齢者の方に社会経済にもっともっと参画してもらう。両面で足の確保というのは、大事だと思います。高齢者の方、体の面でも、少し壮年者より、自由が利きにくいとか、車の運転とかに制約がかかってくるということがありますので、公共的な移動手段、これが必須だと思います。市町村でも、今までやってきてうまくいかない、厳しいところもある、コミュニティバスみたいなものの改善といいますかね、そういったものをいろいろ考えていただいている話もすでに聞いていますので、そういったものを応援したり、それから県自らでもそういう移動手段の新しい形も考えていきたいというふうに思います。
記者:ただ、そこのところをきめ細かくやるとなると、かなり財政的な負担が厳しくなると思うんですけれど、その辺は。
知事:そうですね、橋をかけたり、トンネルを掘ったりということではないので、荒唐無稽な財政負担ということでは僕はないと思います。一部、できる限りの利用者負担ももらいながら、足りない部分を公共で補っていくということだと思います。財政規律の関係でできないようなそういうようなものではないというふうに思います。
記者:続きまして、次は人口減少対策に関連する中で、若年層の県外流出対策ということでお伺いしたいのですけれども。高校を卒業した後に結局地元で次に行く教育機関のところがなかなか厳しいというところと、一度出た後に、今度はUターンとして帰ってこようと思ってもなかなか就職、企業として一度出てしまうと、都会の方が環境が整っているというような状況があると思うんですけれども、その辺に対する具体的な対策について何かございましたら。
知事:二つあると思うんですね。一つは私もこの選挙期間中も、いろいろな企業さんにお話を聞きに行ってまいりました。その中で、非常に若い社員の方がたくさんおられる企業さんも多くありました。やはり魅力ある企業っていうのが、たくさん出てくると、ああいうとこだったら戻って勤めてみたいというようなことに繋がるのではないかなと思いますので、そういう魅力ある企業、こういったものに今の企業も伸びていただきたいし、そういう企業が香川県で立地をするような、そういうことも進めていきたいと思います。それからもう一つは、先ほどから話題が出ている、特に子育て世代のところですけれどね、そういったものが、香川県だと非常にいいなっていうことになってくると流れは出ていくというよりはむしろ戻ってくる、そういう流れに変わってくるのではないかなというふうに思います。
記者:そうすると、すぐ出ていくという部分に関しては、なかなか高等教育機関の整備という部分も絡んでくると思われますので、戻ってきたいと思われるというところがまずポイントになるのでしょうか。
知事:そうですね。戻ってきたいというところがポイントになると思います。
記者:続きまして「にぎわい100計画」ということで、世界から人を呼び込むというようなお話をされていると思いますが、海外の観光の方、単にその行楽とか娯楽だけではなくて、日本人と違った関心のポイント、歴史とか文化だとか、産業遺産だとか、学術的なものに絡んだものに興味を持たれるような方もいると思いますので、そういう点でその観光スポットとして、香川県で今、埋もれようとしているような資産、捨て去られようとしているような資産を改めて、再点検しながらそれを活用していくというような部分について、お考えを聞かせてください。
知事:まず今お話になった中で、最もピンとくるのはお遍路ですね。これは例えば紀伊半島の熊野古道のことをみても、特にヨーロッパとかそういった方が中心に、巡礼の道という旅行を楽しまれております。だからお遍路というのは、そういう観光客を呼んでくる、大きな財産になるのではないかなと思います。世界遺産の登録のこともありますけれども、そういったことにも積極的に取り組みたいと思いますし、その前提にもなるとは思いますが、もう少し迷わないとかですね、行きやすい、いろいろなサポート、ソフト・ハードのサポート、こういったものも広げたいと思います。それからもう一つは、香川県にもいろいろな珍しい地質だとか、地形だとか、こういうものを全国ジオパークというので登録されているところもありますけれども、そういうようなものも財産になってくるのではないかなというふうに思います。
記者:香川県の県庁東館は、国の重要文化財に指定されておりまして、それ以外のイサム・ノグチの美術館だとかそういったアート関係とかのジャンルで埋もれているものもあると思いますけれど、そのあたりはいかがですか。
知事:言い忘れていました。アートについてはですね、香川は今おっしゃった、イサム・ノグチの作品もそうですけれども、たくさん世界に冠たるものがあると思います。瀬戸内国際芸術祭、こういったものも、それの後押しになると思いますので、アートの県という売り出しはこれまでもされていますが、ちょっと加速をしていければというふうに思います。
記者:新型コロナウイルス対応について、今までも聞いていますが、当面は前県政からの方針、対策を受け継いでいくような形になると思うんですけれども、どのあたりでどのような池田カラーを出していけるのかというところと、ワクチン接種の推奨というスタンスに関しては、基本的には変えないということでよろしいでしょうか。
知事:はい。まずおっしゃっていただいたように、以前県政からの継承ということをベースにしていくということはそのとおりであります。池田カラーと言えるかどうかは自分の判断ではありませんけれども、より医療関係者からの話を聞くなどして、現場でどんな情勢になっているのかということをですね、しっかり踏まえて、それに即した対応を、より心がけたいというふうに思います。それともう一つは何でしたかね。
記者:ワクチン接種。
知事:ワクチン接種についてはですね、これはもうぜひ皆さんに打ってもらえるようにですね、自分自身も感染しまして軽症だったんですけれど、軽症でも心身ともに非常に厳しいものがあります。そういったことも、機会があったら、お伝えしてワクチン接種については、ぜひ進めていきたいというふうに思います。
記者:打っても感染自体を妨げるものではなくて、重症化とかを緩和するというような効果ということですけれどそういう認識でいいですか。
知事:両方ですよね。両方だと思います。
記者:先ほど質問でもう1点ちょっと追加なんですけれども、アートの話でましたけれども、県庁の東館のこと御存知だと思うんですけれども、船の体育館は御存知でしょうか。
知事:はい。知っています。
記者:あれはどのように知事は。
知事:今どういう活用があるのか、いろいろ意見を求めているというふうに聞いております。いい活用があればですね、活用するというようなことは考えたらいいと思うのですけれども、そういった今お聞きしている状況を踏まえて、判断していくしかないのかなというふうに思っております。
記者:まだ残して活用するのか、それとも残さないのかという決断もまだできないということですね。
知事:そうですね。今のところは未定ですけれども、やはり活用するということが前提だと思いますので、そういったものが出てくるのかどうかよく見極めたいと思います。
以上
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