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12月22日(日)、五色台ビジターセンタークラフトハウス及び周辺の森林にて、「焚火から学ぶ里海づくり講座」を開催し、17名が受講しました。
はじめに、五色台の概要について藤重氏よりお話がありました。五色台には名前の通り五色の名前が付いた5つの峰(白峰・黒峰・赤嶺・青峰・黄ノ峰)があり、季節ごとに違った自然景観を楽しめるそうです。また、白峰寺の麓に鎮座する神谷神社は812年に創建され、日本神話に登場する火結命(ほむすびのみこと)を祀っているそうで、五色台の歴史についても学びました。次に、山田氏より「森と海のつながり、森のはたらき」についてミニ講義がありました。森・川・海は水の循環を通してひとつに繋がっており、森の大地がきれいで栄養分のある水をつくり、豊かな海を育む役割をしている。また、森の土が水を蓄え、ダムのような働きをすることから森は「緑のダム」と呼ばれていると説明がありました。座学の最後は戸井氏による実物の薪を用いた樹種に関するクイズや、広葉樹と針葉樹の燃え方の違いなど、薪に関する豆知識の紹介がありました。
次に、クラフトハウス周辺の森林を散策しました。12月の森は少しひんやりとして、道は落ち葉で覆われており、静まり返った冬の森林散策は貴重な経験となりました。受講者たちは五色台に自生する植物の説明や、焚火に適した落ち葉と枝木の説明を聞きながら焚火に使用する薪を集めました。
森林散策を終え、クラフトハウスに戻ると講師より火起こしについて説明がありました。今回は古くから伝わる“まいぎり式火おこし”を体験しました。火きり弓をくるくると回して、棒軸に紐を巻き付け、あとは両手で火きり弓を上下に動かし、摩擦熱を発生させます。しばらくするともくもくと白い煙が出始めて、削った粉の中の小さな火種を麻ひもをほぐしたものに落として息を吹きかけて空気を送ると着火します。白い煙が出た後、着火する過程がとても難しく、受講者からは「思っていたよりも難しい」「昔の人の苦労を体験できた」と火起こし体験についての感想がありました。
その後、散策で集めた薪を使い、マシュマロとみかんを焼いてみんなで試食しました。受講者からは、「マシュマロがとけておいしい」「初めてあたたかいみかんを食べた」等の感想がありました。講座の最後に講師より、「森は季節ごとに異なる表情を見せる。木には癒しの力があるのでいつでも気軽に森林散策を楽しんでほしい」とお話があり、「里山」での活動と「里海」づくりのつながりについて座学とフィールドワークを通じて学び、大変有意義な講座となりました。
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