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6月8日(土)、交流の里おうごしにて「アマモ場での観察講座」を坂出市との共催で開催しました。本講座は、豊かな海を育むアマモ場での観察を通して生物の多様性や里海への関心を深めることを目的とし、大人と子ども合わせて25名の方に参加いただきました。講座の開催に際し、坂出市の有福哲二市長よりご挨拶をいただきました。続いて、末永先生の研究対象である“藻場”についてお話がありました。
〈講義〉豊かな海を育むアマモ場
はじめに、アマモなどの「海草」、ガラモなどの「海藻」が繁殖している“藻場”についての説明がありました。藻場は「水質の浄化」「生物多様性の維持」「海岸線の保全」「ブルーカーボン」など様々な機能や役割を担っていますが、瀬戸内海でも海砂の採取などで藻場面積が年々減少しており、それに伴い漁獲量も減少しているそうです。さらに、海藻や海草を魚やウニが食べてしまい、磯焼けが進んでいるという結果に受講者たちもびっくりした様子でした。
そして、失われた藻場を再生するために末永先生が開発した人工漁礁の説明がありました。コンクリート製の人工漁礁の上部には着脱可能な藻場造成基盤があり、下部は消波装置の役割を兼ね備え、特許を取得しているそうです。また、開発した人工漁礁を沈めた海底の様子を撮影した映像からは、人工漁礁に海草がびっしりと付着し、魚が集まっている様子が確認できました。受講者たちはアマモ場の重要性を座学で学んだ後、アマモが生息する海岸へ移動しました。
〈生き物観察〉アマモ場に棲む生き物を観察しました
講座の後半は、“かがわ里海ガイド”の谷さんと幸池さんの案内でアマモ場を観察しました。はじめに、正しいライフジャケットの身に着け方と観察の際の注意事項を聞き、グループに分かれて潮が引いた海岸を観察しました。アマモの種は平べったい葉の一部が膨らみ、その中にできると説明がありました。実際に見てみると、アマモの種は稲みたいな形をしており、アマモの種を見つけた受講者からは歓声が上がっていました。そして、講師よりアマモ場に棲む生き物を採取する際には「アマモの根元を網でガサガサ動かすと取りやすい」とアドバイスがあり、受講者たちは網を上手に使ってたくさんの生き物を採取していました。
〈振り返り〉つかまえた生き物をみんなで観察しました
採取した生き物を1か所に集め、講師による解説を聞きながらみんなで観察しました。アマモ場は“海のゆりかご”と呼ばれているそうで、ヨウジウオ、イシガニ、テッポウエビ、ハゼ、フグやイカの赤ちゃんや、砂をきれいにする働きがあるゴカイの生活の痕跡をアマモ場で見つけることが出来ました。採取した生き物は観察後に海に返しました。最後に、グループで感想を話し合い、代表者が発表しました。「アマモがたくさんの生き物のすみかになっていることが分かった」「アマモ場の重要性を座学とフィールドワークを通じて実感した」という感想がありました。
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