宇高航路等への国の支援を求める意見書
瀬戸内海に面した地域で暮らす住民にとっては、航路は生活上なくてはならない大切な交通手段であり、本州と四国双方で事業活動を展開する企業にとっても必要不可欠な物流ルートとなっている。また、本州と四国、四国本土と島しょ部を結ぶ交通手段を確保していくことは、災害に強い国土づくりの観点からも重要である。
しかしながら、これまでの高速道路の大幅な料金引下げや全国共通料金化等、高速交通体系の急激な変化により、本州・四国間の航路の輸送量は大きく減少し、航路事業者の撤退等が懸念されている。
また、島しょ部においては、高速道路料金施策の恩恵を享受しておらず、航路の運賃に対し、割高感が増幅され、自家用車を利用した観光入込客数減少や輸送コスト増大等、地域活性化への影響も懸念されている。
よって、国におかれては、下記の事項について、格段の措置を講じるよう強く要望する。
記
- 宇高航路への支援
宇高航路については、国と地元自治体である岡山県、香川県、玉野市、高松市で構成する「宇野高松間地域交通連絡協議会」において、航路存続に向けた協議を重ねてきた。現行の国の支援制度は離島航路に限定され、宇高航路の存続に向け有効に活用できる内容にはなっていないことから、地元自治体では、今年度、緊急的な措置として、宇高航路の航行の安全確保を目的に、運航経費の一部(船舶修繕費)を支援することを決定し、2県2市がそれぞれ750万円ずつ、合計3,000万円を負担することとした。しかし、航路の存続に向けては、地元自治体による財政支援だけでは、根本的な解決にならないことから、国においても、宇高航路の存続に向けた効果的な支援制度を創設すること。
- 本四間航路への支援
宇高航路に限らず、本州と四国を結ぶ航路については、他の地域では一般国道が受け持っている機能を担っており、一般国道としての最低限の機能確保や、大規模災害発生時の代替輸送手段の確保の観点から、船舶建造費に対する支援制度を創設すること。
- 小豆島航路等への支援
小豆島航路等のフェリー等の船舶は燃油価格の高騰による影響を受けやすい特性があることから、急速な円安による燃油高騰時助成制度をはじめ、運賃の割高感軽減のための船舶建造費負担等、高速道路等の諸施策との均衡を図る制度を創設すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月15日
香川県議会