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「マイクロアグレッション」は、日常生活の中で、人種、ジェンダー、性的指向などのマイノリティ(少数派を表す言葉)に向けられる無意識の差別的な言葉や行動を指す考え方です。
発言者は善意で発したものかもしれません。
しかし、日々の生活の中で繰り返される些細な表現が否定的なメッセージとなり、受け取る側を傷つけることがあるといわれています。
ポスター等では、なにげない一言で、傷つく人がいることを例示し、多様性を受け入れ、理解するのは簡単なことではありませんが、こんな風に感じる人もいるということを、県民の皆様にまず知ってもらい、他者への配慮や気づきについて考えていただくきっかけとなるよう制作したものです。
ポスター等でお示ししている4つの事例のシーン説明です。
【女性の場合】
シーン1の女性の場合では、「家事しながら、社長なんてほんとすごいよ!」とのほめ言葉に、「女性なのに社長なんて」、「家事するのは当たり前」という思い込みがあるかもしれないことを表現しました。
【外国人の場合】
シーン2の外国人の場合では、「上手におはしでうどん食べるのね~!」との言葉に、ほめられていると感じつつも、長い間日本に住んでいておはしを使うのは日常のことなのに、見た目が外国人だからかと疎外感を感じる人がいるかもしれないことを表現しました。
【LGBTの場合】
シーン3のLGBTの場合では、「男女どっちの気持ちも分かるんじゃないん?」との言葉はどうでしょう。自身の性自認に関して困難を抱える当事者を当惑させることを表現しました。
【障害者の場合】
シーン4の障害者の場合では、「お一人で遠いところすみません!大変だったでしょう?」とねぎらいの言葉を多くの人がうれしく感じる一方で、一人で自立して移動している人にとっては、繰り返し言われることで違和感を覚えることがあるかもしれないことを表現しました。
今回の啓発を御覧になった方々から、賛成、反対両方の立場からさまざまな御意見をいただいています。
多くの皆様が、今回の啓発と接し、思いを巡らせ、考えたところを県へお伝えいただいたことに、まず感謝するとともに、皆様からいただいた御意見を参考に、説明が十分でなかった点について補足して説明したいと思います。
かけられた言葉をどのように受け止めるかは、当然ながら人によってさまざまです。好意的に受け止める人も多いと思います。これらの事例をもって、全ての人が、このような受け止め方をするとお伝えしているわけではありません。
また、これらの事例では、こういった言葉がけを全て否定しているわけではなく、ねぎらいの言葉の中にも思い込みがあることを一例としてお示しし、他者への配慮等について考えていただくきっかけにしていただくものです。人々が声をかけあい、お互いを理解することを否定する意図はありません。ちょっとした気づきで、人はもっとお互いを認め合えるのではないでしょうか。
今回の4つの事例以外でも、該当するようなケースは起こり得ます。今回の事例は、あくまでも一例としてお示ししたもので、決して、女性、外国人、LGBT、障害者以外を軽視しているわけではありません。
今回の啓発をきっかけに、より多くの皆様に、多様性、他者への配慮や気づかい、そして人権のことをお考えいただければ幸いです。
「誰か」のこと じゃない。~みんなで築こう 人権の世紀~
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