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「籃胎蒟醬」の実習は、2年生は毎週水曜日に4時間、3年生は火・水曜日合わせて7時間、通年で実施しています。指導員は漆芸作家で重要無形文化財蒟醤保持者(人間国宝)の大谷早人先生です。籃胎とは、竹を裂き表皮を取り除いて任意の幅のヒゴを作り、これを編んで作った素地のことを指します。漆器の素地には木や紙、皮革などいろいろなものが使われますが、中でも竹は軽くて弾力に富み、温度や湿度による変化が少ないといった特長があります。
籃胎蒟醬実習では、漆器の素地となる籃胎を作成し、これに下地をつけその上に漆を塗って加飾した盛器などをひとり1作品仕上げ、3月の修了展に出品します。
素地の製図やカンナで削る木型づくりなど、全ての工程がひとりでできるように指導します。
真竹をゆでて油抜きをし、水分をしっかり拭いてから乾燥させます。
竹を裂きながら、ヒゴ作りの説明をする大谷先生。
成形に用いる木型を作ります。研究所では、合板を貼り合わせたものを木型に使います。鋸や鉋で削り、形づくります。
ヒゴの幅を揃える道具に1本ずつ通していきます。完成品の大きさなどを考慮して、幅を考えます。
こちらはヒゴの厚みを揃える道具。研究所は、漆器制作用の専門的な道具をいろいろそろえています。
ヒゴを編みます。この後、木型(凸)と石膏型(凹)にはさんでプレスし、立体的に成形します。出来たものを素地とします。
網目を固定させ強度を付けるため、数々の下地や塗り工程があります。
盛器が完成しました。気候による狂いが少なく、軽くて丈夫、長く使えます。
経年と共に網目模様が美しく現れてきます。
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