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研究所で学んだことを振り返っての研究生の感想の一部です。(令和6年3月)
最初は自分の道具作りから始まり、道具をきちんと作ることの大切さを学びました。道具が揃ってくると下地工程や塗りなどの基本を学び、下地を正確に作ることの大切さ、塗りを均一にするための塗り方を知ることができました。加飾ではそれぞれの技法で違った楽しさがあり、毎日楽しみながらいろいろなことを学び、あっという間の1年でした。
私は社会人を経て未経験で入所しました。先生方は親切でとても熱心にご指導くださり、整った設備・環境で、はじめての私でも安心してこの一年学ぶことができました。学びが多い分慌しい日々で苦労もありますが、意志さえあれば大人になってからでも道を選択し直すことができるのだと新鮮な気持ちです。
2年生から三技法を自分でデザインに落とし込んで作品を作るという事で、やりたい事、描きたい事がたくさんあったのですが、いざこのデザインをこの技法で作るとなると、多くの壁にぶち当たり、香川漆芸の難しさと奥深さを知る一年となりました。同時に次はもっと上手くやりたいと強く思う様になりました。3年生の課題につなげていきたいです。
2年生では三技法を用いて作品を制作するのが大変でした。自分が表現したいイメージが作品になった時、どうすれば面白く見えるのか、と考えるのが難しかったです。また三技法以外にも日本画・木工・造形の授業があり、それぞれで多くの学びを得ることができました。この一年間は目まぐるしくも充実したものになりました。
研究所に入って初めて漆を学び、想像していた以上の工程の多さ、仕事の丁寧さを目の当たりにし、先生方に助けられながら作品作りに励みました。特に伝統工芸品ならではの使う相手のことを考えた作品づくりというものは研究所で学んでいて一番大切にすべきことだと感じました。先生方の姿勢を見習い、今後も作品を作っていきます。
目の前の様々な漆や道具、材料を使って何が出来るかを、先生方のご指導の下、贅沢な環境の中で試行錯誤させていただけたと思います。修了後の1年は「自分には何が出来て、出来ないのか」をまず探ってゆきます。「手を動かしなさい。試してみなさい。やってみれば分かるよ。」先生方のお言葉を大事に、今後も制作活動に邁進してゆきます。
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