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(原文縦書き)
平成8年3月26日
香川県条例第2号
改正 平成一二年三月二七日条例第三五号
平成一七年三月二九日条例第一六号
目次
前文
第一章 総則(第一条―第五条のニ)
第二章 福祉のまちづくりに関する施策(第六条―第八条)
第三章 公共的施設等の整備等
第一節 公共的施設の整備等(第九条―第十九条)
第二節 公共輸送車両等の整備等(第二十条・第二十一条)
第三節 国等に関する特例(第二十二条)
第四章 雑則(第二十三条)
附則
私たちのふるさと香川では、古来、隣人相互が深く慈しみ合い、また、この地を訪れる人々を温かくもてなすなど、人間一人一人をかけがえのない尊いものとして大切にする心が培われてきた。
私たちは、この良き伝統を受け継ぎ、障害者、高齢者をはじめすべての人が、個人として尊重され、主体性及び自立性を保ちながら積極的に社会に参加することができ、また、住み慣れた地域の中で、ふれあい、共感しながら、生きがいを持って生活することができる社会の実現を希求するものである。
こうした社会を実現するためには、障害者、高齢者等が施設、交通機関等をより円滑かつ安全に利用できるようにするなど、その行動を制約する様々な障壁を取り除くことが必要であり、私たち一人一人がその責務を自覚し、連帯して、あらゆる分野において障害者、高齢者等への配慮を当然に行う福祉のまちづくりを進めていかなければならない。
ここに、私たち県民は、ふるさと香川にはぐくまれた温かい心を生かし、共に力を合わせ、不断の努力を傾けて福祉のまちづくりに取り組むことを決意し、この条例を制定する。
第一章 総則
(定義)
第一条 この条例において「障害者、高齢者等」とは、障害者、高齢者、乳幼児を連れた者その他の者で日常生活又は社会生活において行動上の制限を受けるものをいう。
2 この条例において「公共的施設」とは、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、公共交通機関の施設、道路、公園その他の多数の者の利用に供する施設で規則で定めるものをいう。
3 この条例において「公共輸送車両等」とは、一般旅客の輸送の用に供する鉄道の車両、自動車、船舶等で規則で定めるものをいう。
(県の責務)
第二条 県は、福祉のまちづくりに関する総合的な施策を策定し、及び実施するものとする。
(市町の役割)
第三条 市町は、その区域の状況に応じた福祉のまちづくりに関する施策を策定し、及び実施する。
(事業者の役割)
第四条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、福祉のまちづくりに資するよう努める。
(県民の役割)
第五条 県民は、福祉のまちづくりについて理解を深めるよう努めるものとする。
2 県民は、障害者、高齢者等が施設、交通機関等を円滑かつ安全に利用することを妨げないよう努めなければならない。
(協力)
第五条の二 県、市町、事業者及び県民は、福祉のまちづくりを推進するため、適切な役割分担の下に、相互に協力するよう努めるものとする。
第二章 福祉のまちづくりに関する施策
第六条 県は、福祉のまちづくりに関する施策を策定し、及び実施するに当たっては、次に掲げる基本方針に基づき行うものとする。
一 啓発活動、情報提供活動及び教育活動を推進することにより、福祉のまちづくりに積極的に取り組む意識の高揚及び定着を図ること。
二 障害者、高齢者等が円滑かつ安全に利用できるよう配慮した公共的施設及び公共輸送車両等の整備を進めること。
(推進体制の整備)
第七条 県は、市町、事業者及び県民と連携して福祉のまちづくりを推進するために必要な体制を整備するものとする。
(財政上の措置)
第八条 県は、福祉のまちづくりに関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
第三章 公共的施設等の整備等
第一節 公共的施設の整備等
(整備基準)
第九条 知事は、公共的施設を障害者、高齢者等が円滑かつ安全に利用できるものとするために必要な構造及び設備に関する基準(以下「整備基準」という。)を定めるものとする。
2 整備基準は、駐車場、敷地内の通路、出入口、廊下、階段、昇降機、便所その他知事が必要と認めるものについて、規則で定める。
(整備基準への適合)
第十条 公共的施設の新築、新設、増築、改築、移転、用途の変更(用途の変更をして公共的施設とする場合を含む。)、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十四号に規定する大規模の修繕又は同条第十五号に規定する大規模の模様替をしようとする者及び公共的施設を所有し、又は管理する者(以下「施設所有者等」という。)は、当該公共的施設を整備基準に適合させるよう努めなければならない。
(適合証の交付)
第十一条 施設所有者等は、知事に対し、公共的施設が整備基準に適合していることを証する証票(以下「適合証」という。)の交付を請求することができる。
2 知事は、前項の規定による請求があった場合において、当該公共的施設が整備基準に適合していると認めるときは、当該施設所有者等に対し、適合証を交付するものとする。
(特定施設の新築等の届出)
第十二条 公共的施設のうち規則で定めるもの(以下「特定施設」という。)の新築、新設、増築、改築、移転、用途の変更(用途の変更をして特定施設とする場合を含む。)、建築基準法第二条第十四号に規定する大規模の修繕又は同条第十五号に規定する大規模の模様替(以下「新築等」という。)をしようとする者(以下「特定施設整備主」という。)は、当該工事に着手する前に、当該特定施設の新築等の内容を知事に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事項の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その内容を知事に届け出なければならない。
(特定施設整備主に対する指導及び助言)
第十三条 知事は、前条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る特定施設が整備基準に適合しないと認めるときは、当該特定施設整備主に対し、整備基準に基づき、必要な指導及び助言をすることができる。
(工事完了の届出)
第十四条 特定施設整備主は、特定施設の新築等の工事が完了したときは、速やかに、その旨を知事に届け出なければならない。
(適合状況の報告及び改善計画書の提出)
第十五条 知事は、必要があると認めるときは、特定施設を所有し、又は管理する者(以下「特定施設所有者等」という。)に対し、当該特定施設の整備基準への適合状況について報告を求めることができる。
2 知事は、前項の規定による報告があった場合において、必要があると認めるときは、特定施設所有者等に対し、当該特定施設を整備基準に適合させるための計画を記載した書面(以下「改善計画書」という。)の提出を求めることができる。
(特定施設所有者等に対する指導及び助言)
第十六条 知事は、前条第一項の規定による報告又は同条第二項の規定による改善計画書の提出があったときは、当該特定施設所有者等に対し、整備基準に基づき、必要な指導及び助言をすることができる。
(勧告)
第十七条 知事は、特定施設整備主が第十二条の規定による届出を行わずに特定施設の新築等の工事に着手したとき、又は特定施設整備主が行う特定施設の新築等の内容が正当な理由なく整備基準に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該特定施設整備主に対し、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
2 知事は、特定施設所有者等が、正当な理由なく、第十五条第一項の規定による報告を行わないとき、同条第二項の規定による改善計画書の提出を行わないとき、又は改善計画書に基づいた整備基準に適合させるための措置を行わないときは、当該特定施設所有者等に対し、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
(既存の特定施設等に関する特例)
第十七条の二 第十二条第一項の規定による特定施設を定める規則の規定の適用の際現に当該特定施設の新築等の工事に着手している者は、当該特定施設については、特定施設所有者等とみなす。
2 第十二条第一項の規定による特定施設を定める規則の規定の適用の際現に存する当該特定施設を所有し、又は管理する者及び前項の規定により特定施設所有者等とみなされた者については、前条第二項の規定は適用しない。ただし、当該者が第十二条第一項の規定による特定施設を定める規則の規定の適用後に当該特定施設の新築等(新築及び新設を除く。)を行った場合は、この限りでない。
(公表)
第十八条 知事は、第十七条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わなかったときは、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。
2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、第十七条の規定による勧告を受けた者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。
(適合状況等の聴取及び立入調査)
第十九条 知事は、この節の規定の施行に必要な限度において、特定施設整備主又は特定施設所有者等に対し、整備基準への適合状況その他必要な事項について聴取し、又はその職員に、特定施設若しくは特定施設の工事現場に立ち入り、整備基準への適合状況を調査させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第二節 公共輸送車両等の整備等
(整備等)
第二十条 公共輸送車両等を所有し、又は管理する者(以下「公共輸送車両等所有者等」という。)は、当該公共輸送車両等について、障害者、高齢者等が円滑かつ安全に利用できるようにするため、整備その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(報告の徴収等)
第二十一条 知事は、必要があると認めるときは、公共輸送車両等所有者等に対し、当該公共輸送車両等の前条の規定に基づく措置の状況について報告を求めることができる。
2 知事は、前項の規定による報告があったときは、当該公共輸送車両等所有者等に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。
第三節 国等に関する特例
(国等に関する特例)
第二十二条 国、市町その他規則で定める者(以下「国等」という。)及び県については、第十二条から第十九条まで及び前条の規定は、適用しない。
2 国等は、特定施設の新築等をしようとするときは、当該工事に着手する前に、当該特定施設の新築等の内容を知事に通知しなければならない。
3 知事は、必要があると認めるときは、国等に対し、その所有し、若しくは管理する特定施設の整備基準への適合状況又はその所有し、若しくは管理する公共輸送車両等の第二十条の規定に基づく措置の状況について報告を求めることができる。
4 知事は、第二項の規定による通知又は前項の規定による報告があったときは、当該国等に対し、必要な措置をとるよう要請することができる。
第四章 雑則
(委任)
附則
1 この条例は、平成八年四月一日から施行する。ただし、第三章の規定は、平成九年四月一日から施行する。
2 第三章の規定の施行の際現に特定施設の新築等の工事に着手している者は、当該特定施設については、特定施設所有者等とみなす。
3 第三章の規定の施行の際現に存する特定施設を所有し、又は管理する者及び前項の規定により特定施設所有者等とみなされた者については、第十七条第二項の規定は適用しない。ただし、当該者が同章の規定の施行後に当該特定施設の新築等(新築及び新設を除く。)を行った場合は、この限りでない。
附則
この条例は、平成十二年四月一日から施行する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。(香川県規則第七十一号により香川県福祉のまちづくり条例(平成十七年香川県条例第十六号)の施行期日は、平成一七年十一月一日とする。)
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に改正後の第十二条第一項に規定する特定施設の用途の変更の工事に着手している者は、当該特定施設については、香川県福祉のまちづくり条例第十五条第一項に規定する特定施設所有者等とみなす。
3 前項の規定により香川県福祉のまちづくり条例第十五条第一項に規定する特定施設所有者等とみなされた者については、同条例第十七条第二項の規定は適用しない。ただし、当該者がこの条例の施行後に当該特定施設の改正後の第十二条第一項に規定する新築等(新築及び新設を除く。)を行った場合は、この限りでない。
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