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公開日:2020年12月10日

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理学療法士・六車康二

理学療法士 六車康二1

理学療法士

六車康二 高松協同病院

リハビリを通じて、患者さんの自宅復帰を支援しています。できることが増える喜びを共有できるのが一番の魅力です。

理学療法士とは

病院やリハビリテーション施設などで運動療法や物理療法を用いて、身体に障害のある人の全身・手足の動作能力や歩行など日常生活動作の回復・改善を支援する。福祉用具の選定・調整や住環境調整も行っている。

リハビリに興味を持ち理学療法士へ

中学生の時に医療・福祉系の仕事につきたいと思い本を調べたのが進路を選ぶ最初のきっかけです。妹がリハビリを受けていたことがあり、理学療法士の解説を読んで「これだ!」と思いました。それから医療系の進路を希望するようになり、高校卒業後に専門学校に入り資格を取りました。
近年の医療は高度化・専門化しており、手術などの「急性期」治療が終わって状態が安定すると、次に「回復期」として機能回復を専門に行う医療機関が患者さんのリハビリを行うという役割分担が行われています。急性期の手術直後にも理学療法士によるリハビリがありますが、私は「患者さんにより長く関わりたい」と考えて回復期リハビリ病棟での仕事を志望しました。

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的確なトレーニングを提案

障害にはケガ、脳梗塞などの中枢神経疾患、脳損傷、脳腫瘍、脳炎など、さまざまな要因があります。そのため、「何が原因で、どこに障害が出ているのか?」「自宅に帰るためにはどんな能力が必要になるか?」ということを理解しながらリハビリを進めることが大切です。入院期間は疾患によって決まっているので、医師、看護・介護スタッフ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカーがチーム体制で患者さんをサポートし、限られた期間の中でできる限りの回復をお手伝いしています。
入院中は体力も低下するので、トレーニングによる体力づくりも欠かせません。リハビリでは経験したことのない動きや苦しい思いをすることになりますから、少しでも楽に、楽しく身体を動かす方法や工夫を提案するのも理学療法士の腕の見せどころです。

回復の実感と喜び

最初は「車いすでしか移動できず、右手が麻痺して左手で食べなければいけない。2人がかりでの介助が必要」という方がリハビリの中で少しずつ動けるようになり、できなかったことができるようになったと実感する。そんな姿を見られるのは、理学療法士の醍醐味だと思います。
すべて完全に治るということはありませんから、障害とは長いつき合いになります。しかし、希望に添う形で退院をサポートできた時の患者さんの「ありがとう」は、私たちにとってやりがいとさらなる向上への原動力になっています。
理学療法士になるまでは資格を取ったら良いものだと思っていましたが、働いているうちにどんな患者さんからも「あの人にリハビリをしてほしい」「あの人のリハビリは良かった」と思われる理学療法士になりたいという目標を抱くようになり、スキルアップのため休みの日には院外研修や実技練習会などに出かけるようになりました。月1回程度、県外の研修にも出かけています。

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理学療法士を志望する人へ

高次脳機能障害からのリハビリに取り組む患者さんの中には、意思疎通が難しい方もいらっしゃいます。慣れてくると気持ちが通じてくるのですが、それまでは患者さんは思いを伝えられないいらだちを感じ、私たちはリハビリが思うように進まず悩んだりすることもあります。だからこそ大切にしたいのが「コミュニケーション」です。人と話すことが好きな人や、相手の気持ちになって考えることができる人は理学療法士に向いていると思いますから、ぜひこの仕事について調べてみてください。理学療法士は患者さんの生活の一部となって、障害のある方の人生の間をつなぐ仕事です。大変なこともありますが、患者さんとともに、できないことができるようになる喜びを共有できる、魅力がある仕事だと思います。

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