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本県における地球温暖化の影響を整理したところ、自然災害や農作物の品質低下、熱中症の増加などさまざまな分野において影響が確認されており、それらの影響に対して、個別に適応策に取り組んでいます。
・「おいでまい」の育成
西日本のお米は、近年の温暖化による夏の暑さで玄米が白く濁るなど、品質の低下が問題になっています。この難問を解決するため、香川県はおいしくて、夏の暑さにも負けない品種の開発に取り組みました。そして、2002年に香川県農業試験場で交配し、その後数々の試験を突破して2010年に県の奨励品種に採用されたのが「おいでまい」です。2013年から本格的に栽培が始まっています。
・「さぬきのめざめ2021」の育成「豊穣61号」23~24ページをご覧ください。
「さぬきのめざめ2021」は、平成20年に農業試験場において交配を行い、春の萌芽が早く夏季高温期において萌芽勢が落ちない系統のうち、特に品質及び収量の優れる系統を選抜したものです。
現在、農業試験場が普及に向け県内11ヵ所において現地適応性試験を行っています。
・「NNハウス」の開発「豊穣59号」9~12ページをご覧ください。
農業試験場は、農研機構西日本農業研究センターとの共同研究により、建設足場資材を用いた片屋根新型ハウス「NNハウス」を開発しました。パイプハウスと比べ設置費用は同等であるものの、耐風性に優れ、高温時のハウス内気温の上昇を抑えられ、アスパラガス高畝栽培において秀品率が高まります。現在、アスパラガス以外の作物での試験研究を進めています。
・気候変動が豚の繁殖及び子豚の発育に及ぼす影響調査
・夏期における気候変動が鶏の産卵に及ぼす影響調査
・乳用牛における散水装置を用いた暑熱対策の検討
・カーフハッチ飼育子牛への暑熱対策実施による影響について
・暑熱時におけるホルスタイン種泌乳牛の頸冷却が生理および生産性に与える影響
・気候変動による暑熱・健康等への影響に関する研究
・気候変動による暑熱・健康等への影響に関する研究(第2報)
・水稲
県オリジナル品種「おいでまい」に続き、主要な病害である「いもち病」に対する抵抗性を付与した、高温登熟性と耐病性に優れた新たな良食味米品種を開発します。
・イチゴ
高温下でも花芽分化し、早期出荷が可能となる早生性の特性を有し、かつ、病害発生リスクが低く省力的な苗生産が可能となる種子繁殖型品種を開発します。
・ニンニク
気温、地温上昇に伴うスポンジ球や病害虫の発生等に対応するため、総合的な栽培・病害虫防除対策に関する技術開発や系統選抜に取り組んでいます。
・カンキツ
高温・多雨下においても糖度が高く、果皮障害の発生が少ない品種など、温暖化の影響を受けにくく、付加価値の高い品種の開発を進めます。
詳しくは「香川県農業試験場試験研究推進構想」をご覧ください。
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