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情報化社会の進展に伴い、インターネットによる人権侵害が大きな問題になっています。
発信者の匿名性や情報発信の技術的・心理的な容易性から、他人を誹謗中傷したり、差別を助長する表現等の個人や集団にとって有害な情報が、無秩序に掲載されている事例が多く見られます。
インターネットは、現代社会に広く普及していますが、その利用にあたっては、情報化の進展が社会にもたらす影響について知り、情報の収集・発信における個人の責任や情報モラルについて理解し、節度ある利用をすることが大切です。
インターネットは確かに便利ですが、その価値を決めるのはあなたの人権意識です。
我が国のインターネット利用者(人口普及率)は、総務省発表の「令和3年通信利用動向調査」によれば、2021(令和3)年8月末時点で、82.9%となっています。インターネット利用者の増加に伴って、インターネット上での人権に関する問題が多く発生しています。
国では、2001(平成13)年11月に、プロバイダが悪質な情報を削除することなどを認めた「プロバイダ責任制限法」を制定し、2002(平成14)年5月には、「プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会」が、この法律に関するガイドラインを公表しています。
利用者一人ひとりが、人権の視点に立った利用を心がけることで、インターネットを取り巻く環境がより便利で快適になり、明るい未来につながるのではないでしょうか。
この法律は、特定電気通信による情報の流通により、権利の侵害があった場合について、プロバイダ、サーバーの管理・運営者等の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利について定めています。
プロバイダ責任制限法について詳しくはこちら(総務省HP)(外部サイトへリンク)
インターネット上の誹謗中傷等による権利侵害についてより円滑に被害者救済を図るため、令和3年4月、プロバイダ責任制限法が改正されました。(令和4年10月1日施行)詳しくはこちら(PDF:226KB)
書き込みの内容によっては、「名誉棄損罪」「侮辱罪」「脅迫罪」などが成立するおそれがあります。
令和4年6月13日、「刑法等の一部を改正する法律」が成立し、「侮辱罪」の法定刑が、「拘留又は科料」から、「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に引き上げられました(同年7月7日から施行)。
この法定刑の引上げは、インターネット上の誹謗中傷が特に社会問題となっていることが契機となったものです。
侮辱罪について、厳正に対処すべきとの法的評価を示し、これを抑止するとともに、悪質な侮辱行為に厳正に対処するため、法定刑を引き上げるものです。
投稿や拡散をする前に、相手の気持ち、そして、あなたが失うかもしれないものを、よく考えましょう。
侮辱罪の法定刑の引き上げについて詳しくはこちら(法務省HP)(外部サイトへリンク)
これまで取り上げた課題のほかにも、以下のような人権に関する課題があります。
アイヌの人々は、北海道に先住していた民族であり、アイヌ語を始めとする独自の文化や伝統を有しています。アイヌの人々の経済状況や生活環境、教育水準等は着実に向上してきてはいるものの、アイヌの人々が居住する地域において、他の人々となお格差があることが認められているほか、結婚や就職等における偏見や差別の問題があります。
刑を終えて出所した人に対しては、本人に真摯な更生意欲があっても、人々の意識の中に根強い偏見や差別意識があり、就職に際しての差別や住居等の確保の困難など、社会復帰を目指す人たちにとって現実は厳しい状況にあります。
人の恋愛・性愛が同性に向かう同性愛者や男女両方に向かう両性愛者に対しては、いまだ偏見や差別が起きているのが現状です。
また、生物学的な性(からだの性)と性の自己認識(こころの性)が一致せず、社会生活に支障がある性同一性障害者は、周囲の心ない好奇の目にさらされたり、不当な差別を受けている場合があります。
北朝鮮当局による拉致は、国民に対する人権侵害であり、生命と安全に関わる重大な問題です。
詳しくは下記をご覧ください。
自立の意思がありながら、やむを得ない事情で公園、河川、道路、駅舎その他の施設で日常生活することを余儀なくされた人が存在し、健康で文化的な生活を送ることができないでいるとともに、嫌がらせや暴行を受けるなどの人権問題が起こっています。
性的搾取、強制労働等を目的とした人身取引(トラフィッキング)は、重大な犯罪であるとともに、基本的人権を侵害する問題です。
原子力発電所事故による放射性物質の外部放出に伴い、周辺住民が避難先において風評に基づく差別的取扱いを受けるなどの事態が発生しています。
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