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「祖父を救ったヒーロー」
さぬき市立長尾中学校3年女子
みなさんは「税金」と聞くと何を思い浮かべるだろうか。消費税や関税、酒税やたばこ税はよく耳にするだろう。また、教科書の無償化や、道路や河川の修繕ということを思い浮かべた人もいるのではないだろうか。納税の大切さは十分理解しているつもりだったが、はっきりと説明できない自分もいた。
しかし、『日本では、今この瞬間も「納税」が「人の命」を助けている!』と感じたのは、今年の夏の暑い日に、祖父を救ってくれた出来事からだ。
私の祖父は認知症で、毎日決まったルートを決まった時間をかけて散歩をする。
地区総体翌日の、とても暑い日曜日の朝の出来事だった。私は前日の疲れで、午前中はゆっくりしようと思っていた。しかし両親と祖母の普段耳にしない声が聞こえ、嫌な予感が当たってしまった。いつもなら決まった時間に帰ってくるはずの祖父が帰って来なかったからだ。そこで父と祖母は車で、母は自転車で祖父の散歩コースを探したが、見つからなかった。そのため、警察に相談すると、警察の方も一緒に探してくれることになった。
祖父の写真をもとに、家の周りや散歩コースを歩いて探してくれる方と、少し遠方をパトカーで探してくれる方が家から出発した。
しかし、時間が経っても見つからなかったので、警察の方の人数が増え、警察犬も導入されたが長時間見つからない。そこで警察犬の二匹目が導入された。
正午を過ぎても見つからず、地元の数十人の消防団の方々が暑い中駆けつけてくれ協力してくれることになった。外にいるだけでもくらくらしそうな中で、夕方、消防団の人が祖父を見つけてくれた。祖父は散歩コースの草がたくさん生えた深い川に落ちていて、出ることができなくなっていたらしい。その後、救急車が病院に運んでくれた。
私たち家族は、暑さで祖父の体力が持たないだろうと、命があることを半分諦めていた。
暑い中、ずっと探してくれた警察と消防団の皆さんがいたから祖父を見つけることができたのである。人の団結力と優しさを身に染みて感じた。この長かった一日の中で税金があったからこそ祖父の命は助かったのだ。
これまでは気にもしていなかった税金が、警察や救急隊の方のお給料や消防団の活動費に支払われていることをこの一日で身を持って実感し、税金のおかげで私の祖父のように助けられたたくさんの命があるのだと感じた。人の命を助け、より過ごしやすく安全な社会を作るために税金が使われているということを実感した。消費税、市民税、固定資産税、自動車税などを納めることで、私たちが安全に生活できることにつながり、私たちの命は税金によって助けられている。
これからも私たちは税金を納め続ける。なぜなら、「私たちが納める税金」は「私たちの命を助けてくれるヒーロー」だから。
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