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公開日:2020年12月10日

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ため池の構造

堤体

ため池の改修の堤体改修型式には、堤体の全断面で遮水する均一型、土質材料が遮水性材料と透水性材料によるゾーン型、表面遮水型(シート)、グラウト型があります。

本県では、現況の堤体を効率的に利用する傾斜遮水ゾーン型が一般的に用いられています。

傾斜遮水ゾーン型

堤体

遮水性ゾーン(前刃金)

ため池において遮水を目的として設けられたゾーンで粘性土(鋼土または刃金土)を用いて、タンピングローラーで十分に締め固めを行います。

透水性ゾーン(さや土)

ため池の主として堤体の安定性を保つ部分でせん断強度の高い(くずれにくい)材料を使って施工します。

上流法面保護工

波等による浸食防止を図るための設備で、捨石、石張り、コンクリートブロック張などの構造があります。近年は、一般的に張ブロックが多く使用されており、ため池への転落防止のため、突起のついた防災ブロックも配置しています。

階段状に配置された防災ブロック

洪水吐

ため池の安全のために、大雨時、池に流入する流水を下流に安全に流下させるための施設です。堤防の盛土部分を避けて、堅固な地山部分に施工する例が多く、水路流入型、越流堰、ラビリンス堰、側水路型などの構造があります。


満濃池越流式


水路流入式


ラビリンス堰


越流堰

豊稔池の洪水吐は、貯水が堰堤天端を15cm超えると自動的にサイホンが機能する仕組みで、堰堤中央部全体からの越流と合わせて洪水処理する仕組みとなっています。放出水が勢い良く堰堤から遠く離れたところに放出されるため、ダム本体への放水による振動の影響が少なくなることや自然にサイホンが働くことで無人管理が可能となる点など画期的な構造です。


豊稔池サイホン余水吐


©大西秀徳

取水施設

取水施設は、ため池の貯水を取水するための斜樋または堅樋と導水するための底樋から構成されます。一般的には、堤体の前法面に沿って埋設された斜樋管に取水孔を設け、これから取り入れた用水を堤体の底部に埋設する底樋管に導いて取水します。取水部には、取水量を調節するゲート、バルブ等を設置しており、堤防上の巻上げハンドルで操作を行います。
ため池の管理と底水を取水するために一番下に土砂吐ゲートも設けられます。


土砂吐ゲート


底樋管の設置状況

 

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