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公開日:2020年12月10日

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存清制作工程3

存清(ぞんせい)制作工程 香川宗石[昭和 30年制作]

  • 6(1)切粉錆水研ぎ及び固め(右)
    砥石で水研ぎを行って切粉錆の表面を平坦にするとともに、厚みを均一にして形を整えた後、漆刷毛で生漆を塗ります。生漆を塗り込むことで切粉錆を堅固にします。
  • (2)砥の粉錆付け(1回目)(中央)
    箆で砥の粉錆をつけて切粉錆の痩せを防ぎます。
  • (3)砥の粉錆付け(2回目)(左)
    砥石で空研ぎを行って表面の荒れを整え、2回目の砥の粉錆付けを行います。
    • 水研ぎとは、水を使って研ぐことをいいます。
    • 砥の粉は、砥石を切り出す際に出る屑砥石を砕いて粉末にしたものです。
    • 砥の粉錆は、水で固練りをした砥の粉10に対し、生漆6の割合で練り合わせてつくります。

  • 7(1)砥の粉錆水研ぎ及び固め(右端)
    砥石で水研ぎを行って砥の粉錆の表面を平坦にするとともに、厚みを均一にして形を整えた後、漆刷毛で生漆を塗ります。生漆を塗り込むことで砥の粉錆を堅固にします。
  • (2)塗り重ね(1回目)(右から2番目)
    漆刷毛で黒呂色漆をむらなく塗ります。
  • (3)炭研ぎ(1回目)(右から2番目)
    駿河炭で塗り面を平滑に研ぎます。
  • (4)塗り重ね(2回目~10回目)、炭研ぎ(右から3番目以降)
  • (2)・(3)の工程を10回繰り返し、漆膜を厚く塗り重ねるとともに、表面を平坦にして厚みを均一にします。
    • 黒呂色漆は、良質の精製漆に鉄粉や水酸化鉄等を加えて黒変させた仕上げ用の漆です。
    • 駿河炭は、油桐を焼成した軟質の研ぎ炭で、中塗りや上塗りの研ぎに使用します。

  • 8(1)上塗り呂色研ぎ(右端)
    黒呂色漆を塗り重ねた表面を呂色炭で平滑に研ぎ出し、駿河炭の炭研ぎによる炭痕を消します。
  • (2)色漆地塗り(1回目)(右から2番目)
    器物に色漆を塗って地の色とします。
  • (3)炭研ぎ(1回目)(右から2番目)
  • (1)に同じ。
  • (4)色漆地塗り(2回目)
  • (2)に同じ。
  • (5)炭研ぎ(2回目)(右から3番目)
  • (1)に同じ。
  • (6)文様の肉上げ塗り(1回目)(左端)
    器物に置目をした文様の箇所に、黒呂色漆10と松煙4を練り合わせて厚く塗り、文様を浮き上がらせます。
  • (7)文様の肉上げ炭研ぎ(1回目)(左端)
    肉上げをした文様の箇所を呂色炭で研ぎ、表面を平坦にして形を整えます。
    • 呂色炭は、エゴノキなど、きめの細かい樹木を焼成した軟質の研ぎ炭で、研ぎの仕上げ用に使用します。
    • 色漆は、漆と各種の顔料を練り合わせて意図する色を出し、文様を描くのに使用します。

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