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小豆島町(旧池田町)の西の滝に大麻山龍水寺(だいまざんりゅうすいじ)という寺があります。その寺には龍の口から出る清水があって、どんな干ばつにも枯れることはありません。
むかしむかし、弘法大師がこの島にこられた時に、この地は一面の荒れ地でありました。
お大師様が、そのわけを聞くと「ここはいくら作物をつくっても、大麻山にいる龍が来て荒らしてしまうのです。その上、子どもはさらわれる、家畜は殺される。」と村人達は訴えました。
お大師様はさっそく大麻山に登り、龍が出てくるのを待ちました。しばらくすると、すごい形相の龍が現れましたが、お大師様は驚くこともなく、静かにお経を唱えはじめました。
するとふしぎやふしぎ、たちまち龍はへなへなとなり、お大師様の手でかめの中に封じ込められてしまいました。
かめの中の龍は、今までの悪事を悔いて、その償いとして、これからはどんな干ばつがおこっても絶対に水は絶やさないと誓い、そのかめの下からは澄んだ水がこんこんと湧き出して、荒れ野はよみがえり作物に恵まれるようになったということです。
龍水寺の清水は、龍の誓いのとおり今なお枯れることなく湧き出し続けています。
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