災害から身を守るために
災害時に役立つ情報などをまとめた「外国人住民のための防災ガイドブック」を作成しました!
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災害から身を守るために
1年中おだやかな気候で知られる香川県ですが、2004年には、9個の台風に襲われ、大きな被害が出ました。2018年には6個の台風が四国地方に接近しました。
また、これから30年以内に、必ず大きな地震が起こると言われています。このような災害による被害をできるだけ少なくするためには、災害のことを知っておくことがとても大切です。特に、外国人のみなさんは、地震について知らないことが多いので、「もし、地震が起きたらどうしよう?」と一度考えてみてください。
- 地震(じしん)
- 台風(たいふう)
- ふだんから用意しておくこと
1.地震
日本は、地震が多い国です。2011年3月には東北地方で大きな地震と津波があり、たくさんの人が死んだり、けがをしたりしました。2016年には熊本県でも大きな地震がありました。
地震は、地面の中でプレート(板のような岩)が動くために起こります。地面が激しく揺れ、大きな地震の時には、建物がこわれて火事になったり、海岸では津波(つなみ)(大きな波)が起きたりすることもあります。
地震の揺れの大きさを示すために「震度(しんど)」ということばが使われます。震度は0から7まであり、その震度ごとの感じ方や被害のようすは10段階で表されています。また、地震そのものの規模やエネルギーを表すものとして、「マグニチュード」ということばもあります。
震度
震度0 |
揺れていると感じない。 |
震度1 |
建物の中にいる人の何人かは、少し揺れていると感じる。 |
震度2 |
建物の中にいるたくさんの人が、揺れていると感じる。部屋の中につり下げている物が、少し揺れる。 |
震度3 |
建物の中にいる人のほとんどが、揺れていると感じる。こわいと感じる人もいる。 |
震度4 |
眠っている人のほとんどが、目を覚ます。つり下げてある物は大きく揺れて、たくさんの人がとてもこわいと感じる。 |
震度5弱 |
揺れている時に体をうまく動かせない人もいる。部屋の中で食器や本が落ちることがある。 |
震度5強 |
たくさんの人が、揺れている時に体をうまく動かせない。大きなタンスや家具が倒れることがある。建物がこわれて、ドアがあかないこともある。 |
震度6弱 |
立っているのがむずかしくなる。建物の窓やタイルが落ちることが多い。 |
震度6強 |
立っていることができない。重い家具も倒れる。ドアがはずれて飛ぶこともある。 |
震度7 |
激しく揺れるので、自分の思いどおりに動けない。大きな地割れや山くずれなどが起きる。たくさんの建物で、タイルや窓ガラスがこわれて落ちる。 |
- まずは自分を守ろう!
落ち着いて帽子やクッションなどで頭をガードして、テーブルの下などに入り、家具からはなれましょう。
がけや海辺、川のそばにいるときは、できるだけ早くその場所からはなれましょう。
建物がこわれて、ドアがあかなくなるかもしれません。ドアを開けて、逃げるための出口を作りましょう。
あわてて外に出ると、ガラスなどが落ちてきてけがをすることがあるので、まわりのようすをよくたしかめましょう。
- 火を消して火事を防ごう!
コンロ、ストーブなどに火がついていたらすぐ消しましょう。ガスの元栓をしめ、電気のブレーカーを切りましょう。もし、火事になったら、「火事だ!」と大声でまわりにしらせましょう。
- 家族の安全をたしかめて安全な場所に逃げよう!
家族がけがをしていないかたしかめて、あなたの住んでいる場所があぶない時は、安全な場所に逃げる準備をしましょう。道はとても混むので、消防車(火を消す車)や救急車(けがをした人や病気の人を運ぶ車)が通れるように、歩いて移動しましょう。外では、高いところから落ちてくるものに気をつけましょう。また、せまい道、塀のそば、がけや川へは近づかないようにしましょう。
- 正確な情報を手に入れよう!
大きな地震の後は、まちがった情報が流れやすくなります。テレビやラジオなどのニュースをよく聞き、うわさ話を簡単に信用しないようにしましょう。まわりで困っている人がいたら、みんなで力を合わせて助けあいましょう。
- 町の中で
建物のそばからはなれて、安全なところへ逃げましょう。高いところから落ちてくるガラスなどに気をつけてください。
- 車を運転していたら
地震を感じたら、ハンドルをしっかり持ってゆっくりと車をとめてください。道の左に車をとめ、エンジンを止めましょう。逃げる時は鍵をつけたまま、車検証を持ち、連絡先のメモを残して歩いて逃げましょう。
- 電車やバスに乗っていたら
駅の係員や運転手のいうことをよく聞き、落ち着いて逃げましょう。
- 高いビルの中にいたら
エレベーターは使ってはいけません。階段を使って落ち着いて逃げてください。
- 夜、寝ていたら
上からものが落ちてくることがあります。電気がつかず真っ暗になることもあるので、足元に気をつけて逃げてください。
2.台風
台風は、暖かい海で生まれた熱帯低気圧のうち、中心部の最大風速が17m/s以上になったものをいいます。
台風は一年中発生していますが、日本に近づくのは秋が多くなっています。香川県は、台風の被害が少ない県でしたが、2004年には、合計9個もの台風に襲われ、大雨(おおあめ)(たくさん雨がふること)や高潮(たかしお)(海の水があふれて建物にまで入ってくること)、暴風(ぼうふう)(とても激しく強い風)のために、大きな被害を受けました。
台風の勢力は「大きさ」と「強さ」で表します。
- 大きさ・・・エリアの大きさ(半径)で区別
「大型」、「超大型」の2種類
- 強さ・・・最大風速で区別
「強い」、「非常に強い」、「猛烈な」の3種類
ただ、台風の被害は、大きさや強さだけでは測れません。小さな台風でも、大きな被害が出る場合があるので注意しましょう。
- 台風情報に注意しましょう。
テレビやラジオから流れる情報をよく聞きましょう。注意報や警報に十分注意してください。
- 暴風警報・強風注意報・・・とても強い風が吹くのであぶない
- 波浪警報・注意報・・・・・・・強い風のために海の波が高くなりあぶない
- 高潮警報・注意報・・・・・・・海の水があふれて建物に水が入るかもしれない
- 大雨警報・注意報・・・・・・・たくさん雨が降って建物に水が入ったり、山が崩れたりするかもしれない
- 洪水警報・注意報・・・・・・・たくさん雨が降って川の水が増えてあふれるかもしれない
- 家のまわりのあぶないものは片付ける。
家の外に置いてある植木鉢など強い風で飛ばされそうなものは、家の中に入れてください。ガラス窓をテープでしっかり止めて、カーテンやブラインドをしめておきましょう。
- 非常用品などの準備
水や食糧、非常用持ち出し袋を準備し、風呂に水をためておきましょう。
- 危険な場所には近づかない。
山の斜面などは、大量の雨で地盤がゆるんでいます。山や、がけがくずれるかもしれません。海や川にも近づかないようにしましょう。
- 強い風で飛んでくる物に注意する。
強い風のために転んでけがをしたり、看板や屋根の瓦が飛んできてけがをすることもあります。
どうしても外に出なければならないときは、ヘルメットや帽子をかぶりましょう。
- 常に最新の台風情報をチェック
テレビやラジオなどで情報をきちんとつかみましょう。家の中でじっとしているか、逃げるかは、落ちついて決めるようにしましょう。
- できるだけ外へ出ない
雨で水の量が増えて、川や排水路などで、落ちてけがをすることがあります。外には出ないことが一番ですが、家にいて身の危険を感じたら、すばやく逃げる準備をしましょう。
市や町から「この地区に住んでいる人は、家にいるとあぶないので、逃げてください。」というお知らせ(避難勧告(ひなんかんこく)や、避難指示(ひなんしじ)といいます。)が出たら、できるだけ早く逃げましょう。お知らせがなくても、もし、自分があぶないと感じたら、安全なところに逃げましょう。
- 逃げる前に確かめること
- 火を消したか確かめる(ガスコンロ、タバコの火など)
- 家のとじまり(かぎはかけましたか?)
- 持っていくものは
- 荷物はできるだけ少なくする
- 両手が自由に使えるように荷物はリュックに入れる
- 頭はヘルメットや帽子でガードする
- はだしや長靴はやめて、ひもでしめられる靴をはく
- 逃げる時の注意
- 一人で逃げないで、近くの人たちと一緒に、決められた近くの避難所(ひなんじょ)(にげるばしょ)に行く
- 逃げる時には、あぶない場所には絶対に近づかない
- 川や海の水が増えていることがあるので気をつける
3 ふだんから用意しておくこと
もし、地震や火事がおこったら、あなたはどうしますか。どこに逃げますか。防災訓練は、そんなときどうしたらいいのかを体験し、考えることができます。住んでいる市や町では、防災訓練を行っています。ぜひ一度参加してみてください。
台風は近づいてくる時期がだいたい予想できますが、地震はいつ起きるかわかりません。もしもの時にどうするか、家族で話し合っておきましょう。
- 避難場所はどこにあるか
- どこを通って避難場所まで行くか
- 家の中でどこが安全か
- 逃げるときに、だれが何を持ち出すか
- 家族がどこで会えるようにするか
- 連絡方法の確認
災害伝言ダイアル171のかけかた(外部サイトへリンク)
地震や台風などの災害が起きると、電気、水道などが使えなくなることや、何日も必要なものが買えなくなることがあります。そうなっても困らないように、早めに準備をしておきましょう。
準備したものは、すぐに持ち出せるようにリュックサックに入れておきます。
次のチェックリストは一つの例です。自分の家族に合わせて、必要なものを考えましょう。
また、年に1回はチェックして、新しいものと交換しましょう。
- □飲み水
- □食料品
- □貴重品(銀行の通帳、印鑑、お金)
- □病気やけがをなおすための薬
- □ヘルメット、帽子
- □厚手の手袋
- □下着・着がえ
- □FMラジオ、予備の電池
- □懐中電灯(手に持つ電灯)
- □ティッシュ
- □えんぴつ、ペン、メモ用紙
- □紙おむつ、粉ミルク(赤ちゃんのいる家庭)
- □マッチ、ライター
- □めがね
- □ラップフィルム
※この原稿は、香川県監修により四国新聞社から発行された「わが家の防災対策BOOK『台風編』『地震編』」から一部抜粋して加筆修正したものです。