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公開日:2022年3月16日

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炭焼窯づくり(1983年)
香川県東かがわ市入野山

炭焼窯づくりの概要

所在地・伝承地香川県東かがわ市入野山(1983年調査)


製作工程(概要)新居式窯(にいしきがま)は在来窯・大正窯に比べて点火室や炭化室が大きく、焚き口は炭材をかかえた大人1人が通れるほどあり、点火室と炭化室との間の障壁は必要に応じて取りはずす。
築窯工程は「座掘り」「こがま・煙道づくり」「土囲組み」「木入れ」「管盛り」「天井上げ」「天井の乾燥」「屋根造り」「火入れ」「焚き口の調整」「内塗り」などの工程からなる。


参考文献六車功「大川郡における炭窯と習俗について」『(瀬戸内海歴史民俗資料館紀要』第1号1984年)

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写真の説明

  1. 「座掘り」山の尾先きと小谷の間あたりの20~30坪の平地がある場所に直径約350センチメートル、深さ約130センチメートルほどの穴を掘る。
  2. 「土囲組み」掘り抜きが理想であるが、地質の関係でここでは石と粘土を積んで土囲を築く。掘り方と土囲組み石との隙間には粘土を詰めてカケヤで搗きこんで固定する。
  3. 「木入れ」土囲組みが終わると、土囲の高さに切った炭材を詰める。炭材は根元の太い方を上に細い方を下にして詰め込む。
  4. 「管盛り」木入れが終わると短く切った木を亀甲状に盛り上げる。天井の型取りになる作業である。30センチメートル~1メートルの木を使って行う荒盛り、20~30センチメートルの木を使う中盛り、5~10センチメートルの木を使う本盛りの順に、できる限り天井の表面の凹凸を少なくする。
  5. 「天井上げ」管木の上へ薦や筵を敷き、その上にケイ酸ソーダを混ぜた土を置く。最初にキリボウと呼ぶ丸太で天井に盛った粘土を叩き締める「荒切り」を行う。次にヘナヅチを使った「中切り」「本切り」を行い天井を整える。
  6. 「屋根造り」炭窯の天井は雨に弱いため、杉の皮を用いて屋根を葺く。

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