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近年、家族にケアを要する人がいる場合に、本来大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートを行っている18歳未満の子ども、いわゆるヤングケアラーの存在が問題視されており、本人の育ちや教育に影響があるといった指摘がなされている。
このような状況を受け、国が2020年度に全国調査を実施した結果、中学2年生の5.7%、全日制高校2年生の4.1%の者が、世話をしている家族がいると回答している。
国では、ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームを立ち上げ、去る5月17日に報告書を取りまとめたところであり、この中で、今後取り組むべき施策として、悩み相談の支援、関係機関連携支援、教育現場への支援、適切な福祉サービス等の運用の検討等が挙げられている。
ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題であることなどから表面化しにくいうえ、現状ではヤングケアラーに対する支援制度が十分に確立されていないため、ヤングケアラーを早期に発見し、関係機関が連携して適切な支援につなげていくことが重要である。
よって、国においては、ヤングケアラーへの支援強化を図るため、下記の事項について格段の措置を講じるよう強く要望する。
記
1 支援が必要なヤングケアラーの実態把握を行うとともに、ヤングケアラーの気持ちに寄り添った広報・啓発により社会的認知度の向上を図ること。
2 ヤングケアラー支援に対する国、都道府県、市区町村、または事業者及び関係機関の役割を明らかにするとともに、これらの相互連携を図り、社会全体で支援する仕組みを構築すること。
3 地方自治体が行う相談窓口の設置や福祉、介護、医療、教育等関係機関の職員等への研修等ヤングケアラー支援の取組みに対し、必要な支援が適切に推進できるよう国において財政措置を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月12日
香川県議会
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