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認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために記憶や判断力の障害などが起こり、生活に支障が出ている状態をいいます。
年齢を重ねることで認知機能は誰でも低下してきます。
認知機能とは、誰もが持っている能力です。物事を考えたり、判断したり、理解したり、計算したり、見当(日付や場所などがわかること)をつけたりする能力
認知症によるもの忘れ | 加齢に伴うもの忘れ(ふつうのもの忘れ) |
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1.体験の全部を忘れる | 1.体験の一部分を忘れる |
2.もの忘れの自覚がない | 2.もの忘れを自覚している |
3.思い出せない部分に作話が混じる | 3.別の機会に思い出せる |
4.日常生活に支障をきたす | 4.日常生活に支障がない |
5.探し物を誰かが盗ったと言うことがある | 5.探し物を努力して見つけようとする |
例1)「加齢に伴うもの忘れ」は食事のメニューを忘れるが、「認知症によるもの忘れ」では、食事したことも忘れる。
例2)「加齢に伴うもの忘れ」は自覚があり、忘れていたことを別の機会にひょっこり思い出すことがあるが、「認知症によるもの忘れ」は、自覚がなく思い出せない部分に作り話がまじる。
認知症にはたくさんの種類があり、その原因もさまざまです。日本において、最も多いのは、アルツハイマー病等の「変性疾患」であり、次に多いのは脳血管性認知症です。
アルツハイマー型認知症 | 脳血管性認知症 | |
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年齢 | 中年から高齢者まで | 60歳以上 |
性 | 女性に多い | 男性に多い |
発症と経過 | 緩やかに発症し、除々に進行する | 急に発症し、階段状に悪化する。 |
主な症状 | 全般的認知障害、失語、失行、失認 | まだら認知障害、運動麻痺、歩行障害 |
感情面その他 | 多弁、多幸、徘徊 | 抑うつ、感情失禁 |
もの忘れの自覚 | 早期に消失 | 晩年まで残る |
(認知症介護情報ネットワーク参照)
例1)アルツハイマー型認知症の特徴
記憶障害のため、新しい情報を受け入れることができなくなり、直前のこともすぐ忘れてしまう。また、日時や季節の感覚があいまいとなり、電車やバスに乗っても目的地を忘れたり、今どこにいるのかがわからなくなったり、行き慣れた場所でも道に迷い帰れなくなることもあります。また、同じ物を何度も購入したり、料理の手順がわからなくなったりします。
例2)血管性認知症の特徴
脳梗塞や脳出血の後遺症として、記憶と認知機能障害が残っています。
参考)
失語:言葉の意味がわからない、又は言葉が出てこない。
失行:目的にあった行動や動作ができない。(物の使い方がわからない)
失認:対象をはっきり認知することができない。
多幸:不自然な上機嫌。常識的には幸せに感じないことに対して笑みをこぼしてしまう状態。
感情失禁:ちょっとしたことで怒ったり笑ったりする現象で、感情の調整がうまくいかないこと
認知症は一般的には高齢者に多い病気ですが、65歳未満で発症した場合、若年性認知症といいます。
若年性認知症の場合、多くの人が仕事や家事をしているので、認知機能が低下すれば気がつくのではと思われますが、実際には、仕事でミスが重なったり、家事がおっくうになっても、疲れや、更年期障害、あるいはうつ状態など他の病気と考えてしまい、それが認知症のせいとは思い至らないことがあります。
香川県では、発症段階から本人の状態に合わせた就労継続や社会参加等の適切な支援が図れるよう、若年性認知症支援相談窓口に若年性認知症支援コーディネーターを配置し、ご本人、ご家族からの相談のほか、企業や行政など関係機関からの相談などに応じています。
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