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「さぬきの夢2000」の収量性や製麺性が劣るといった課題を改善した「さぬきの夢2009」は、本県の水田農業を支える主力の小麦品種となりました。しかしながら、誕生から年月が経過するにつれて、生産者や実需者から、麦子実の品質や製麺性などについて、より一層の改良が強く望まれていました。
そこで、香川県農業試験場では、これらの弱点を克服した小麦系統「香育33号」を育成しました。
これまでの小麦の交配・育種は、特徴のある品種を掛け合わせ、膨大な個体や系統の中から条件に合う小麦を選抜する作業を繰り返していました。選抜のためには製粉、製麺を行う必要があるため、多くの手間と時間がかかっていました。
「香育33号」の開発では、最新の選抜技術「DNAマーカー」を導入することで、製粉や製麺の工程が不要となり、研究のスピードが格段に上がりました。
令和5年7月11日、品種登録を出願し、同年10月30日に品種名「さぬきの夢2023」として農林水産省から品種登録の出願が公表されました。
3代目となる「さぬきの夢2023」は、「さぬきの夢2009」の味や香りの良さはそのままに、タンパク質含有率やグルテンの質をさらに向上させました。この改良によって、「さぬきの夢2009」の課題であった製麺性(切れやすさ、伸びやすさ)を改善し、うどんのコシがより強く、食感も向上しました。
また、試験栽培で実施した品質分析においても、「さぬきの夢2009」を上回る結果となっています。
「さぬきの夢2000」、「さぬきの夢2009」の物語からつながる「さぬきの夢2023」の新たな物語に期待が高まります。
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