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花きには人の心を癒す働きがあります。また、花きを栽培するために行う作業は、近隣住民とのコミュニケーションが深まる、高齢者の運動機能を退化させない等の効果が期待できます。
ここでは、スローライフを意識した花き栽培について述べてみたいと思います。
このような花き栽培では儲けは考えるべきではありません。花きを栽培することで、特に精神的な部分の充実を追求している訳ですから、致し方ないことかもしれません。
時間を十分にとって、好きな花を栽培することが大切です。面積を欲張らずにプランターやコンテナから始め、徐々に面積拡大を図るのもひとつの方法です。栽培に慣れたら、近所の遊休地を借りて花づくりなどというのも、面白いのではないでしょうか。
苗を購入という方法もありますが、できれば苗は自分で作りましょう。苗作りは播種または挿し木や株分けで行います(詳細は表1~表3参照)が、花壇用と言われている花きは比較的病虫害にも強く、定植後の管理もしやすいのでお勧めです。また、開花後うまく結実すると、翌年もその種子を利用して苗作りが行えます。ただし、ここで注意しなければならないのは、F1(一代交配種)と呼ばれている品種は、種子ができても親と同じような形質にならず、親よりも劣った形質のものができるということです。F1品種については種子を購入するしか方法はありません。余った苗はご近所へお裾分けしましょう。文字通り花づくり談義に花が咲くに違いありません。
表-1 主要花きの発芽適温
温度(℃) | 花きの種類 |
---|---|
15 | アスター、パンジー、プリムラ類、リナリア |
15~20 | アリッサム、クッションマム、ホウセンカ、バーベナ、ルピナス |
20 | アゲラタム、インパチェンス、カルセオラリア、キンギョソウ、サイネリア、シクラメン、ベゴニアセンパフローレンス、ネモフィラ、トルコギキョウ |
20~25 | アサガオ、グロキシニア、コリウス、ジニア、ペチュニア、マツバボタン |
25 | ケイトウ、サルビア、ニチニチソウ、球根ベゴニア |
表-2 種子の光感受性
明発芽種子 | オダマキ、インパチェンス、エキザカム、カルセオラリア、キンギョソウ、コリウス、サイネリア、ジギタリス、シャスターデージー、デージー、トルコギキョウ、プリムラ類、ベゴニア類、ペチュニア、ペンタス、マツバボタン、チドリソウ |
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暗発芽種子 | アイスランドポピー、ガザニア、ナスタチューム、シクラメン、シザンサス、デルフィニウム、ニチニチソウ、ニゲラ、ハゲイトウ |
中性型種子 | アサガオ、アスター、カンパニュラ、キンセンカ、グロキシニア、ケイトウ、コスモス、サルビア、ジニア、スカビオサ、ストック、ゼラニウム、ダイアンサス、トレニア、バーベナ、ハボタン、パンジー、ヒマワリ、マリーゴールド、ラナンキュラス、ルドベキア、ルピナス |
表-3 花壇用花きの播種時期
花き名 | 播種時期 | 開花始め | 備考 |
---|---|---|---|
アゲラタム | 4月 | 6月 | |
インパチェンス | 4月 | 6月 | 暗発芽 |
ガザニア | 3月 | 6月 | 暗発芽 |
カルセオラリア | 10月 | 3月 | 明発芽、要施設 |
ケイトウ | 4月 | 6月 | |
コスモス | 4~8月 | 7~10月 | |
コリウス | 4月 | 7月(定植適期) | 明発芽 |
サルビア | 4月 | 6月 | |
シロタエギク | 3~6月 | 6~9月(定植適期) | |
デージー | 8月 | 12月 | 明発芽、早生タイプ |
〃 | 9月 | 3月 | 〃 、晩生タイプ |
トレニア | 4月 | 6月 | |
ニチニチソウ | 4月 | 6月 | 暗発芽 |
ネモフィラ | 10月 | 4月 | |
ハボタン | 8月 | 12月 | |
パンジー | 8月 | 11月 | |
ベゴニア・センパフローレンス | 4月 | 7月 | 明発芽 |
ペチュニア | 3月 | 6月 | 明発芽 |
マツバボタン | 4月 | 6月 | 明発芽 |
マリーゴールド | 4月 | 6月 | |
リビングストンデージー | 3月 | 6月 |
基本的な作り方
(1996~1998年、2000年の農業香川から引用)
花の種類別作り方
(1996~1998年、2000年の農業香川から引用)
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