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10月3日(木曜日)、特別名勝栗林公園の檜御殿跡で開催した「栗林公園薪能」をご来場の約760人の皆さまとともに鑑賞しました。
栗林公園での薪能の開催は実に23年ぶりです。来年3月16日に開園150周年を迎えることから、そのプレイベント公演として開催しました。
開演時間が近づいても降りやまなかった雨は、30分遅れの開演時にようやく霧雨にかわり、本県出身の能楽師 伶以野陽子(れいやー ようこ)さんがシテ方を務めた能「羽衣 和合之舞」(はごろも わごうのまい)が終わるころにあがり、日暮れた情景の中で伶以野さんが舞う天人は、本当に空へと浮かび上がるのではないかと思うくらい幻想的でした。
後半からかがり火がたかれると会場はさらに幽玄の世界観に包まれ、紫雲山の黒い山影と雨にぬれた自然の松は、屋島の合戦を題材にした能「八島」の主役、源義経の亡霊のたけだけしさを一層引き立て、演じる梅若紀彰(うめわか きしょう)先生の迫真の演技は圧巻の一言に尽き、当初演目になかった仕舞「山姥」は鑑賞者をなおも高揚させました。
また、人間国宝の茂山七五三(しげやま しめ)先生、大倉源次郎(おおくら げんじろう)先生の各トークショーは他の公演ではめったにないものであり、すべてが「栗林公園薪能」バージョンという特別感にあふれ、鑑賞者にとって記憶に残る公演となりました。
栗林公園の「一歩一景」の庭園美や歴史・文化に加え、能楽堂やホールでは味わえない「五感で楽しむ」栗林公園薪能の魅力を発信し、国内外から多くの方にご来園いただくよう努めてまいります。
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