就任のご挨拶

このたび、県民の皆さまの多くのご支持を賜り、知事に就任いたしました。ふるさと香川の一層の発展に尽くしたいという私の切なる思いが通じ、県政のかじ取り役をお任せいただいたことは、誠に光栄の至りであり、同時にその任務と責任の重大さを痛感しています。

私はこれまでに、県内各地を回って、いろいろな方のお話を聞いてきました。

この中で、香川県は、瀬戸内海の恵みを生かして発展してきたことに改めて気づきました。

そして、今後の香川県の発展においても、瀬戸内海をはじめとした豊かな県土や温暖な気候などの香川県の特長を生かした政策を進めることが重要と考えています。

私は、この点に留意しつつ、「人生100年時代のフロンティア県へ」をスローガンに、大事なものを「まもる」、新しいものを「つくる」、「誰一人取り残さない」の3つの理念のもとで、香川New100PLANを進めてまいりたいと思います。

第1に、県民100万人計画です。これは、住みたくなる香川県を目指すものです。

具体的には、まず、出産時のサポートや病児保育・求職中保育の充実などを進め、子育てしやすい香川県を目指します。

また、女性の再就労の支援など女性が活躍できる環境を作るとともに、障がい者が働きやすい香川県、そして安心して医療福祉サービスの受けられる香川県を目指します。

さらに、経済的に困窮している児童・生徒が安心して学べるよう学校給食費の負担軽減や子ども食堂の支援などに取り組みます。

第2はデジタル田園都市100計画です。これは、香川県の経済発展のためのプランです。

まず、社会的に有益な事業への挑戦に関して、起業当初の資金力や信用力を補強するなどスタートアップの支援を強化します。

また、本県の高品質な農林水産資源の国内外への販路拡大や、漆芸などの伝統的工芸品の公共施設での活用を図ります。

さらには、今後、モノづくりが日本に戻ってくる中で、香川県への立地を希望する企業が増えてくることが予想されます。このチャンスを生かすため、土地の造成や労働力の確保などの受け皿づくりを進めます。また、空港・港湾の充実や、さぬき浜街道・国道11号線の強化を進めます。

これらの政策を通じて、大平元総理の提唱した「田園都市国家構想」の実現を香川がけん引していきたいと思います。

第3はにぎわい100計画です。この計画は、多くの人が訪れる香川県を目指すものです。

コロナ禍前の年間1000万人の観光客数を2割アップし、年間1200万人、月間100万人を目標に政策を進めます。

まず、香川に住む人が、改めて多島美などの香川の良さに触れる機会を増やし、それを通して香川の魅力を国内外に発信していきます。

また、隣県などと連携し、切れ目ない瀬戸内イベントを実施してまいります。さらには、サンポート地区全体を安全で快適に歩ける一大プロムナードにしていきます。そして、香川県内の全てのまちにおいて、トイレの洋式化やまちの美化に取り組み、「香川県はまちがきれいで快適だ」と思っていただける県にしていきたいと思います。

香川県は、先人の努力により大きな発展を遂げ、現在、豊かな自然環境の中で、ゆとりを感じながら暮らし、経済活動を行う環境が整いました。この素晴らしい環境を守り、香川県のさらなる発展のために全力で取り組んでまいりますので、県民の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。