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いじめは「決してゆるされない」ことです。しかし、いじめは「どの子どもにも、どの学校でも起こりうるもの」です。香川県では、2009年から、自主的に集まった児童生徒による実行委員会が、県内の小・中学生に呼びかけて、いじめを自分たちの問題として考える「いじめゼロ子どもサミット」を開催しています。
県内の小中学生がいじめの防止について討論するいじめゼロ子どもサミット2015を、8月18日(火曜日)、サンポートホール高松で、開催しました。3年に1度の開催で今年が3回目。今回のサミットでは、「感じ、考え、行動しよう」をテーマに、香川県内の小・中学校の代表児童生徒約280名、教員約180名、保護者、一般参加などを含め、約700名が参加し、「いじめをゼロにするためにできること」について話し合いました。実行委員68名が、いじめが起こりやすいシーンを演劇で再現した後、鑑賞した児童生徒も加わって分科会を開き、「傍観者がいかに行動すべきか」等を討論し、劇を修正していきました。
※全校集会等で活用してください。
いじめのきっかけとなりやすい「感情」を各シーンにもり込んで演じました。
選ばれなかったのはどうして!?
車をもらうなんていいな。
でも、大きな事言い過ぎ?
負けて悔しい!
誰かのせいにしないと気が済まない!?
言い出しっぺが約束を破ったのだから責められて当然!?
俺のイスがない!誕生会の雰囲気を壊したから!?
なんで、これくらいのことできないの?
できる人はいいな…。
ふられただけでもきついのに、「きもい」といわれ…。
どこからが冗談?どこからがいじめ?
私たちが、こだわったところは、「嫌な気持ちになったシーン」を無くしてしまうのではなくて、そのシーンが起こった後の動きを、みんなで考えたところです。
【吟味のポイント】1.劇のいやだと感じるところは?2.改善策を考えよう。3.自分にできる行動かどうか。
修正点は、見逃してしまいそうな小さな動きや、ちょっとしたセリフ、微妙な表情の変化などです。
その小さな変化が、実は、いじめから仲間を救う大きな効果になることを、みんなで感じました。
【修正点】
オーディションで選ばれたAグループが選ばれなかったBグループに気を遣って小さく喜んだところ
Bグループが「またがんばろう」と励まし合ったところ
【修正点】
プレゼントが変更になった事情を尋ねるところ
がっかりしている気持ちに共感してやさしく接するところ
【修正点】
約束を忘れていたA子を女子がかばうところ
一人を責めるのではなく、人数を揃えてみんなで雪合戦を遊ぶようにしたところ
【修正点】
大縄跳びができるグループ、できないグループに上から目線で声をかかえるのをやめて、アドバスするようにしたところ
グループの編成を変えたところ
【修正点】
いじめっ子のはやしたてる言葉に周りがまどわされなかったところ
いじめっ子の命令にあえて従わず、「大丈夫?」と声をかけたところ
【修正点】
試合前の握手を追加
相手チームが責められている人をかばう場面を追加
負けた責任を責めるだけではなく見捨てず「次、がんばるで」「ほらいくで」と声をかけたところ
【修正点】
イスをかくすのを注意したいところ
互いに謝る場面を追加したところ
【修正点】
シーンとして変な雰囲気にならないように努めたところ
告白に失敗した人を周りが温かく迎えたところ
今日の活動で気付いたことをもとに自分たちのできることを、フロアといっしょに考えました。
「おかしい」と感じたことを「おかしい」と、きちんと表現することが大事。
自分も含め、傍観者が何にも言わないのが問題。いじめはダメだという勇気を持って欲しい。
このサミットで分かったように、「いじめを止めたい」という同じ志しをもつ仲間がいることが止める勇気につながる。
小さな声かけでも人は救われる。学校で明るくあいさつし、話かけるように心がけている。
SNSのいじめは周りに気付きにくい。
学校で使い方を考えるのが大切。
周りのできる行動は小さな一歩かもしれないけど、実はいじめられっ子やその親にとっては大きな一歩。
「行動することを目指し、気持ちを共有しましょう!実現可能な行動は、ちいさな一歩かもしれない。でもいじめをなくす大きな一歩です」
ことばの力を信じてことばで表現する力を磨いてほしい
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