ここから本文です。
利用者に清浄で安全な水を安定的に供給することは、水道事業者に課せられた一番の使命である。明治以降、水道は、都市部から順次全国に布設されており、平成13年度末現在、水道普及率は96.7%に達し、1億2,300万人近くの国民に水道水が供給されている。
本県では、水道の布設に当たって、平成5年頃まで家庭への給水管には、安価で加工が容易なことから鉛管が多く使用されてきた。
一方、国では、鉛は人の体内で蓄積され、長期間にわたり多量摂取すれば子供の発達障害や貧血などの中毒症状を引き起こすことを考慮し、平成4年12月と平成15年4月の二度にわたり水道水の鉛の水質基準を強化したところである。平成14年度に県内水道事業者が実施した水質検査の結果では、通常使用の場合には問題はないものの、長時間使用しなかった後の使い始めの水では、平成15年4月からの新基準を満たしていない事例が見られた。
このようなことから、各水道事業者にとって、より安全な水を供給するためには、鉛製給水管の計画的な更新が急務となっている。
しかしながら、鉛製給水管の更新には、膨大な経費と期間を要し、すべての鉛製給水管の取替えを早期に実施するのは、非常に困難な状況にある。
よって、国におかれては、国民に対する安全な水の供給の必要性・重要性を深く認識され、鉛製給水管の早期更新を積極的に推進するため、水道事業者が配水管の布設替えに併せて実施する鉛製給水管の取替費用及び個人が実施する鉛製給水管取替への助成制度に対する新たな国庫補助制度を創設するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年12月16日
香川県議会
このページに関するお問い合わせ