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農薬使用の際には、これまで以上に「想定外」の農薬残留に注意して下さい。
食品衛生法が改正されて、平成18年5月29日よりポジティブリスト制が施行されました。
ポジティブリストでは、農薬等が一定量をこえて残留する食品の販売等が原則禁止されます。
これまでどおり農薬の使用基準を守って適正な使用に努めるとともに、目的以外の作物にはできるだけ農薬がかからないようにすることが大切です。
とくに周辺作物に「飛散させない」ように注意することが、これまで以上に必要です。(ドリフト防止対策)
目的以外の作物に農薬が飛散(ドリフト)すると、思いもよらない残留事故につながります。
ドリフトによる残留事故を防ぐために、農薬散布にあたっては散布前から以下の点に注意しましょう。
その作物のタイプからみて農薬検出のリスクが大きいかどうか確認する
【残留しやすいもの】 ↑葉菜類(軽量) 小型の果実 果菜類 葉菜類(重量) 果実(皮をむかないもの) 果実(皮をむくもの) 穀類 ↓可食部が地下にある作物(根菜・芋等) 【残留しづらいもの】 |
収穫時期がいつになるかを確認する
散布予定の農薬が近接作物にどのような基準が設定されているかを確認する
食品名 | レタス | きゅうり | にんじん | 水稲 | びわ | みかん |
---|---|---|---|---|---|---|
農薬A | 5 | 5 | 0.01 | 1 | 0.01 | 5 |
農薬B | 5 | 5 | 0.1 | 1 | 1 | 1 |
用いる散布方法が飛散が大きいものかどうかを確認する
【粒径が小さく、ドリフトしやすい】 ↑粉剤 DL粉剤 液体で噴霧する剤・通常ノズル 液体で噴霧する剤・ドリフト低減ノズル ↓粒剤、パック剤 【粒径が大きく、ドリフトが比較的少ない】 |
これらの基本情報から、どの程度対策が必要かがある程度分かります。散布する農薬が近接作物にも登録がある場合は、安心度は高くなります。
風の弱い時に、風向きに注意
散布の方向や位置に注意
適切なノズルを用いて適正な圧力で
適正な散布量で
タンクやホースをしっかり洗浄
近接作物の栽培者との連携を
遮へい物や緩衝地帯を設ける
対策の必要度や実施可能な対策はそれぞれの現場ごとに異なりますので、これらの対策をいくつか組合せながら柔軟に対応を図っていくことが肝要です。
近接作物から基準値を超える農薬が検出された場合、その原因を把握できるよう農薬の使用記録をしっかりととっておきましょう。
御相談は農業改良普及センターまたはJAグループ香川県(営農経済センターほか)へ
・東讃農業改良普及センター0879-42-0210
・小豆農業改良普及センター0879-75-0145
・中讃農業改良普及センター0877-62-1022
・西讃農業改良普及センター0875-62-3075
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