[シリーズ]正しく知れば、まもりあえる。感染症のこと
結核について、保健所との関わりの視点から
この記事は、2025年3月10日に更新されました。
はじめに:あなたの正しい知識と理解が、地域の結核対策を支えます。
- 近年、全国的に外国人や高齢者の結核患者さんの割合が増えている一方で、結核にかかる人の数は減っています。結核に対する無理解・偏見や、適切でない対応は、患者さんを傷つけたり、治療の成功や社会復帰を妨げたりすることにつながることがあります。これからも、正しい知識と理解を持ち続けることが重要です。
- 結核は、医療の進歩により、適切に発見・治療できれば、命に関わる病気ではなくなりました。しかし、結核にかかった場合、数ヵ月以上の入院または通院・服薬が必要となるため、患者さんへの負担は依然大きい感染症といえます。
- 結核にかかることは、患者さん本人の責任ではありません。結核は誰でもかかりうる感染症であり、個人ではなく、地域社会で取り組む課題です。あなたの正しい知識・理解は、その取組の一歩になります。ぜひ、お力をお貸しください。
本記事では、結核について、特に地域で結核患者さんが発生した場合の保健所との関わりの視点から、事業所や高齢者施設の方々を対象に重要なポイントをまとめたものです。結核の一般的な知識(症状や治療など)については、様々な自治体や公的機関から詳細な情報が提供されていますので、あわせてご確認ください。
目次
(1)誤解していませんか、結核のこと
(2)外国人の結核患者さんへの対応
(3)高齢者施設の結核患者さんへの対応
(4)結核発生後の保健所との連携について
資料
- CDC.Tuberculosis (TB)[https://www.cdc.gov/tb/index.html]
- 公益財団法人結核予防会結核研究所.高齢者介護に関わる人のための"結核"基礎知識.
- 公益財団法人結核予防会結核研究所.介護職のあなたにこれだけは知ってほしい結核のこと.
- 公益財団法人結核予防会.感染症法に基づく結核の接触者健康診断の手引きとその解説(令和4年改訂版)
- 公益財団法人結核予防会.企業で役立つ結核の正しい知識(平成28年7月)
- 座間智子.外国出生結核患者を支える地域連携強化の視点.公募シンポジウム「地域包括ケアと災害医療対策:外国人住民との共生に向けて」.第83回日本公衆衛生学会総会.
本シリーズ記事は、香川県東讃保健福祉事務所の公衆衛生医師が執筆・監修しています。内容の正確性については万全を期しておりますが、お気づきの点は当事務所保健対策課までご連絡ください。