ここから本文です。
長年月の経過により、徐々に堤体内に水みちが出来て漏水しているものや底樋、洪水吐等の堤体横断施設の老朽に伴い、その周囲から漏水しているものなど、その原因は様々ですが、台風などの豪雨に伴う急激な水位の上昇などにより決壊の可能性もあり、常日頃からの点検が重要となっています。
急激な水位の減少や乾燥、地震の発生等により、老朽化した堤体にクラックが発生することがあります。クラックを放置すれば、そこから雨水が流入し、水みちの原因にもなりますので早急な対策が必要です。
波浪による上流法面の破損や斜面の侵食、雨水、漏水等による下流法面の侵食などにより、堤体の断面が小さくなり安定性が損なわれています。
堤体上流面が侵食し滑落し危険な状態となったため池
土嚢による応急処置を施した堤体
昔の小さいため池の底樋管は、長丸太を縦に挽き割り、それを矩形に掘り抜いたものを元のように重ねたものが多く、大きなため池の場合は、厚板を箱型に組んで使用するなど、木製のものがほとんどであることから短期間での補修や保全管理が必要でした。
そのため、老朽化が進行すると、バルブを閉めても水が止まらないものやゲート、バルブの操作が困難なもの、堆積土による底樋の埋没など様々な問題が起こってきます。
通常は、地山の岩盤を掘削して構築する工法がとられますが、岩盤の掘削機械もコンクリートもない時代の施工では、堤体盛土の上に石張りで施工することも多く、流水で洗掘されて破堤したり、断面が小さく洪水を吐けきれず、貯水が堤体を越流することもありました。
このページに関するお問い合わせ