香川県の漁場整備

藻場・干潟は、水産動物の産卵場や幼稚魚等の育成場となる等により、水産資源の保護・培養や多様な生物の生息域として、生物多様性の確保などの重要な役割を果たすとともに、副次的に水質浄化等の機能や沖からの波浪を弱めることによる海岸保全の機能を有しており、その効果は地域に広く及んでいる。
しかしながら、高度成長期以降、埋立などの各種の開発や水域環境の変化などにより、藻場・干潟の減少や機能の低下が進行している。このため、香川県では、水質の改善と水産資源の培養の両面から、県内各地で藻場造成事業を展開し、藻場の造成を通じて良好な水域環境の保全に努めています。

＜参考＞

1　藻場の分布状況

本県沿岸域の藻場は、砂泥地にアマモ場が、岩礁・転石帯にガラモ場が分布し、幼稚魚の育成場として重要な役割を果たしています。
藻場の分布調査は、県水産試験場により昭和40年以降5回前後実施されています。調査・集計方法等が異なるため、一概に比較できませんが、近年は増加傾向にあります。

香川県沿岸域における種類別藻場面積（単位：ha）
	アマモ場	ガラモ場	アオサ	その他	計
平成元年	940	413	843	397	2,593
平成4年	607	1,143	209	7	1,965
平成8年	878	293	-	24	1,195
平成22年	1,338	712	235		2,335

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2　藻場造成

2-1　アマモ場造成

アマモ場造成については、多くの課題が残されていたため、平成17、18年度の2カ年をかけてアマモ場造成のための適地選定、手法の検討及びアマモ場造成指針の策定のための調査を行い、この結果に基づき香川県アマモ場造成指針（PDF：5,840KB）を策定しました。このアマモ場造成指針基づいて事業計画を策定し、平成20年度よりアマモ場造成の事業化に取り組んでいます。

＜参考＞

2-2　ガラモ場造成

ガラモ場の造成については、幼稚魚の育成効果のあるものとして、平成7、8年度に水産試験場が調査・研究しました。その結果、ガラモの繁殖条件の把握、幼稚魚の育成に適した増殖礁の選定など効果的に造成できる手法を開発したので、この成果を受けて、平成9年度から藻場造成事業を実施しています。

＜参考＞

香川県の藻場造成事業実施状況
年度	事業費	工事件数	事業箇所(地先)	造成面積	事業費（百万円）
9年度～ 13年度	増殖場漁場保全	15 10	詫間町、仁尾町、豊浜町、庵治町、大内町、引田町、土庄町、直島町内海町、志度町、高松市、坂出市	39.5ha	3,196
14年度	増殖場漁場保全	11 1	引田町、さぬき市、土庄町、直島町、丸亀市、多度津町、詫間町、観音寺市、高松市、池田町	11.0ha	693
15年度	増殖場漁場保全	10 1	引田町、さぬき市、土庄町、直島町、丸亀市、多度津町、詫間町、観音寺市、内海町、高松市、池田町	9.8ha	595
16年度	増殖場漁場保全	9 2	東かがわ市引田地区・大内地区、さぬき市、庵治町、内海町、高松市高松地区・女木島、丸亀市、多度津町、詫間町、観音寺市	9.6ha	673
17年度	増殖場漁場保全	8 2	東かがわ市大内地区、庵治町、内海町、高松市高松地区・女木島、丸亀市、多度津町、詫間町、観音寺市	8.8ha	626
18年度	増殖場漁場保全	7 1	東かがわ市大内地区、さぬき市、小豆島町、高松市女木島・庵治町、坂出市、丸亀市、観音寺市	8.8ha	561
19年度	増殖場漁場保全	5 1	高松市庵治町・女木島、さぬき市、観音寺市、坂出市	6.4ha	411
20年度	増殖場漁場保全	4 2	直島町、坂出市、観音寺市さぬき市津田町、三豊市	4.7ha	379
21年度	増殖場漁場保全	5 1	直島町、土庄町、観音寺市、坂出市東かがわ市	5.0ha	363
22年度	増殖場漁場保全	2 2	直島町、土庄町、多度津町、東かがわ市	3.7ha	255
23年度	増殖場	1	直島町	0.7ha	34
24年度	増殖場	5	直島町、土庄町、小豆島町	4.7ha	301
25年度	増殖場	5	三豊市、土庄町四海地区・大部地区	4.3ha	292
26年度	増殖場	2	三豊市、多度津町	2.2ha	171
27年度	増殖場	2	三豊市、多度津町	1.2ha	95
28年度	増殖場	1	三豊市	0.5ha	45
29年度	増殖場	2	三豊市、多度津町	1.3ha	122
合計	増殖場	94		104.6ha	7,275
	漁場保全	23		17.5ha	1,537
	計	117		122.1ha	8,812