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公開日:2020年12月10日

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1竹林の現状

1.全国の現状

昔から竹は、日用品の材料や食材など人の生活に欠かせない存在でした。しかし、戦後、生活様式の変化に伴う代替品の普及などにより竹製品は減少するようになりました。また、人々の生活に密着して維持されてきた里山は、戦後の燃料革命とともに薪や木炭が使われなくなると、里山を利用したり、手入れをする人が減り、竹林を含めた里山は管理されなくなりました。

さらに、1980年代以降、安価なタケノコが中国から輸入されるようになり、栽培農家の高齢化もあって竹林を含めた里山は、手入れされず放置されるようになり、各地で繁殖力の旺盛な竹が勢力を拡げ、森林や農地などに侵入・拡大しています。

最近では、全国的に竹林の拡大による森林の荒廃が問題になっており、各地でいろいろな取り組みが始まっています。

2.県内の現状

県内の竹林は、1986年時点で2,173haであったのが、2000年には3,978haとわずか15年間で1.8倍にまで拡大し(下の図香川県全域における竹林の分布とその推移参照)、全県的に隣接する森林や農地に侵入・拡大しつつあります。また、1974年から2000年までの竹林の分布から拡大速度は、0.53~2.11m/年となっており、1975年から1991年にかけてより、その後の拡大速度が大きく、早急の対策が必要となっています。(下図は、1974年から2000年の竹林の拡大状況で、赤色は竹林です。)

また、その拡大傾向は、竹の生育環境や過去の農地開墾など人為的な土地利用の経歴の影響が大きいと考えられます。

竹が森林に侵入している事例を見る、森林が発揮してきたさまざまな公益的機能や景観を損なうことが危惧されています。

3.主な竹

県内では、日本の三大竹といわれるモウソウチク、マダケ、ハチクが主に栽培されてきました。

モウソウチク

タケ類のうち、日本では最大となる種類。中国原産で、日本への渡来は、1728年(長岡京市)と1736年(鹿児島市郊外)の両説がある。分布は中国大陸では最も広く、日本では北海道の函館付近を北限として全国に栽培される。タケノコは美味で、「タケノコ」といえば本種のものを指し、本県では、「こんぴらタケノコ」が知られています。用途は広く、材は加工用や牡蠣養殖イカダに利用され、県内では、以前に枝が流下式塩田の枝条架に利用されました。

マダケ

日本産のタケ類のうちでは最も用途が広い。原産地は中国とされ、日本に野生品があったかどうかについては、はっきりしない。タケノコは食用になるが、苦味がある。用途は広く、とくに工芸品には最適であり、丸亀の団扇が知られる。

ハチク

やや大型のタケ。主産地は近畿、四国、九州で、中国大陸にも産する。耐寒性が強く、北海道伊達市に育っている。タケノコは甘竹の異名をもつように味がよい。用途は広く、材は硬く細割りしやすいので、茶筅や菓子の容器に重用されます。

参考文献:世界有用植物事典

タケノコの特徴

成竹の特徴

竹の見分け方

参考文献:有用竹と筍 上田弘一郎著

種類別利用用途

マダケ・ハチクの取引基準(県内の竹材店のホームページから引用)

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