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人と動物に共通する感染症には、同義語として「人畜共通感染症」や、「人獣共通感染症」、「ズーノーシス」などの名称があります。
1958年に開催されたWHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)の合同専門家会議で、ズーノーシスは「人と人以外の脊椎動物の間で自然に移行する病気又は感染」と定義されています。
公衆衛生の立場からは、「動物由来感染症」と呼ばれていますが、動物愛護管理法では、動物から人への感染と同様、人から動物へ感染する疾病にも注意を払い、動物の健康と安全を確保すべきとの観点から、「人と動物の共通感染症」と表記しています。
動物種 | 主な人と動物に共通する感染症 |
---|---|
犬 |
狂犬病、エキノコックス症、イヌブルセラ症、犬糸状虫症、レプトスピラ症、皮膚糸状菌症など |
猫 |
猫ひっかき病、エルシニア症、カンピロバクター症、トキソプラズマ症、パスツレラ症、回虫症、Q熱など |
鳥類 |
高病原性鳥インフルエンザ、オウム病など |
は虫類 |
サルモネラ症など |
人の健康を守るために、犬の飼い主さんは、犬の登録と狂犬病予防注射の接種をすることが法律で義務づけられています。なお、登録と注射については、お住まいの市町の窓口にお問合せください。
動物にさわる前には動物に病気をうつさないために、そして動物にさわった後には動物から病気をうつされないために、必ず石けんなどで手を洗いましょう。これが動物と生活するうえでの一番基本的な対応になります。
人も動物も、口の中やツメの中、皮膚などには細菌やウイルスがいっぱい付着しています。その中には病気の原因となる病原体もいる可能性があるのです。お互いに病気をうつさないためにも、口移しでエサをあげるなどの過剰なふれあいは避け、節度を持って接しましょう。
動物が生活する寝床やトイレなどは、きちんと清掃し、いつも綺麗にしおきましょう。また、定期的なシャンプーやブラッシングを実施することは、動物とのスキンシップにもなります。もちろん、清掃やブラッシングによって発生したゴミを適切に処理することは当たり前のことです。
どんなに注意していても、病気にかかってしまうことはあるでしょう。自分のからだに不調を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。その際、動物の飼養状況についても医師に説明しましょう。また、普段から動物の健康状態にも気を配りましょう。動物の調子が悪いときはかかりつけの動物病院に相談しましょう。
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