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公開日:2021年10月1日

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収入保険制度について

収入保険の基本的な考え方

 従来の農業共済制度は、1.自然災害による収量減少のみを対象とし、価格の低下等は対象外である、2.対象品目が限定的で、加入単位も品目ごととなっていることから農業経営全体をカバーできていないなどの課題がある一方、農業の成長産業化を図るためには、自由な経営判断に基づき経営の発展に取り組む農業経営者を育成する必要があることから、品目の枠にとらわれず、農業経営者ごとの収入全体を見て総合的に対応し得る保険制度(セーフティーネット)として「収入保険制度」(平成31年1月~)が創設されました。

 これにより収益性の高い新規作物の生産や新たな販路の開拓等に挑戦する農業経営者の意欲的な取り組みを促進することを目的としています。

収入保険の仕組み

1)収入保険制度とは?

 自然災害による収量減少や価格低下のほか、農業者自身の病気やケガなど、農業者の経営努力では避けられない様々なリスクによる収入減少を補償する制度です。

2)加入できる方

  • 青色申告を行っている農業者(個人・法人)が加入できます(簡易な方式を含む、現金主義は含まない)。
  • 保険期間の前年1年分の青色申告実績があれば加入できます。

3)対象収入

 農業者が自ら生産した農産物の販売収入全体が補償の対象となります。加工品については、農産物以外の原材料等のウエイトが大きい場合もあることから、簡易な加工品のみが販売収入に含まれます。(簡易な加工品:精米、もち、梅干し、干し椎茸、牛乳など)

 ただし、マルキン等の対象である肉用牛、肉用子牛、肉豚、鶏卵は対象外です。野菜との複合経営の場合、野菜部分の収入についてのみ収入保険に加入することは可能です。

4)補償内容

 農業者ごとの過去5年間の平均収入を基準として、保険期間の収入が基準収入の9割を下回った場合に、下回った額の9割を上限として補てんします。

 補てん方式には、保険方式と積立方式を併用する「積立方式併用タイプ」と、保険方式のみの「保険方式補償充実タイプ」があり、農業者が選択できます。

   <積立方式併用タイプのイメージ>

 併用2

 

 <保険方式補償充実タイプのイメージ>

 保険

 

  • 補償限度額は基準収入の9~5割の中から選択できます。
  • 保険方式の支払率は9~5割の中から選択できます。積立方式の支払率は9~1割の中から選択できます。
  • 収入保険では、補償の下限(基準収入の7~5割)が選択できます。

5)加入・支払スケジュール

 収入保険の保険期間は、個人の場合、1月~12月であり、法人の場合は事業年度の1年間です。加入申請及び保険料等の納付は、保険期間開始前までに行う必要があります。保険期間中に、収入減少に関係する事故が発生した場合は、農業共済組合にその都度通知し、保険期間終了後の確定申告後に補てん金が支払われる仕組みとなっています。

 保険料や積立金等は、最大9回まで分割して納付することが可能であるため、掛金負担を軽減できます。(最終の納付期限は保険期間の8月末まで)

 【加入・支払スケジュールのイメージ(個人の場合)

 スケジュール

 

つなぎ融資が受けられます!

 補てん金の支払は、原則、保険期間終了後になりますが、保険期間中であっても、補てん金の受け取りが見込まれる場合で、早期に資金が必要な方は、無利子の「つなぎ融資」が受けられます。つなぎ融資は、補てん金の受け取り見込金額の8割を上限に貸し付け、確定申告後補てん金が確定したら、相殺して返還する仕組みです。これにより、早期の営農再開・経営再建が図られます。

6)制度の変更点

掛金の安いタイプ(令和2年1月~)

 令和2年1月から、発動基準(補償上限9割)は変えずに補償下限を設定することで、掛金負担を軽減することができるタイプが新たに追加されました。70%、60%、50%から選択でき、最も掛金の割引率が大きい補償下限70%を選択した場合、基本のタイプと比べ、掛け捨て部分が約4割安くなります。これまで大きな減収がない方や、掛金の負担が大きく加入をためらっている方におすすめです。

新型コロナウイルス特例

 新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年の収入が減少した場合であっても、翌年の基準収入(過去5年間の平均が基本)に影響しない特例を設けました。具体的には、令和元年以前の収入を用いて、令和2年の収入(単位面積当たり収入)を調整し、過去5年間の平均収入を補正します。法人の場合は、令和元年又は2年の事業年度のいずれかの収入を補正できます。

野菜価格安定制度との同時利用

 令和6年からの新規加入者は、2年間(令和4年、5年加入者は3年間)の同時利用を可能とし、令和7年以降の新規加入者には適用しないこととします。

同時利用される方は、収入保険の保険料等と野菜価格安定制度の生産者の負担金の両方を支払います。

また、収入保険の保険期間中に、野菜価格安定制度の補給金を受け取った場合、収入保険の補てん金の計算上、その金額を控除します。

 

(注1)野菜の価格下落時の出荷調整を支援する事業(野菜需給均衡総合推進対策事業)、野菜の契約取引において不作時の数量確保を支援する事業(契約指定野菜安定供給事業数量確保タイプ等)を除く

自動継続特約の導入とインターネット申請

 令和4年1月以降の保険契約から、収入保険についても自動継続特約が導入されたほか、インターネット申請も可能になりました。ご自宅のパソコンから収入保険の加入申請や保険金の請求などの手続きができるようになります。これらを活用した場合、付加保険料(事務費)が以下のとおり割引されます(併用可能)。

自動継続特約 1,000円
インターネット申請 新規加入の場合 4,500円
継続加入の場合 2,200円

 

 

参考資料

【お問い合わせ先】

香川県農業共済組合本所収入保険課
電話(087)899-8977

詳しくは、お近くの農業共済組合までお問合せください。

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