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果樹は日当たりが悪いところでは、良いものはできません。耐陰性が最も強いカンキツ類でも、半日日陰の場所では品質の良いものはできません。必ず日当たりの良い場所を選んでください。また水はけは良好なところが基本です。湿気の多いところは避けるようにしてください。
果樹の種類 | 品種 | 栽培の簡単さ |
収穫 時期 |
水管理と潅水 | 病気、虫の被害と防除 | 温度 | 植え付け場所、設備など | 栽培のポイント |
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ブルーベリー | ラビットアイ系(ウッダード、ホームベル等)が頑健で生育良好、ハイブッシュ系は土壌適応性がやや狭い。 | ★★★★ | 7,8月 | 乾燥すると枯れやすい | カイガラムシやイラガ:気がつけば手で駆除してください。病気はほとんど見られません。 | 基本的には夏の高温を嫌います。低温には強く、-10度でもOKです。) | 潅水設備と、防鳥ネット |
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ラズベリー | インディアンサマー、ファールゴールド | ★★★★★ | 6月と10月 | 乾燥させすぎないこと | 虫・病気はほとんど見られません。 | 基本的には夏の高温を嫌います。低温には強く、-10度でもOKです。) | 樹勢が強く、すぐに広がります。できれば鉢植えで。 |
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うんしゅうみかん | 日南1号、宮川早生、大津四号など | ★★★ | 10月~12月 | 乾燥には強い。水をやり過ぎない。 | ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。 | 冬の極温が-5℃以上でOK. | 特別な施設は不要。水はけがよく乾燥しやすい場所に植える。 | 多くなる年と成らない年が交互にくる(隔年結果という)。表年にはしっかり夏に摘果をする。 |
イヨカン | 宮内イヨカン | ★★★ | 1月 | 乾燥させすぎないこと | ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。 | 冬の極温が-3℃以上でOK. | 特別な施設は不要。水はけが良い場所に植える。 | 花がたくさん付いて樹が弱りやすいので、梅雨明けごろにしっかり摘果する。 |
ネーブル | 大三島ネーブル | ★★★ | 12月(暖かい場所なら1月) | 乾燥させすぎないこと | ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。 | 冬の極温が-3℃以上でOK. | 特別な施設は不要。水はけが良い場所に植える。 | 果実に袋掛けをして寒さよけをおこなう。 |
八朔 | ハッサクNo55 | ★★★★ | 12月(暖かい場所なら1月) | 乾燥させすぎないこと | ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。 | 冬の極温が-5℃以上でOK. | 特別な施設は不要。水はけが良い場所に植える。 | 果実が-4℃になると苦くなります。早めに収穫を。 |
なつみかん | 川野夏橙 | ★★★★ | 12月(暖かい場所なら1月) | 乾燥させすぎないこと | ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。 | 冬の極温が-5℃以上でOK. | 特別な施設は不要。水はけが良い場所に植える。 | 果実が-4℃になると苦くなります。早めに収穫を。 |
不知火 | 不知火 | ★★ | 1月~2月 | 常に湿り気が欲しい | ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。 | 冬の極温が-3℃以上でOK. | 特別な施設は不要。土が深く、有機物はたっぷりかつ、水はけの良い土地に植える。 |
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清見 | 清見 | ★★★ | 2月~3月 | 乾燥させすぎないこと | ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。 | 冬の極温が-3℃以上でOK. | 特別な施設は不要。土が深く、有機物はたっぷりかつ、水はけの良い土地に植える。 |
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ユズ | 多田錦、木頭系など | ★★★★ | 青いものは9月から収穫OK。黄色果実は10月以降いつでもOK。 | 乾燥させすぎないこと | ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。 | 冬の極温が-7℃以上でOK. | 特別な施設は不要。水はけが良い場所に植える。 |
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レモン | リスボン、ユーレカ | ★★★ | 年間 |
乾燥させすぎないこと
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ダニ類、カイガラムシ類、カミキリムシ、ミカンハモグリガ、黒点病などが発生。風あたりが強いところではカイヨウ病が多発。 | 冬の極温が-3℃以上でOK. | 特別な施設は不要。温暖で、風あたりの少ないところ。水はけの良いところ。 | 花は四季咲きで、春から秋にかけて、いろいろな時期に咲きます。 |
ブドウ | ピオーネ | ★ | 8月~9月 | 乾燥させすぎないこと | こくとう病、ばんぷ病、べと病、灰色かび病、コガネムシ、カイガラムシ、ハマキムシなど | 冬の寒さは問題なし。夏暑いと着色不良に。 | 棚栽培+雨よけ栽培が基本。露地栽培では病害が多く、栽培しにくい。 | 種無しはジベレリン処理が必要です。放任では、生育が困難です。家庭果樹には不向きです。 |
デラウエア | ★★ | 8月~9月 | 乾燥させすぎないこと | こくとう病、ばんぷ病、べと病、灰色かび病、コガネムシ、カイガラムシ、ハマキムシなど | 香川県では問題なし | 棚は不可欠。露地栽培では病害が多く、最低でも数回の防除が必要です。 | 種無しは2回のジベレリン処理が必要です。種なしをしない場合は、収穫が9月になります。 | |
ヤマブドウ | ★★★★ | 9月~10月 | 乾燥させすぎないこと | コガネムシ、カイガラムシなど | 香川県では問題なし | 棚は不可欠。病害には強いので特別な防除も不要です。 | メスだけでは結実しないので、雄樹の混植必要(山に自生樹があれば花粉が飛散してくる可能性あり) | |
ワイン用ブドウ | 甲州、マスカット・ベーリA、リースリング、カベルネ=ソービニヨン | ★ | 9月~11月 | 乾燥させすぎないこと | こくとう病、ばんぷ病、べと病、灰色かび病、コガネムシ、カイガラムシ、ハマキムシなど | 香川県では問題なし | 棚栽培+雨よけ栽培が不可欠。大半の品種が露地栽培では病害が多く、栽培できない。。 | 甲州、マスカット・ベーリAは病害に強い。外国品種は栽培しにくい。 |
キウイ | ヘイワード | ★★★★ | 11月~12月(霜が下りるまでに収穫) | 常に適当な水分が供給されること。 | コウモリガ、カイガラムシ、果実軟腐病、花腐れ細菌病など | 香川県では問題なし | 棚が不可欠。潅水が出来るよう準備 | 雄品種がないと結実しません。ただし雄は樹勢が強いので、鉢植えにでも。・果実はエチレンによる追熟が必要です。 |
香緑 | ★★★ | 11月~12月(霜が下りるまでに収穫) | 常に適当な水分が供給されること。 | コウモリガ、カイガラムシ、果実軟腐病、花腐れ細菌病など | 香川県では問題なし | 棚が不可欠。潅水が出来るよう準備 | ヘイワードと同じ。ただし。香緑は樹勢が強いので樹が大きく広がります。(経済栽培では1本あたり20~30坪が目安です) | |
モモ | 白鳳 | ★★ | 7月中下旬 | 乾燥には強いが、根が浅いので、潅水は重要。 | 縮葉病、せん孔細菌病、灰星病、アブラムシ、ハモグリガ、シンクイムシ、コスカシバなど | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。水はけの良い場所に植栽。 | モモは定期的な防除ができないと栽培は不可能です。袋かけが必要ですが、外観を気にしないのであれば不要です。またせん定も高度な技術が必要です。 |
白桃 | ★ | 7月下旬~8月中旬 | 乾燥には強いが、根が浅いので、潅水は重要。 |
縮葉病、せん孔細菌病、灰星病、アブラムシ、ハモグリガ、シンクイムシ、コスカシバなど |
香川県では問題なし | 水はけの良い場所に植栽。山に近い場所では夜蛾による吸汁被害が多発するので、ネット被覆もしくは防蛾灯が不可欠。 | モモは定期的な防除ができないと栽培は不可能です。袋かけが必要です。またせん定も高度な技術が必要です。 | |
和ナシ | 幸水 | ★ | 8月中旬~9月初旬 | 常に適当な水分が供給されること。 | 輪紋病、黒星病、赤星病、黒班病、アブラムシ、シンクイムシ、カイガラムシ、ハマキムシなど | 香川県では問題なし | 棚が不可欠。潅水が出来るよう準備 | ナシは定期的な防除ができないと栽培は不可能です。またせん定も高度な技術が必要です。 |
二十世紀 | ★ | 9月~10月 | 常に適当な水分が供給されること。 | 輪紋病、黒星病、赤星病、黒班病、アブラムシ、シンクイムシ、カイガラムシ、ハマキムシなど | 香川県では問題なし | 棚が不可欠。潅水が出来るよう準備 | ナシは定期的な防除ができないと栽培は不可能です。またせん定も高度な技術が必要です。 | |
洋ナシ | ラ・フランス | ★ | 10月~11月 | 常に適当な水分が供給されること。 | 輪紋病、黒星病、赤星病、黒班病、アブラムシ、シンクイムシ、カイガラムシ、ハマキムシなど | 香川県では問題なし | 棚が不可欠。潅水が出来るよう準備 | ナシは定期的な防除ができないと栽培は不可能です。またせん定も高度な技術が必要です。西洋梨は収穫後の追熟が必要です。 |
カキ | 富有(甘がき) | ★★★ | 11月~12月 | 常に適当な水分が供給されること。 | たんそ病、うどんこ病、落葉病、ヘタムシ、カイガラムシ、イラガ、カメムシなど | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。水持ちのよい土に植える。 | ヘタムシ防除さえきちっと行われれば、かなりの収穫が見込めます。 |
西条(渋柿) | ★★★★ | 11月~12月 | 常に適当な水分が供給されること。 | たんそ病、うどんこ病、落葉病、ヘタムシ、カイガラムシ、イラガ、カメムシなど | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。水持ちのよい土に植える。 | ヘタムシ防除さえきちっと行われれば、かなりの収穫が見込めます。渋柿なので、皮を剥き干し柿に、もしくは炭酸ガスで脱渋する必要があります。 | |
ビワ | 茂木 | ★★★★ | 6月上中旬 | 乾燥させすぎないこと | がんしゅ病、白紋羽病、灰班病など。病気には強い。 | 冬の極温が-3℃以下になると蕾や果実が凍害で枯死します。 | 風当たりの少ない温暖なところ。特別な施設は不要です。 | 3月に袋かけが必要です。花は秋~冬にかけて連続的に開花します。 |
田中 | ★★★★ | 6月下旬~7月上旬 | 乾燥させすぎないこと | がんしゅ病、白紋羽病、灰班病など。病気には強い。 | 冬の極温が-3℃以下になると蕾や果実が凍害で枯死します。 | 風当たりの少ない温暖なところ。特別な施設は不要です。 | 3月に袋かけが必要です。花は秋~冬にかけて連続的に開花します。 | |
栗 | 筑波、石鎚など | ★★★★ | 9月~10月 | 常に適当な水分が供給されること。 | 胴枯病、クリタマバチ、モモノゴマダラメイガなど | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。水はけの良い場所に植栽。 | 受粉は風媒。できれば、複数の品種を混植すると結実が安定する。 |
スモモ | メスレー | ★★★★ | 6月下旬~7月上旬 | 常に適当な水分が供給されること。 | 灰星病、カイガラムシ、アブラムシなど | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。水はけの良い場所に植栽。 | 雨が降ると裂果が多発。自家結実性でなり過ぎで樹勢衰弱の件があるので、摘果を充分に。 |
サンタローザ | ★★★ | 7月中旬~下旬 | 常に適当な水分が供給されること。 | 灰星病、カイガラムシ、アブラムシ、ケムシ類など | 香川県では問題なし | 山に近い場所では、夜蛾被害が多発するので、ネット掛けか防蛾等などの施設が必要。水はけの良い場所に植栽。 | 大石早生もしくはソルダムなどと混植しないと結実しません。 | |
ウメ | 小梅、南高、豊後など | ★★★★ | 5月下旬~6月 | 乾燥には強いが、根が浅いので、潅水は重要。 | 黒星病、かいよう病、アブラムシ、ケムシ類など | 香川県では問題なし | 水はけのよい土に植える。特別な施設は不要。 | 他家受粉なので、様々な品種を混植する必要がある。 |
リンゴ | フジ、アルプス乙女、紅玉など | ★★ | 10月~11月 | 常に適当な水分が供給されること。 | 黒星病、斑点落葉病、アブラムシ、シンクイムシなど | 香川では、夏の高温による果皮の着色不良や障害発生が懸念される。 | 水はけのよい土の深いところ。矮性台木の苗木の場合、誘引用支柱が必要。 | 他家受粉なので、様々な品種を混植する必要がある。(左記3品種を混植すると受粉はOK) |
さくらんぼ | 佐藤錦、高砂、ナポレオンなど | ★ | 5月下旬~6月中旬 | 常に適当な水分が供給されること。 | 灰星病、せん孔褐班病、たんそ病、カイガラムシ、オウトウショウジョウバエなど | 香川では、高温による果皮の着色不良や葉焼け、枝や幹の高温障害が発生。 | 水はけのよい土の深いところ。雨で裂果するので、雨よけハウスは不可欠。 | 他家受粉なので、様々な品種を混植する必要がある。(左記3品種を混植すると受粉はOK)。樹が大きくなるので、ポット栽培を考えるほうが有利です。 |
ザクロ | - | ★★★★★ | 9月下旬~10月下旬 | 乾燥には強い。水をやり過ぎない。 | 虫・病気はほとんど見られません。 | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。 | 病害には強いので防除も不要です。 |
カリン | - | ★★★★★ | 11月 | 乾燥には強いが、根が浅いので、潅水は重要。 | 輪紋病、アブラムシ、シンクイムシ、カイガラムシ、ハマキムシなど | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。 | 販売しないのであれば、特別な防除は不要。 |
オリーブ | マンザニロ、ミッション | ★★★★ | 9月下旬~11月上旬(緑果用) | 乾燥には強いが、根が浅いので、潅水は重要。 | オリーブアナアキゾウムシ | 香川県では問題なし | 温暖で、風当たりが少ない場所。特別な施設は不要 | 他家受粉なので、異品種を混植すること。 |
アンズ | 新潟大実、平和、ハーコット | ★★★ | 6月下旬~7月中旬 | 常に適当な水分が供給されること。 | 灰星病、カイガラムシ、アブラムシなど | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。水はけの良い場所に植栽。 | 雨が降ると裂果や灰星病が発生。果実の収穫は落果した果実なら酸味が少ない。 |
ヤマモモ | 瑞 | ★★★★★ | 6月下旬~7月上旬 | 乾燥には強い。水をやり過ぎない。 | 虫・病気はほとんど見られません。 | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。 | 雌雄異株であるが、多くの場合山林や緑化木等の雄株の花粉が飛来するので、問題ない。 |
アケビ | - | ★★★★★ | 9月 | 常に適当な水分が供給されること。 | 虫・病気はほとんど見られません。 | 香川県では問題なし | つる性のため棚が必要。 | 他家受粉なので、2品種を混植する必要がある。 |
イチジク | 蓬莱柿、桝井ドーフィン | ★★★★ | 8月下旬~10月中旬 | 常に適当な水分が供給されること。 | カミキリムシ、ホコリダニ、スリップス、疫病、株枯病 | 香川県では問題なし | 特別な施設は不要。水はけの良い場所に植栽。 | カミキリムシの防除を行えば栽培は容易。 |
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