「高松空港の計器着陸装置の高カテゴリー化検討調査」結果の概要について
降雨や濃霧の影響を受けやすい高台にある高松空港が、その機能を十分に発揮し、本県の産業や観光の振興などのために期待される役割を果たすためには、視界不良による欠航や条件付き運航を減らし、運航の定時性や安定性、信頼性を確保していく必要があります。
県では、視界不良時にも自動操縦で安全に着陸することができるよう、計器着陸装置の高カテゴリー化(カテゴリー3)を国に要望しているところですが、空港周辺には急峻な谷があり、装置を設置するための用地造成費が高額になることなどから費用便益比が1を超えないことが課題とされていました。
そこで、県では昨年度、費用の削減策や便益向上策を独自に試算し、推計を伴うものの、費用便益比が事業化の目安とされる1を上回る結果が得られましたので、お知らせします。
1 計器着陸装置について
- 着陸のために進入中の航空機に対し電波を発射し、滑走路への進入コースを指示する無線着陸援助装置のこと。パイロットは、装置の誘導に沿って飛行することにより、適正な進入コースで滑走路近傍まで外界の視界情報なしで飛行が可能となります。
- 地上の電波誘導設備の精度、航空機の装備システムの能力によって、着陸が許可される気象条件等が異なります。カテゴリー1、2、3の3段階に分類されており、現在、高松空港に整備されているものは、最も性能の低い「カテゴリー1」です。
2 業務の成果と主な検討内容
- 成果概要は、別添(PDF:287KB)のとおり。
- 電波高度計用地(RA用地)について、県内でも施工実績がある補強土壁工法を採用するなどの費用削減策を整理しました。
- カテゴリー3が整備された場合の条件付き運航の減少や就航率の改善により鉄道から航空機への利用転換人数(高松-羽田間の利用者数が年間約42,000人増加すると予測)を推計し、便益として定量化するなどの便益向上策を整理しました。
3 今後の方針
関係機関に、事業の必要性について御理解いただくとともに、国に対し、改めて費用対効果の検討を要望するなど、カテゴリー3の計器着陸装置の早期整備を粘り強く働きかけてまいります。
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