ここから本文です。
メリット | 説明 |
---|---|
1.使用者にとって取り扱い易い良質な有機質肥料資源 | 汚物感や悪臭をなくし、病原菌や寄生虫なども死滅させる |
2.土壌や作物にとって良質な有機質肥料資源 | 有機物を十分に腐熟させ、有害物質や雑草の種子などを分解・死滅させ、肥料成分をほどよく含む有機質肥料 |
3.有機資源リサイクルによって資源循環型社会に貢献 | 省資源・省エネルギー 広く流通利用が可能 |
生ふんから堆肥への変化
堆肥化の主役は好気性微生物であるから、その微生物の活動を活発にする適正な環境条件を整える必要がある。
条件 | 目安 |
---|---|
炭素率 | 材料の炭素率(炭素と窒素の混合比)が重要であり、30~40が最適。家畜糞は、炭素率が低いので、稲わら、麦稈など炭素率が高いものと併せて使用する。 |
水分 | 水分含量は、55~60%が最適であり、水分がやや高い時は、孔隙ができるようかるく堆積し、水分が低い時は、十分踏み込んで堆積する。また、水分を低下させるためには、おがくずなどの水分調節剤を用いるのも良い。 |
堆積場所 | しぼり水が排水できるよう工夫し、空気の流通も配慮する。また、直射日光があたらないようにする。 |
堆積規模 | 5~6立方メートルていどがよい。これ以上の規模で堆積するときは、強制通気をするか麦稈やカヤのような孔隙の多い資材を使い空気の流通を良くする必要がある。 |
醗酵温度 | 70℃ていどが良く、均一な腐熱を進めるためにも切り返しにより、温度管理を行う。 |
その他 | 米ぬか、鶏糞や落ち葉を少量混合すると初期の微生物活性が盛んになる。また、完熟したたい肥を少量混合してやると優良な微生物の持ち込みに役立つ。なお、一次醗酵だけでなく、二次醗酵による後熟を行う。後熟は、1~2立方メートルていどの小さな規模が適しており、一度に畑に使う量を堆積しておけばよい。 |
これらのことから、たい肥等の施用にあたっては、施用する肥料の一部を代替できるものと考えて、肥効率に応じて施肥を減肥する必要が考えられます。また、有機物の効果についても、一作のみの施用効果をみて連用すると養分集積等になるので、連用効果を見込んで毎年施用する場合などは、土壌診断に基づいて適正に施用することが大切です。
野菜の 種類 |
牛 | 豚 | 鶏 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
牛糞 | 乾燥牛糞 ※ |
おがくず 牛糞 堆肥 ※ |
豚糞 | 乾燥 豚糞 ※ |
おがくず 豚糞 堆肥 ※ |
乾燥 鶏糞 ※ |
おがくず 鶏糞 堆肥 ※ |
|
少肥型 | 2.0~4.0 | 0.4~0.8 | 1.0~2.0 | 1.0~2.0 | 0.3~0.4 | 1.0~2.0 | 0.2~0.3 | 0.4~1.0 |
中肥型 | 3.0~5.0 | 0.6~1.2 | 1.3~2.5 | 1.3~2.5 | 0.4~0.6 | 1.2~2.5 | 0.3~0.4 | 0.6~1.5 |
多肥型 | 4.0~6.0 | 0.8~1.5 | 2.0~4.0 | 2.0~4.0 | 0.5~0.8 | 1.7~3.5 | 0.4~0.5 | 1.0~2.0 |
糞尿の種類 | 水分 | N | P2O5 | K2O | CaO | MgO | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
鶏糞 | 生 発酵 乾燥 |
65.4 61.5 12.5 |
1.66 1.40 3.78 |
2.92 2.58 4.59 |
1.79 1.15 2.03 |
5.60 2.55 8.30 |
0.87 0.24 1.29 |
豚糞 | 生 発酵 |
76.6 41.6 |
0.63 1.64 |
0.92 2.83 |
0.28 1.05 |
0.85 - |
0.26 - |
牛糞 | 生 発酵 乾燥 |
81.9 72.8 31.2 |
0.43 0.67 1.11 |
0.38 0.60 1.72 |
0.29 0.85 1.23 |
0.45 0.63 - |
0.18 0.23 - |
牛尿 | 生 | - | 0.47 | 0.14 | 1.32 | - | - |
牛糞尿(混合) | 生 | 90.0 | 0.36 | 0.19 | 0.44 | 0.23 | 0.12 |
(農林水産技術会議収集資料1974)
有機物の施用が作物育成に及ぼす効果としては、有機物に含まれる養分の供給による直接的な効果と、土壌の性質を変えて間接的に植物の育成に寄与する効果の二つに大別されます。
土壌の物理性、化学性、生物性の改善に大きな効果があります。
このページに関するお問い合わせ