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朝がたのみぞれ混じりの雨は上がったものの、強風が吹き荒れるしばれるような寒さの中、高校生が先生と一緒に見学に来てくれました。発掘現場は生まれて初めて、とのことでしたが、調査担当者の説明をとても熱心に聴いていました。
現在、調査中のトレンチの西端近くでは、南北方向の溝と、溝の東側で土塀が見つかっています。ここでの調査の目的の一つが、昨年度見つかった国府の中心施設の西側の区画と開法寺との境界を探すこと。これらの目的はおそらく達成できそうです。
謎もあります。前回も報告した瓦の集中部分はどのような性格のものか、これについてはこれからまだ考えていく必要があります。
調査が進めば、解明されていくことが増えるとともに新たな謎が出てきます。それらをひとつひとつ解決しながら国府の実態の解明を進めていきます。
(12月24日)
瓦の集中部分
讃岐国府跡の発掘調査が開始して1か月あまりが経ちました。天候が不安定な日が続き、寒さと急な雨、そして現場の復旧に悩まされる日々が続きます。
調査中のトレンチからは大型の柱穴跡や瓦の集中部分が見つかっています。重複して見つかっている柱穴もあり、一定期間にわたって建物があったことをうかがわせます。(12月16日)
大型の柱穴跡を検出
瓦の集中部分。性格についてはこれから慎重に調べるところです。
瓦の集中部分。軒平瓦が見える。
讃岐国府跡の発掘調査が11月5日(火曜日)から始まりました。昨年度の調査では国府の中心施設のおもに北側の様子がわかったので、今年度は、国府の中心施設のくわしい内容をさらに明らかにするため、昨年度調査地の南西側を発掘します。
調査開始から約1週間。耕作土を掘り下げ、現在は土層の堆積状況を観察するための側溝を掘ったり養生シートの上に載せる土嚢を作ったりして、これから進む本格的な調査に備えているところですが、現段階でも瓦が集中して出土する場所が見つかりました。今後の調査が楽しみです。(11月12日)
土のうをつくり、側溝を掘る
瓦が顔をのぞかせ始める
やや肌寒くも感じた11月2日(土曜日)、新宮古墳の地元説明会を開催し、地元の方々を中心に50名の方が見学に訪れました。新宮古墳は9月30日から墳丘と石室の測量を行ってきましたが、10月末で測量調査が終了し、新宮古墳についての新たな知見が得られたので、地元の方々に広く成果をお知らせしようと開催しました。
見学者の方々は調査担当者の説明を熱心に聴き、時には質問をしながら、見学しやすくなった墳丘や石室を熱心に見学していました。地元から親しまれ、大切にされている新宮古墳ですが、また違った顔が見えたのではないでしょうか。
11月5日からはいよいよ讃岐国府の調査がスタートしました。こちらの成果もご期待下さい。(11月9日)
石室の入り口で説明を聴く
新宮古墳 遠景
新宮古墳は、讃岐国府跡から南東方向の尾根にある古墳です。石室の形状から6世紀の終わり頃につくられた古墳で、横穴式石室と呼ばれる埋葬施設をもっています。新宮古墳の横穴式石室は、長さが約14mある香川県内でもトップ10に入る大型の石室として知られていましたが、これまで正確な測量が行われていませんでした。
讃岐国府が設置される奈良時代から約100年前につくられた古墳ということになりますが、讃岐国府がどのような政治勢力があった地域に置かれたのかということを考えるためには欠かせない遺跡です。
今回、発掘調査は行いませんが、石室や墳丘の大きさを測量し、他の古墳と比較することで、新宮古墳の歴史的な位置づけを明らかにすることを目的としています。(2013年10月4日)
南の山の上から見た新宮古墳と讃岐国府
新宮古墳の横穴式石室の様子
調査の様子
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