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香川県教育委員会
世界人権宣言は、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」とうたい、自由や権利の保持が人類普遍の原理であることを明らかにした。そして、世界中で、人権を守るための様々な取組が行われる中、人権教育の重要性の高まりを受け、「人権教育のための国連10年」が決議された。
我が国でも、日本国憲法において、法の下の平等を掲げ、自由権や生存権、教育を受ける権利、勤労の権利等の基本的人権の享有をすべての国民に保障することを明記し、これまでにも様々な施策が講じられてきた。しかしながら、今なお、女性、子ども、高齢者、障害者、同和問題、外国人、HIV感染者やハンセン病元患者等に関する人権侵害など、様々な人権課題が依然として存在している。さらに、国際化、情報化などの社会の急激な変化に伴い、新たな人権侵害も発生している。
これらの課題解決を通じて、真に人権が尊重され、差別のない社会を実現するためには、私たち一人一人が、人権や人権問題について、自らのこととして真摯に考え、積極的に行動することが必要である。そして、その取組を通じて人権尊重の精神を一つの文化にまで高めるよう努めなければならない。
「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が制定され、人権教育の推進が強く求められる中、すべての人が生涯にわたり、人権についての理解と認識を深め、人権を尊重する意欲や態度を身に付けていくために、教育の果たす役割は一層、重要となっている。
以上のような観点に立って、香川県教育委員会は、日本国憲法及び教育基本法の精神にのっとり、また、同和教育がこれまで積み上げてきた成果を生かしながら、人権尊重意識の高揚を図ること、及び人権課題の解決と人権が尊重される社会の実現をめざす実践力に富む人間の育成を目的として、学校教育と社会教育のあらゆる場を通じて、次のように人権教育を推進する。
一人一人が、人権問題の解決を自らの課題としてとらえ、人権が尊重される社会の実現に向け、課題解決のために積極的に行動しようとする実践力を身に付けることができるよう、主体的に取り組む体験活動を取り入れた学習などを実践しつつ、人権尊重への高い意欲や積極的な態度の育成をめざして、人権教育を推進する。
一人一人が、豊かな人権感覚をもち、人権や人権問題についての的確な思考力、判断力を身に付けることができるよう、人権の意義や様々な人権課題に関する学習などを実践しつつ、人権についての正しい理解と認識の深化をめざして、人権教育を推進する。
自分の大切さを自覚し、誇りをもつことが、人権意識の形成に大きく寄与することから、自己をかけがえのない存在として認識する中で、人権がすべての人に保障されていることについての理解を深めることができるよう、相互の違いも含め認め合うことのできる仲間づくりや、一人一人の人権を大切にした教育を実践しつつ、人権意識を身に付けるための基礎を培うことをめざして、人権教育を推進する。
人権教育の推進に当たっては、学習者や地域社会の実態に配慮しつつ、学校教育と社会教育の密接な連携、及び国・市町等との有機的な協力関係のもと、積極的かつ計画的に取り組むことが重要である。そして、指導方法の改善や実践に対する評価、教職員・社会教育関係職員等への研修及び指導者の養成などを通じて、その一層の充実・発展に努めなければならない。
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