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香川の魅力
目次
日本一高く美しいと市民が自負する丸亀城の石垣。その上には、現存する木造十二天守の中で最もこぢんまりとした天守が築かれている。しかし、2018年の豪雨災害により、南西部の石垣が広範囲で崩れ、現在、市内外の人々の支援によりコツコツと修復が進んでいる。その石垣復旧への思いを形にしたボードゲームが誕生した。
石垣の名城といわれ日本100名城に数えられる丸亀城。見事な石垣の復旧が待ち望まれている。
丸亀城ホームページ
https://www.marugame-castle.jp/
丸亀市内の子どもたちを中心にボードゲームの楽しさを伝えてきた林賢治氏は、以前から地元をテーマにして家族で仲良く遊べるようなボードゲームづくりの構想を抱いていた。2018年の丸亀城石垣崩落以後は、石垣復旧をテーマにしたゲームを作りたいと思うようになる。そこで、ボードゲーム好きの仲間に声を掛け、2020年1月に「さぬきファミリーゲーム倶楽部」を結成。メンバーは5人、年齢も職業も違うがボードゲームへの熱意は同じ。早速ゲームづくりのアイデアを持ち寄り形になったものをそれぞれ身近な人に試してもらい、改良を重ねた。その試作品を持って丸亀市産業観光課とタッグを組み、同市の提案型協働事業にエントリーし、見事に採択される。
丸亀市と力を合わせたことで、ゲームのルールやデザインに深みが生まれ、面白さが倍増した。平面的であったゲームは立体的に生まれ変わり、細部のデザインにもこだわることができた。さらに得点カードにより、丸亀市の豆知識を得るというアイデアも加わった。
2021年11月に開催したお披露目イベントでは、実際に市民の皆さんに楽しんでもらい、さらなる改良点となる貴重な意見をもらうことができた。このゲームの原型はアフリカ発祥といわれる伝統的なゲーム「マンカラ」。石を使って遊ぶ素朴なゲームは世界中でルールの異なる多くのゲームを生んできた。つまり「ISHIGAKIーイシガキー」も完成形ではなく、人々の楽しみ方によってさらに進化を遂げる可能性を持っている。また、2人での対戦式にすればより競技性が高まり、本格的な大会開催の夢も広がる。
丸亀市で石といえば丸亀市沖の広島で採れる青木石が有名である。実際の青木石を使ったバージョンも試作した。さらに塩飽水軍の歴史を取り入れ、石を船に積み込むところからスタートするようなゲームフィールドを広げる構想も練っている。誰もが楽しめることはもちろん、地元を知ってもらうためのゲームをデザインするという奥深い楽しみを見つけた「さぬきファミリーゲーム倶楽部」。デジタル化が加速する現代だからこそ、人と人が実際に顔を合わせ語り合うアナログゲームで地域の魅力を伝え、地域が抱える問題解決の糸口につなげたいと願っている。
実物さながら、かわいらしいサイズの天守。石垣のイラストは、石材の短辺と長辺を交互に組み合わせる「算木積」を忠実に表現。
丸亀城や地元の魅力に触れる豆知識が紹介された得点カード。
ご当地キャラクター「とり奉行骨付じゅうじゅう」は石垣を作る親方役の駒。丸亀市特産のうちわをかたどったタイル(紙)の上で駒を運んでいく。
丸亀市沖の広島に唯一残る石材店「砂川光利石材加工店」の協力で、ブロックや駒に青木石を使ったバージョンも試作。地場産業の活性化にも役立ちたいと願う。
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ゲームの概要 |
対象年齢は8歳から。2人~4人で30分ほどでプレイできる。手持ちの駒をうちわタイルの上で移動させていく。
石置き場で条件がそろえば石垣ブロックを積み、得点カードを引くことができる。石垣ブロックが積み上がり天守を乗せると完成。勝敗は得点カードの点数の合計で決まる。詳しいルールは下記ホームページで。
さぬきファミリーゲーム倶楽部 |
2カ月に1度、ファミリー向けのボードゲーム体験会を開催するほか、学童保育などで子どもたちにボードゲームの楽しさを伝える活動を行う。会長の林賢治氏(前列右)は「パン・焼き菓子工房らぼ」店主。副会長の三原俊亮氏(前列左)は僧侶。戎居照雅氏(後列左)はミルクティーと焼き菓子の店「六角スコーン」店主。池北寛司氏(後列右)ともう一人のメンバー安藤直人氏は会社員。年齢も職業も違うが、全員がボードゲームで家族との触れ合いの時間を作ることを目指している。 |
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