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香川の魅力
目次
屋外用に比べ簡易なものという室内履きの概念をくつがえしたいとの思いを込め、新たな履物のカテゴリーを提案する「CORCHO CORCHOR®(コルチョ コルチョ)」※1の「インドアライフシューズ」。
これまでにない履き心地のよさを実現したルームシューズの秘密を探る。
魅力あふれる県産品を掘り起こす「かがわ県産品コンクール」において、令和5年度のオリーブ部門優秀賞に選ばれた「インドアライフシューズ」。グリーンはオリーブの葉の表と裏の色の違いを表現している。 |
開発を手掛けたのは、日本ケミフェルト(株)の代表取締役であり、シューフィッター※2の資格を持つ吉田寿さん。構想から4年、室内の暮らしを足元から快適にしたい人々のために生まれた「インドアライフシューズ」。素材、構造、デザインまで理想を追求したルームシューズだ。
日本ケミフェルトは、天然ゴムにナイロン繊維を混ぜ合わせることで、さまざまな機能の素材を生み出してきた素材メーカー。これまでのノウハウに香川県だからこそのテイストを加えて、世界初の素材を生み出した。それが、「オリーブコルク®」と「オリーブ・ケミフェルト」だ。どちらも香川県で栽培されるオリーブの葉の微粉末を使用している。実はオリーブの葉には、抗菌消臭作用がある。そこに吉田さんは着目した。もともとコルクにも抗菌消臭作用がある上に、オリーブを合わせたことで、この上なく爽やかな「オリーブコルク」が誕生。「インドアライフシューズ」にはこの独自素材の機能が発揮されている。
オリジナル素材の材料となる、香川県産のオリーブの葉を粉砕した粉末。 |
それぞれの素材や形状が、心地よく足を守る4層構造。 |
通常は、中敷きと外敷きの2枚構造が多い室内履きだが、簡単すぎる構造の履物は、足の痛みや転倒につながる可能性があるという。「インドアライフシューズ」は4層構造。1層目は「オリーブコルク」のインソール。硬すぎず柔らかすぎず、素足で履いても心地よい。4層目のアウトソールには「オリーブ・ケミフェルト」を採用。クッション性やグリップ性が良く、足を滑らせるリスクを大幅に軽減してくれる。
直接足に触れる"フットベッド″にはシューフィッターの知識を詰め込んだ。つま先部分は足指が適度に動き、かつ滑りにくい形状で、わずかな空間の自由が足指を使って進む人間本来の歩行をかなえる。また、かかとの部分には円形のくぼみをつけ、アキレス腱を痛める原因ともなるかかとのぐらつきを抑えている。中ほどには"アーチサポート″と呼ばれる膨らみを施し、土踏まずの部分を心地よく支える。シューズ自体のデザインも、長時間履いても痛くならないよう先端部分にゆとりを持たせ、つま先は少し持ち上げてつまずきにくくした。
「オリーブコルク」と「オリーブ・ケミフェルト」に使用されているオリーブの葉の微粉末は、香川県が誇るオリーブハマチやオリーブマダイのエサに添加されているが、工業界での採用は初めてのこと。オリーブ栽培の関係者からは、新たなオリーブの葉の活用方法として、可能性が大きく広がったと喜ばれているという。また、吉田さんは売り上げの一部を「瀬戸内オリーブ基金」に寄付すると決めた。香川県の穏やかな風土のような優しさや心地よさを、暮らしを支える一足に凝縮した「インドアライフシューズ」。香川県を代表する癒やしの逸品として、海外展開も視野に入れる吉田さんである。
シート状に成形されるオリーブコルク。端材も、再びこの工程でシート状にし、有効活用を図っている。 |
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金型を使った型抜き工程。素材の配合から構造までハンドメイドにより一つ一つ丁寧に行われる。 |
日本ケミフェルト(株) 1967年 愛媛県に生まれる。青山学院大学経済学部卒業後、商社勤務やマーケット業界、製麺会社などを経験。 |
自社ブランド「SOKO®」では、さまざまな機能や絵柄の中敷きを製造・販売している。香川県ならではの讃岐うどん柄、讃岐のり染めの絵柄もある。 |
日本ケミフェルト(株) 香川県仲多度郡多度津町京町2番12号 TEL0877-32-3251 https://www.chemifelt.jp |
※1 「CORCHO」はスペイン語でコルクを意味する。素材を主役にした商品をと立ち上げた日本ケミフェルトの自社ブランド
※2 シューフィッターとは、足の健康を守る観点から正しく合った靴を提案するプロフェッショナル。3年以上の実務を経て、足と靴と健康協議会主催のシューフィッター養成講座で認定を受ける。
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