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香川の魅力
目次
段ボールのプロダクトデザインという希少な分野で躍進するhacomo株式会社。代表取締役でありダンボールクリエイターの岡村剛一郎氏は「ダンボールでオモシロイことを創造し、世界の人々にワクワクとハッピーを届ける」をミッションに、世界一のブランドを目指しています。
迫力満点の「hacomo big」。子どもたちの歓声が響く遊具や迷路などはイベントで大活躍している
2000年に富士ダンボール工業株式会社(現在の株式会社FUJIDAN)に入社した岡村剛一郎さんは、段ボール箱や緩衝材などの包装資材の設計を担当していました。ダンボールクリエイターとしてのスタートは、展示会で三層段ボールという非常に丈夫な資材をアピールしようと、巨大恐竜を製作したこと。これをきっかけに、包装資材ではなく「ノベルティグッズ」としての造形物を製作するようになりましたが、当時はまだ趣味の領域でした。就業時間が終わってから徹夜で試行錯誤を繰り返し、布団に入ってからも試作品を作っていました。
その成果は少しずつ実り、2003年、テレビ東京の番組であるT Vチャンピオン「第3 回ダンボールアート王」に出場し準優勝。2年後の2005年、日本パッケージングコンテストでパッケージデザイン賞を受賞、さらに2009年には第3回キッズデザイン賞(コミュニケーションデザイン部門)を受賞しました。
ヒト×モノ 讃岐デザイン
子どもたちの手にもやさしい「hacomo kids」
2017年にかがわ県産品コンクール15周年特別賞を受賞した縁起の良い「えんぎもの」
製品としての受注が増え、2010年に分社化し、hacomo 株式会社が誕生しました。社名の由来はhappy communication。ゲームやインターネットの普及で、手作りの楽しさから遠ざかってしまった子どもたちに、ものづくりの楽しさや、そこから生まれるコミュニケーションを大切にしてほしいと命名されました。
岡村さん自身もものづくりの楽しさを追求しながらチャレンジを続け、2018年にはTVチャンピオン極〜KIWAMI〜「ダンボールアート王決定戦」で優勝を飾り、名実共に段ボールアートのチャンピオンとなりました。
パッケージはほぼ定型封筒サイズ。かわいいパーツと世界を旅する気分で作る「PUSUPUSU」シリーズ。高松城がモチーフ
外国の名所をモチーフにした「PUSUPUSU」も揃う
記念すべきhacomo製品の第一号
hacomo社屋外観
アート王に輝いた岡村さんですが、これまでにアートを意識することはなかったといいます。あくまで製品としてのプロダクトデザインにこだわっていました。しかし、新型コロナウイルスの影響でイベントが中止になり、子どもたちの歓声が響いていた大型遊具の受注が止まってしまいました。そこで今は、”見る”に重きを置いた作品づくりを考えています。
hacomo株式会社は美術館からのイベント要請も多く、瀬戸内国際芸術祭にもオフィシャルショップとして関わってきました。視覚だけで人々をハッピーにするチャンスはいくらでもありそうです。
環境に優しく、汎用性の高い段ボールはさらに可能性を広げ、アート素材としても新しい価値を生み出すに違いありません。ますます段ボールの未来が面白くなってきたという岡村さん。段ボールアートが大きな話題を呼ぶ日も近いかもしれません。
瀬戸内国際芸術際のオフィシャルショップで活躍した棚。ベースは組み立ても運搬も保管もスムーズな段ボール家具「dan-cag」
実物大の列車も作ってしまうのがhacomo
「なりきり」シリーズでは実際に身に着ける“よろい”や“かぶと”もある
ダンボールクリエイター岡村 剛一郎さん
hacomo株式会社代表取締役社長 |
香川県高松市在住
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