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香川の魅力
目次
世界一美しい花こう岩と称される銘石「庵治石(あじいし)」。
その石粉を使って生まれた「Loci(炉器)」は、唯一無二の質感と機能性を持つ。
ブランド誕生の裏には、作家の熱い思いがあった。
大学で油絵を専攻した後、独学で陶芸を学んだニシクミさん。「陶芸はその土地に生まれ、その土地で消費されてきた文化」という考えを抱いていた。夫の実家がある香川県に移住し、この土地の土をこねて陶器を作りたいと思っていたが、納得できる土に出合えない。そんな中、ふと周りを見渡すと、ここは世界に誇るべき石の文化を育んできた土地であると気付く。それならば、世界的な銘石である庵治石で香川県ならではの作品を作りたいと思い立った。
話を聞けば、石の加工現場では大量の石粉が発生し、産業廃棄物として手間と費用をかけて処分していると言う。その石粉を有効利用できれば、伝統産業を守ることにもつながるはず。ところが、石粉は石材店により大きく性質が異なり、石粉のみの作品を作ることが難しい。少しでも多くの石粉を粘土に配合できないかと、5 年にも及ぶ試行錯誤を重ね、5 0%以上という割合にたどり着いた。

庵治石の粉は釉薬にも使用する。讃岐の風土を思わせる優しい色合いを生み出している。



「Loci」の三つのこだわり。庵治石の粉末を半分以上使用する。全て手作業で作り上げる。機能性を追求し、日々使いたくなる「使いやすさ」を目指す。
手にして驚くのはその軽さ。石の重厚なイメージを覆す滑らかな質感と軽やかさに加え、食洗機や電子レンジにも対応する。想像以上の優れた器が完成した。
日本各地で作られる焼き物は、土器、陶器、磁器、そして炻器(せっき)に分類される。この炻器は、陶器と磁器の中間のような性質を持つ。粘土と庵治石の粉から生まれるニシクミさんの作品も炻器に当たる。
しかし、「せっき」と聞くと、石の器を思い浮かべる人が多い。そこで、完成した器を「炉器」と名付けた。窯の火を連想させる「炉」という字を用いたが、実は「ロキ」という言葉はラテン語で大地の神を意味する。香川の大地から生まれ、2 千万年ほど前に地表に現れたという庵治石は、まさにこの地の神のような石。その石粉から生まれた器にふさわしいブランド名である。

つるりとした手触りで軽く、吸水率が低い「Loci」。食器としてはもちろん、香川県の特産品の一つ盆栽の鉢にも適している。令和6年度かがわ県産品コンクールで最優秀賞を受賞。香川の魅力を伝えるブランドとなった。
太平洋を見て育ったニシクミさんは、香川に住んで、穏やかに輝く瀬戸内海の風景の美しさに感動した。この海の近くで納得できる作品を作り続け、「多くの人にものづくりの楽しさを知ってもらいたい」と願う。その思いで、庵治の地に陶芸体験ができる「せとうち うみぽたり」をオープンした。ここでは、海ごみとして集めたシーグラスを使った作品も作ることができる。海からインスピレーションを得るニシクミさん。優しい海に感謝し、海に優しい作品を生み出したのだ。
讃岐の大地を思わせる力強く美しい庵治石から生まれた器。たくさんの人の手で生まれる優しく輝く瀬戸内海を思わせる作品たち。讃岐の大地と瀬戸内海に出会ったニシクミさんが生み出すデザインは、日々の暮らしに彩りを添える。

「せとうち うみぽたり」で人気のシーグラスを使った作品。海ごみが瀬戸内海を思わせるグラデーションに生まれ変わる。


三木町では主に子どもアート教室を開き、「せとうちうみぽたり」は週末の陶芸体験教室を開催している。2026年8月9日・10日は特別に栗林公園で陶芸体験ができる(問い合わせは栗林庵へ)。
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ニシクミ(本名西公美) 1988年、三重県尾鷲市に生まれる。 |
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アートスペースにしくみ
香川県木田郡三木町上高岡399
TEL 080-1624-2493
https://www.art-space-2493.com/
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